ブームに沸く町、ダーウィン
今年1月13日の公式着手決定を受けて、オーストラリアでは、イクシス・プロジェクトに関連する事業を請負おうと、活発な動きが始まっています。
まず、なによりも、この正式決定で沸きあがっているのが、大規模な関連地上液化プラントが建設されるダーウィンの町です。
北部準州の首都とはいえ、人口わずか12万少々のこの町は、いまや、オーストラリアで、最も話題を集めている町となっています。
というのは、まず、日本人にとって、忘れてはならない歴史上の関係として、まさにちょうど70年前、1942年2月19日に起こった、日本軍艦載機240機以上による、ダーウィン爆撃があります。その前年12月の真珠湾攻撃に始まった日本軍の攻勢は、2月15日のシンガポール攻落と続き、太平洋南端の基地の町、ダーウィンが目標とされたものです。いま、オーストラリアでは、その屈辱と受難の記念日として、数々の催しが実施されています。
時代は流れ、そのダーウィンが再び軍事的に注目されることとなったのが、昨年末に発表された米国海兵隊の駐留計画です。おそらく、沖縄で削減された海兵隊の一部が移ってくるものと見られているこの計画では、今年は二百数十人規模ですが、2016年までには2500人が駐留することとなり、いま、基地や隊員住宅の建設など、その受け入れ態勢に追われています。
そこに加わるイクシス・プロジェクト関連事業があります。見積もられている2・6兆円の総額のうち、約1・1兆円の地上プラントおよび関連インフラ工事のEPC契約が日本の日揮、千代田化工、そして米国のKBRの三社による共同体に発注されています。
昨年11月には、町の東30km、工事現場の北東17kmのハワード・スプリングスにプロジェクト建設村の発注が募集され、最大時合計3500室をなす住宅やアパートをもつ居住地区が建設されます。これには、レストラン、バー、25mプールを含めた屋外・室内スポーツ、図書室・映画室・ゲーム室などを備えたレクレーション施設、通勤用バス・システム、必要な上下水道、電力、通信施設などが含まれています。そうした様々な工事は、今年3月までに発注がすまされる予定です。
(2012.2.19)
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