今回取り上げる《豪州「昭和人」群像》の3人目は、実はもう、豪州にはいません。すでに日本に戻って6年、「はつらつ」とした日々を送っています。ただし、その「はつらつさ」には、あたかも日本と豪州のアマルガムとも言うべき、そうとうな複雑さがこもっています。というのは、オーストラリアで得た広がった体験をもってしても、自らを「無知層民」だったと覚ることとなった自分の生まれ育った境遇がゆえに、戻った日本社会で暮らす困難さを噛み締めながらのそういう前向きさであるからです。今回は、そうしたもはや日本発のストーリーですが、豪州滞在経験が決定的な転機となった「昭和人」という意味で、このシリーズに取り上げるものです。 詳細記事

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