• 11月

    • 前回「日々両生」したように、私のオーストラリア生活は35年を越え、73歳の人生のほぼ半分を占めるに至っています。まして、成人してからの割合となれば、その大半です。そこで思うのですが、こういう私はいったい「なに人」なのでしょう。ひょっとして、「両生人」?

       

  • 10月

    • あちこちで、ジャカランダの花が開き始めた。今日10月26日は、私のオーストラリア上陸記念日である。35年前の1984年の今日、パースの空港に降り立った。やがて、満開となったジャカランダが、オーストラリアでの新生活を始めたばかりの私の不安な気持ちを安らげてくれていた。

    • オーストラリアの大手新聞各紙は21日、政府による新聞社や関係者の家宅捜査に抗議して、一面を全面黒塗り記事で埋めた新聞を一斉に発行した。政府が機密事項とする情報の報道に制限を加えようとする豪政府の動きに、国民の知る権利の侵害の危機を訴えている。(写真は21日付けAFR紙)

    • [caption id="attachment_10978" align="aligncenter" width="200"] 日経(2019.10.19)より[/caption]

      上図のように、中国は南太平洋で着々とその足場を広げている。一方、この図とよく似た図(これを参照【注:記事の上部に表示】)がかつてあった。日本帝国の1942年時の地図である。この後、同帝国は、さらに東進しようとして、ミッドウェー海戦で転機を迎えた。

    • 日本から届く、二つの闘いのニュース。一つは、台風との闘い。他は、言わずもがなラグビーWカップ。被害に遭われた方々には最大の支援が必要だが、ともに、勝利したと受け止められる。日本の人びとの底力を感じる。

  • 09月

    • 今、フンザ渓谷の町、カリマバードに居る。標高2500mほどの町の背後そして対岸に、7000mを越える峰々がそびえている。まさしく息を飲まされる高度感である。昨日は、長谷川記念学校を訪ねた【写真】。この名は、1991年10月、当地の未踏Ultar峰で遭難死した日本の登山家、長谷川恒男に因んでいる。彼は私と一歳違いの同世代。

    • ホテルに落ち着き、ローカル・ニュースに接すると、パキスタン経済が困難にひんしている様子が繰り返し伝えられている。インフレが激しく、パキスタンルピーも、対米ドルで30パーセントの切り下げという。むろん一介の旅行者にとって、そうした変化は見えずらい。

    • 昨深夜、パキスタンのラホールに到着。バンコック経由の計12時間の飛行と5時間の時差で、やや疲労気味。当都市は、似た様相のインド――英国がしくんだ宿命の敵対国――のそれに比べ、どこか落ち着いている感がある。中国の援助で進んでいるインフラ整備の効果だろうか。一方、街を行く車はほとんどが日本車。

    • 歴史をよく見れば、日本も中国もアジアの他諸国も、欧米列強に揉みしだかれてきた共通項がある。その目をもってたとえば香港問題に接すれば、違った光景が見えてくる。今日、これほどに激烈な諸対立が続くのは、やはり、それを歓迎あるいはそれを作り出している下手人がいるからだ。19日、そうした他のアジアの一国、パキスタンに向かう。

    • 香港からの報道を見ていると、どこか、自分の若き時代の高揚を思い出してしまう。今時の催涙ガスの臭いは知らないが、当時、いくどもかがされた、あのツーンと切り込んでくる臭いがよみがえってくる。正義は君たちにある。

  • 08月

    • いま、オーストラリアの主要都市で、これまでにブーム状態を呈してきた新築マンションにほぼ軒並みの欠陥建築問題が発生し、居住を続けられないケースまで出ている。その結果、保険料は倍増、風評から貸室は埋まらず、品質保証期間を過ぎた建物の場合、ローン返済に加え、二重、三重の出費負担となり、売るにも売れず、破産状態の淵に立たされる不運な所有者も出ている。

    • 最近、日本からこんな声が聞こえてきた。「現行憲法も守っていないのに(首相が)改憲を言い出すのは非常に危険だ。寝言は寝てから言ってほしい」。まともな声は、ここ南半球までもとどく。山本太郎氏の発言。

    • 日本政府は、韓国の「ホワイト国」除外を公式決定した。これはもう、貿易戦争への宣戦布告だ。海外諸国はこの決定を日本の安全保障を口実にした報復行為とみている。当然、韓国の逆報復も起こされよう。その結果は、第三国をも巻き込んで、誰もがルーザーとなることだ。正気の沙汰か。賢明であれ。

