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私共和国
?1私共和国
「両生空間」 が細胞分裂し、新しい生命を生み出しました。
「私共和国」 の第一号です。題して、「?1 私共和国」。
これまでに 「両生空間」、 ことに 「両生学講座」 で述べてきたように、私はこの現実の世界に 「二重の構え」 で対処してきましたし、今もそうしています。
ということは、私にとってそれはこの世の中を 《二重底》 と見ることで、現実世界の 「よこせし」 もろもろは下底とみなし、さらに上底を設け、そこに私としての実(じつ)と誇りを託したいとするものです。そして、前回で述べた柄谷行人の 「世界共和国」 の構想を手がかりに、そこに私なりの工夫を加味した 「私‐世界共和国」 を 「私共和国」 と称して “設置”
し、まず自分の足元から、聖域化すなわち商品化手段との隔離があればこそ意味があるとする私の流儀に立ち、自分の納得できる範囲で、ともかく、動いてゆきたいと考えます。つまり、それを認識の問題――そう考えることだけで悦に入る――とのみするのではなく、モラル、道徳性の問題をも含めて、のぞみたいとするものです。
そこでまず、この 「私共和国」 という 「上底」 の世界がどこに存在するかですが、それは、じつは、すでに存在し始めています。それがこのいまの
「私」 で、だからこそ 「私共和国」 であるのです。そして、しいてその 「どこか」 に答えるとすれば、それは私の 「こちら側」 と 「あちら側」
にまたがっており、また、その 「共和国」 が何たるかは、それを 「二重の構え」 と呼び、これまでに至るその生成過程を様々な角度から本サイトに述べてきました(ことに前回講座はそのハイライト)。いうなれば、そういう自構想を、ともあれ、自分自身で実施していこうとするのが 「私共和国」 です。
それならば、これまでの 「二重の構え」 とこの 《二重底》 のどこが違うのかと言えば、それはただの言い回し上の違いではありません。前者が私の
「こちら側」 の世界に終始していた (もちろんいくらかの行動を題材にはしてきましたが) のに対し、後者はその考えをもって 「こちら側」 の私と
「あちら側」 の私を 「統合」 しようとするものであることです。いうなれば、前者は海図で、後者は航海です。海図なき航海は無謀ですが、航海なき海図は空虚です。そして、
「私共和国」 は、その航海にのりだす、私が乗り、私があやつる 《船》 です。
さらに、この 《二重底》 の意味ですが、航海にあたって、これまでは、目的地を定めなくては船出があり得なかった――理想社会のモデル無しでは動けなかった――のに対し、この航海は、その航海自体に目的をもはらんでいることです。つまり、目的のための航海はあまりに苦行で宗教的でしたが、目的をも生める航海は、それ自体が生であり、それ自体に意義があります。意義を楽しみながら航海をし、それがある日、未知の地にたどりつく。これこそ人生です。ですから、
《二重底》 とは、目的のための航海も、 「よこせし」 もろもろも、それはそれとしてやりたいようにやってもらい――もちろんいろいろ活用も批判もさせてもらいますが――、私は自流儀で上底を生きるという姿勢です。これまでにも書いてきたように、そしてそうできてきたように、それはそんなに難しいことではない、ある意味では単純なこと、と思っています。
私は、“言い出しっぺ” として、この私が船長である私共和国を 「?1私共和国」 (番号で呼ぶのは味気がないのですが、とりあえず) としましたが、こうした考えに共鳴があり、もしそれが広がるならば、 ?2、3、4 ・・・ と、たくさんの私共和国が生まれてくるでしょうし、すでに私の知らないところで存在していると思います。
それは、イメージとして、水玉模様の水玉が、初めは広大な地の中に一つの小さな点だけとしてしかなかったものが、二つ、三つとしだいにその数を増やし、やがて地全体に広がり、そして究極的には、その地が見えなくなるほどに拡大してゆく、そういうものではないかと想像しています。
以上のような展望で、この 「両生空間」 と供に、「私共和国」 という新しい場空間を設け、共和国活動の発表や意見交換の 「互酬」 場としたいと思います。また、その掲載頻度も、これまでのような月一回といった定期刊行のスタイルを改め、随時、ひょっとしたら毎日でも、掲載してゆこうと思っています。そういう意味ではブログにしてもよいのですが、今のところ、ブログにして何が変わるのか、そのメリットがよくつかめず、当分、このままで行くつもりです。当然、 「私共和国」 への来訪者との交流は重視したいと思いますので、「発行者へのご意見」 のメニューを新たに設けます。メール形式によるものですが、どうぞふるって、お声をお寄せください。
(2008年7月14日)
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