子どもたちは、ミミズ、ダンゴムシ、テントウムシ、モンシロチョウなどの虫や、カエルなどの小動物が大好きです。また、幼稚園が飼育しているウサギやオカメインコも、子どもたちが大好きな幼稚園の仲間です。
「今日は、カエルさんにお友達を見つけよう」と、張り切って登園したAくん、本当は保育者と一緒にカエルとりに出かけたいのですが、保育者は、まだ登園してくる幼児を迎えることで忙しいと察してくれた様子で、テラスの端から園庭の土をほじくっています。すると、ダンゴムシ、ミミズ、オケラまで出てきて、ますます、面白くなってきました。様子を見に来たBちゃん、Cちゃんも次々と「私にも、ビニール袋ちょうだい」と、ダンゴムシやミミズとりに加わりました。
また、お母さんから離れた不安な気持ちを、ある日、保育者の働きかけで、ウサギのシロちゃんを触ることで落ち着かせたDちゃんは、だんだん保育者に自分のしたいことを伝えることが出来るようになってきました。この日も、登園後の身支度を済ませると、保育者に「一緒に、シロちゃんに餌をやりに行こう」と誘うことができました。保育室には、家庭から届いた、キャベツの余りや、ニンジンの葉などがあり、それらを持ってウサギの飼育ゲージに向かいます。ウサギたちを見ること、餌をやること、そんなことが、子どもたちの心を和ませてくれるのです。
私たちの住んでいる地方は、日本の真ん中くらいに位置しますので、夏は暑いことが多く、冬は寒いのですが、雪はシーズンに1~2回降る程度で、雪が積もるのは珍しいことです。
冬のある朝、真っ白に雪が降り積もったことがありました。園児たちは、郊外から車で通園している子どもも多く、道路事情も考えて、登園に困る方も多いと思われました。実際、「欠席します。」との連絡も、かなりありました。が、中には「こんな時は、めったに味わえないだろうと、家から歩いてきました」という親子さんもありました。
案の定、子どもたちは、登園すると、一目散に園庭に飛び出して行き、「わあ、きれい!ダイヤモンドが隠れているみたい!」「この入れ物に雪と砂を入れたら、雪がクリームで、砂がチョコレートや」と、駆けまわったり、遊具や草木に積もった雪を集めたりしています。
ウサギのシロちゃんの様子が気になったEちゃんは、「私、シロちゃんを見てくる」と、出かけて行きましたが、戻ってきて「白ちゃんは、もともと白いから、大丈夫だったわ」と、ほっとした顔で戻ってきました。たくさん遊び、たくさん心を動かしました。
その雪が溶けたら、畑のダイコンや小松菜がぐんと大きくなりました。雪に交じって春が来るのですね。
北谷 正子