8月9日に行われた北部準州(NT)議会選挙は、与党労働党が一議席ながらの僅差で政権を維持、その選挙結果に立って州首相ポール・ヘンダーソンは、「インペックスがダーウィンに決定するのがいっそう近づいた」と勝利宣言を行っています。
ただこの選挙結果は、与党が目算通り一応の勝利をえたものの、その中身は、同党への支持票が9パーセント近くも野党に回り、その獲得議席数も、総議席数25のうち、既存の19から13へと激減、今や連邦政府からすべての州・準州政府の政権を網羅する労働党
“天下” への、強い批判票が顕在化したものとみられています。
一方、このイクシスPJをめぐる「綱引き」を反対側で演じている西オーストラリア州政府与党は、NT与党と同じく、州議会の六ヶ月の繰り上げ選挙を実施すると発表、それが9月6日に行われます。この抜き打ち選挙は、同州の野党自由党がそのリーダーシップをめぐって内紛問題をかかえており、そこをついてさらなる打撃を加える狙いをもつものでした。ところが、NTでのこうした選挙結果が示唆する労働党への意外に強い批判票の顕在化をめぐり、その攻撃のはずの選挙が防御の選挙ともなりかねず、今や西オーストラリアの政界では選挙結果待ちのムードが広がり、綱引きの力も分散しがちとなっています。
そういう意味では、NTのヘンダーソン首相にとっては、選挙戦はおもわぬ僅差勝利に終わらされたものの、綱引き戦では、西オーストラリア州側が、自ら招いた身動きできない情勢に追い込まれ、このイクシスPJへの決定も来月選挙結果次第といっそう不確定さを増し、その目算の面では、確かな成果をえているとも言えます。
一方、NTの地元紙によると、インペックスが8月中にもその方針を決定するとの見方に対し、同社のスポークスマンは、「現段階ではその行方に関するいかなる決定もしていない。選択肢を検討している段階である」
と表明しています。
資料出所: 8 August 2008, The Australian Financial Review, http://www.ntnews.com.au/article/2008/08/12/5135_ntnews.html。
(2008.8.13)
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