  • 07月

    • 世界の先進諸国で、内部亀裂が如実となっている。米しかり、独しかり、そして英のボ新首相の登場だ。何十年前だったか、自民党の重鎮が、「国を割ってはいかん」との危機感を述べていた。一方、考えてみれば、別掲記事のように、自分自身も「半外人」と自らを形容している。そういう拠り所のない時代に生きているということか。

    • 参院選結果に「国民の理解が得られた」との安倍首相弁とかけて、形状記憶繊維製シャツと解く。その心は、しわ(48%)とりの成果です。

    • 今日、早々と、参院選の投票に行ってきた。シドニー中心街の日本領事館で15日まで受け付けている。私の票は、もちろん、政府への批判票だ。与党に議席増を与えてはならない。さもなくば、日本の政治は、劣化どころか、自滅に向かう。

  • 06月

    • 今夜、日本を立つ。この3週間、私は自らを地面をはう「虫の眼」に徹した。自転車ツアーをしたのもそのため。そしてこの滞在は、おそろしく劣化した日本の上層部とは異なる、まっとうな日本を確認できた体験だった。その表皮は腐っている。だが、深部には確かな血肉が息づいている。(写真は奈良県天川村坪内の大イチョウ)

    • 日本のローカルを自転車でツアーしている。あえて日本の地面と直接に触れあう旅だ。夜でも鍵をかけないでいる日本がある。一方、一泊したAirbnbの宿は、日夫米妻といった国際結婚した若い4人家族で営まれていた。確かに、遅まきなのだが、日本は変わり始めている。世代ごとにといった、後戻りしないペースで。

  • 05月

    • これは本日のAFR紙に掲載の政治漫画。「旭日の国の親分からのホールインワン」と題して、「見たか安倍…安倍」とパターを振り回す片方、「はい」と挟まれた他方。日本人には考えつけないこのオージー・ユーモア

    • 東京到着。事前に地図でチェックしていたのだが、どうも見当違だったらしくてホテルが見つからず。路上でパチンコ屋の看板を持った若者に尋ねると、思いもよらない親切な案内。店からプリントアウトした地図まで持ってきてくれた。「コーヒーでも飲んで」と、思わずチップを渡してしまった。

    • メディアや私の予想を裏切り、18日投開票のオーストラリア総選挙は与党の続投となった。この番狂わせの詳細分析は未だだが、大手三世論調査会社のおしなべての予想失敗にホコ先が向けられている。ともあれ、オーストラリアの“全員”投票の予想の難しさは定評がある。人々の真意は測りがたい。

    • オーストラリアの元首相(在任1983~91)、ボブ・ホークが昨夜亡くなった。彼は、私が1984年にオーストラリア生活を選ぶ、その根拠をくれたとも言っていい人物だ。私の中年留学や永住の決心とその成功に、彼の率いる労働党政権下の政策なくしては考えられない。折しも明日18日は総選挙の投票日。にくいようなタイミングの死に方だ。これで労働党の勝利は、いっそう盤石となった。

    • 戦後まだ間もない復興期、始まった冷戦のもとで、「東洋のスイス」になろうとの日本の展望があった。中立国や世界ブランドの時計を念頭においた日本の身の振り方のビジョンだった。それがいまや、米中の起こし始めた《新冷戦》の中で、中立、技術立国は、日本の新たなビジョンにならないか。

    • 日本を覆い隠してきたダブルフィクションが、この5月1日をもって、トリプルフィクションへと深まった(「 即位って、本当に必要なの?」参照) 。逆に言えば、日本国民は、三重の目くらましで盲目にされている。第一は明治政府になる新天皇制、第二は敗戦による象徴天皇というその存続、そして今回の十連休という総催眠。

  • 04月

    • 代替わりを祝えと、集団麻酔のような10連休が始まった。年号使用の不便のため、シドニー領事館の窓口には、「今年は〇△何年です」との張り紙がある。いちいち応答する互いの面倒を避けるためのようだ。西暦で書くと訂正を求められる。

    • 5月18日投票のオーストラリアの総選挙は、野党が13議席を奪回して、政権交代となる予想。従来なら、野党労働党の躍進となれば、労働組合の運動に支えられた階級論争がその根っこの争点。しかし今回は様変わりして、むしろジェンダー論争がその原動力となっている様相。

