(第三回) 一家で「ハットトリック」を達成

先にこの欄でご紹介した大野俊さん(「キャンベラで博士号をめざす」)が、めでたく博士号を修得され、また、すでに春には、息子さんが大学に、娘さんが高校にそれぞれ入学をはたしており、ご家族まとめて、念願の「ハットトリック」を達成されました。大野家の皆さん、おめでとうございます。

写真は、去る12月16日、キャンベラのオーストラリア国立大学(ANU)で行われた卒業式を終え、なにはともあれ、安堵とともに、その達成に満足されているご本人です。

                 

大野さんの書かれた博士論文は、そのタイトルが「Shifting Nikkeijin Identities and Citizenships - Life Histories of Invisible Poeple of Japanese Descent in the Philippines」というものです。訳せば「日系人の変遷するアイデンティティーと市民権―フィリピンにおける不可視な日系の人々の生活史」。

大野さんは、この論文を、昨年3月に提出してその審査が終わるのを首を長くして待っていましたが、8ヶ月という異例な長さの審査期間を経て、さる11月、その合格が晴れて認められました。

「あんまり長く待たされたので、感慨も少し薄れてしまった」と語る大野さんですが、さすがに喜びは隠せない様子。この仕事は、アカデミック界からは、関連分野の研究者にとって必見の一冊になるもの、という評価を得ているということです。

この論文について大野さんは、まず英文で、その後には和文訳の出版を計画されているとかで、日本語での本となって私達の目に触れることも、そんなに遠い先のことではないでしょう。その際には、このサイトでも、お知らせしたいと思います。

(2005.12.24)
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