ブラウズPJ、FLNG方式へ
西オーストラリア州沖に計画されているブラウズ・プロジェクトは、4月14日にその計画のいったんの棚上げが発表されていましたが、その主導企業、ウッドサイド社は4月30日、同プロジェクトの主要パートナーのシェル社と、FLNG(浮きプラント)方式を採用することで合意したと発表しました。

もともとシェル社は、このFLNG技術を開発した一社でもあり、前号で報じましたように、地上プラント計画がコスト上昇で困難度を高めてきた中で、同方式への変更を推薦していました。

報道によると、同プロジェクトは規模が大きく、FLNG船を二隻もちいることとなりそうで、その費用は総計で約400億米ドルと、450超億(900億と予想する向きもある)と見積もられていた地上方式に比べ、かなり安くなる見通しです。

ウッドサイト社では、参加企業の合意をこの年末までにとりつけ、来年よりエンジニアリングと設計作業に入り、最終的な投資決定は2015年の末となるとしています。

このプロジェクトには、三菱商事と三井物産の連合体が、14.7パーセントの持ち分を所有して参加しています。一方、すでに本工事に入った日本のインペックス社主導のイクシス・プロジェクト(前号記事参照)に、巨大な4基の低温タンクを受注した川崎重工は、洋上構造物に強い三井造船との合併協議に入ったと報じられています。

もしこのブラウズPJのFLNGが本決まりとなり、また、川崎重工と三井造船の合併も進行すれば、すでにオーストラリアに足場を持つ日本勢にとって、この二隻のFLNG船の建造は、世界に先駆ける大型事例でもあり、その受注が期待されるものとなりそうです。

 資料出所: 1 May 2013, Australian Financial Review.

 (2013.5.2)
 

 資源・産業 もくじへ
 HPへ戻る

資源・産業 もくじへ
HPへ戻る