住宅市場、マイルドな停滞局面に
オーストラリア連邦銀行がその軟着陸をめざしてきた住宅バブルは、今年に入ってほどよい沈静化を続けており、10月5日、連銀は公定レートの5.5パーセント据え置きを決めました
(3月の引上げ以来7ヶ月間不変)。
図−1のように、住宅建設許可は、昨年半ばよりマイナス成長に入っており、この8月も、ニュー・サウス・ウェールズ州(20.8%減)やクイーンズランド州の大幅下降が反映し、全国で前年比8パーセントの減少となりました。
図−1 住宅建設許可数の伸び率の変化
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アナリストの間では、2000年のGST(消費税)導入にともなう急激な下降の二の舞を避けた、文字通りのソフト・ランディングをもっての沈静化の成功、と見られています。
この住宅建設需要の収縮は、しかしながら、この先も金利の急激な上昇が予想されないことや、特定地域を除き、過剰供給ではなく、ファンダメンタルにそった需要を反映していることなどから、今後の市場の収縮も引き続いてマイルドなものにとどまると観測されています。
こうした経済状況にともない、家計の支出も変化しています。図−2は家計における貯蓄を目的別に見たものですが、2003年初めにピークに達した不動産から、今日では、楕円で示したように、負債返済や銀行預金にシフトする傾向が現れています。また、株への投資が意外に伸びていないことも注目されます(5日に発表されたこの調査は、1200世帯を対象に、ING
Direct 銀行と Melbourne Institute によって、行われたもの)。
図−2 家計の貯蓄の目的別の推移
資料出所:Australian Financial Review 6 October 2005 より。
(2005.10.6)
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