脱原発化してもオーストラリア
今日4月20日、オーストラリアのジュリア・ジラード首相が、日本に向けて発ちます。東日本大震災被災地への激励の訪問を含め、今後増大不可避である日本の天然ガス輸入について、オーストラリアが全面的に協力する件についての協議も、その重要な用件のひとつです。
3.11の大地震が発生するまで、CO2を出さないとしての原子力エネルギーの燃料産出国として、世界第二のウラニウム埋蔵国オーストラリアは注目され、オーストラリアのウラニウム鉱山株も急騰していました。
それが、3・11をきっかけとした世界の原発をめぐる環境の急変により、ウラニウム株の急落を始め、オーストラリアでのエネルギー資源産業の情勢も急変しました。
それまでにも、中国をはじめとする需要拡大により、天然ガスのプロジェクトへの投資は力強く拡大していましたが、それに輪をかけたのが、この震災でした。そうしてもはや、オーストラリアの液化天然ガス産業は
“超ブーム状態” とも言える状況となっています。
4月15日にも、日本のエネルギー資源開発企業、インペックスが計画を進めるイクシス液化天然ガスプロジェクト(総投資額は約2兆円の予定)の基地となる、オーストラリア北部準州の首都ダーウィンで、主にインペックスの寄付(約3億円)によって開校した地元技術訓練校の開校式が開かれました。
この式典に臨んだインペックスの黒田会長は、今年11月の投資の最終決定に向けて、いっそう積極姿勢であることを強調しています。
かくして、オーストラリアは、世界のエネルギー動向が、原発化しても、脱原発化しても、いずれにせよOKである、またしてもラッキーな国となっています。
(2011.4.20)
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