ブーム続く西オーストラリア経済
良好な発展を続けるオーストラリア経済にあって、西オーストラリア経済は、そのなかでもトップの座を走っています。昨年度で7.5パーセント、今年も4.75パーセントの成長が予測されています。おかげで失業率も、昨年11月に4.3パーセントと、同州の最低記録まで下がっています。

こうした好調の牽引役は、何と言っても、広大な西オーストラリア州の地下に眠る鉱物資源です。かって60年代、70年代はその役を日本が担いましたが、成長著しい中国経済のその資源的下支えを、同州が大きく担っているからです。

昨年度の同州の輸出は4.5パーセント増加し、オーストラリアの全輸出の29パーセントを占めています。ちなみに、この1月で、同州の人口は2百万人を超えると見込まれていますが、それでも、全人口のおよそ一割を占めるのみです。

こうしたブームで、人手不足は深刻です。ことに、鉱業をリードする、鉱山技師、地質学者、冶金技師らは、高い給料をもって、海外より呼び寄せられている状況です。

こうした好況を反映して、同州に移住してくる人も増加し、人口の成長にも結びついています。そのため、首都パースの住宅価格は、値下がり傾向を見せ始めたオーストラリア東岸の諸都市を尻目に、いまだに上昇を続けています(住宅価格下降始まる:シドニー、メルボルン、キャンベラ 海沿い地区住宅の最新価格情報 参照)。パースの住宅市場は、まだ、最高点には達していないというのが、不動産関係者の一般的な見解です。

こうした繁栄を受けて、同市では、いくつかの都市開発関係のプロジェクトが現在進行中です。東パースでは同地域の開発プロジェクト、そして、同市中心と南部郊外を結ぶ鉄道プロジェクトも進められています。また、およそ180億円を費やしたパース・コンベンション・イグジビション・センター、最近完成したばかりです。

市内のビジネス街でも、ことに鉱山関係企業のオフィスが増え、旺盛な需要を形成、成長を続けています。

政治的には、2月26日には、同州の総選挙が予定されており、ギャロップ首相の率いる労働党政府が、こうした好調な経済運営を実績に、再度政権を握るかどうかが、注目されています。

(2005.1.18)
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