    • オーストラリアの次回総選挙が5月18日投票と決まった。この国では投票の義務制が定着し、その日には誰もが投票する(投票率95%以上)。だから、スイングと呼ばれるほんの数パーセントの票の動きが、国の政権の、そして個々の政治家の生死を決める。ほぼ半数しか投票せず、そのまた半分の固定票で選ばれる政府や政治家と、どちらが国民に緊張しているだろうか。

    • 今日の昼、新年号が発表されるという。奇異なのは、新年号あるいは新天皇の即位をもって、世の中が変わるかの風潮が見られることだ。それを「神頼み」とは呼ばないとしても、いまの暮らしにくさの原因が、そうしたムードによって解消するとはとても考えられない。いっそのもと、即位記念、消費増税見送りはどうだ。

  • 03月

    • クライストチャーチのテロから一週間、この間、NZ国民が迷わずに示したモスリム被災者を守る全社会的団結と自動銃禁制の機敏な法制化には、今の世界をおおう暗闇に光を投じる、まさに人間社会の希望を示してくれた。ことにその先頭に立ったアーダーン首相〔昨年8月29日の本欄参照〕の毅然かつ公平な姿勢には、日本の同地位に立つ者とは比較すらためらう、民主精神の真髄が見られる。

    • NZのクライストチャーチでの無差別銃殺事件は、犯人がオージーといい、この両国に親しい者にとっては、その異常性が異常だ。この事件は、両国が移民問題にそれほど深刻だったからというより、多文化主義を掲げるその国是がゆえ、この両国に狙いを定め、そこを標的にしたという感じがする。そうした政策とその定着を転覆しようとする企みをもって。これもやらせか。

    • 通勤で電車に乗っている時、私が本を読んでいると、乗ってきた同年配のオージーが、いきなり「今日はラッキーな日だ」と話しかけてきた。「今時、車中で本を読んでいる人なぞ、とんとお目にかかったことがない」と彼。私も以前、同様なシーンを見て同感だった。スマホ前世代たちの共感の交換だった。

  • 02月

    • 沖縄の県民投票は、辺野古への基地移設反対票が72.2%を獲得した。しかも、投票自体を認めようとしない自民、公明の投票ボイコットの中でも、その投票率が52.48%に達した。2017年衆院選の投票率53.68%、自公の得票率45.8%(比例代表)と比べれば、正味は、この反対36%に対し阿部政権24%とみすぼらしい。どちらがより民主的かは明白。現政府が「私たちの政府」とは、一層認められない。

    • 日本でも、定年をなくせとの議論が始まった。ここオーストラリアでも定年はない。そこでの要注意は、当地での定年禁止は、雇用における諸差別禁止という脈略の中でのそれであり、性や人種などの差別禁止と合わせて年齢もダメということ。他の差別とセットにせず、年齢だけを取り出すのは、政府、使用者側のご都合主義。老若男女、そろって差別禁止を求めよう。

    • 報道される情報を見る限りでも、日本の政治の劣化どころか自壊にも等しいあり様は、天皇の代替わりを祝うどころか、祝賀を装った国民の目くらましそのものと見える。そもそも「象徴」という、“超”法規的とは言わずとも、“避”法規的存在を頂かねばならない仕組みはなぜ必要なのか。税金を順当に負担する著名家族でいいのではないか。

  • 01月


    • ニュージーランドの自然は実に広大である。しかも、開発が制限され、あえて不便さを残してある。おかげで、人のいない大自然を独り占めにさえできる。ただし、そうした環境は、老人たちには決して優しくない。今回の最終日も、湖の渡しのボートに間に合うため、二日分をぶっ通しで歩くはめとなった。案内では8時間半のところを、11時間もかかって。写真は、そのボートからのスナップ。

    • セント・アーナウドに到着。湖畔のちっぽけな町。どこまでも静寂で、風の音だけが聞こえる。明日より、対岸に水上タクシーで渡り、トレッキング開始。写真は、湖畔風景。

    • シドニーよりニュージーランドのオークランド経由で、南島北端の港町、ネルソンに到着。明日、バスで、ネルソン・レイクス国立公園のロトイチ湖畔の町、セント・アーナウドへ。あさってからいよいよ、6日間のトレッキングに入る。また、ロートル二人の珍道中になるやも。

    • この年末、驚かされたことがある。「HIRAMASA」と表示された店で使っている養殖ブリのことだ。その余った頭を兜焼きにしてよく食するのだが、この年末、その身が焼いても水っぽく全く食えたもんじゃない。聞くと、年末向けの多量出荷のために促成成長させられたがゆえという。むろんその表示の如く日本へも輸出されている。