BMA紛争、まだほぼ半ば
BHPビリトンと三菱によるBMA共同企業体での労使紛争は、すでに18ヶ月以上の長期戦となり、その波紋から、その7鉱山の内のひとつ、ノーウィッチ・パーク鉱山の閉鎖を招いています。

その膠着化様相をも見せている紛争で、その解決への期待が託されて実施された全労働者投票は、会社側の案に賛成するものは17.3パーセントにとどまり、組合の方針に投票者の8割をこえる労働者が支持を示している結果がでました。(全対象労働者数:2,972、賛成:415、反対:1,985、棄権:539。〔合計が合いませんが資料通り〕)。

この投票は、同紛争では二度目のもので、昨年10月に実施された時では、会社案への賛成が7.6パーセントでした。この点では、会社側への支持が倍以上に増えたとも見なせる経緯ですが、それでも、圧倒的な少数である大勢に大きな変化は生まれていません。

この紛争は、18ヶ月まえに有効期限が切れた企業内労働協約をめぐるものですが、対立を生んでいるのは、会社側が経営特権に属する事項と主張している、安全の監視、交代勤務変更の決定、下請け企業の選定に関する問題です。

前回の企業内労働協定の決定の際にも、3度の投票が実施された結果にようやく合意に至ったという経緯があり、企業側も、二度目の2割りほどの支持に、さほど失望しているわけでもないようです。

また、上記のように、合意を妨げている対立事項は、労使それぞれの原則にかかわる事柄だけに、足して二で割るといった妥協も難しい問題です。

こうした事情から、同紛争は、道なかばは越えたとしても、まだ “三分の二” あたりと言えそうです。

この投票結果を受けて、組合側は、22日から一週間のストライキに入りました。

 資料出所: 19-20 May, 2012, Australian Financial Review.

 (2012.5.22)
 

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