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「真実は、これまでに人類によって発見された、もっとも致死的武器である。それは、既存のどんな社会、文化そして現実をも破壊することができる。それは、どこであろうと、あらゆる政府によって違法扱いとされており、通常、その所有は極刑に値する。」
ジョン・ギルモアー(アメリカ人作家)
英米金融エリートは、政府首脳を牛耳るために、自分達が行っていることは民主主義と国の成長のためであるという反・情報を駆使する。彼らは、銀行家や企業トップたち――「GMにとってよいことは米国にとってもよいことで、米国にとってよいことはGMにとってもよいことだ」と言い張る――が世界が立ち行くことを助けているのだと、ことに選挙献金を通じることで、精力的に政治家の頭にたたきこむ、。
そうした主張は、単に、ひとむかし前の封建制度の、もう少し近くでも、植民地制度の、現代式の偽装にすぎない。植民地時代のその「目的」は、そうした植民地制度は、労働者へも所有者と同様に利益がもたらされる制度であると告げられ、それへの参加と協力によって自分達の生活の向上がもたらされると説明された。そして、小規模の反抗(異論行動)は、支配者の圧倒的な軍事装置によって、たやすくも壊滅させられた。今日では、既存権力は、そうした軍事的圧倒性の代わりに、優勢な経済支配力を用いる。つまり、この種の手法は、過去数十年間だけではなく、数世紀にわたって続いてきている。13世紀には、1250年のマグナ・カルタ〔英国ジョン王が人民の権利と自由を保障したもので、英国憲法の基礎〕によって誕生した民主主義との大衆的理念をもって、それまで王や王女による支配のための「神権」と考えられていたものが、その足場を崩され挑戦されることとなった。1497年のグーテンベルグの印刷機の発明は、そうして誕生した人民が読むことを習得して自分自身のために決断する機会をもたらし、君主政治や教会の権力(今日の「1パーセント富豪」に相当)に新たな打撃を与えた。
今日における同類の産物には、だが、あまりにも寒々しいものがある。エリートにとって、一般民衆を、彼らの望むように考え、投票させることは、はるかに容易なことである。民主主義を世界に広げることを許すことで、そうした〔エリートによる〕秘密集団は、彼らの思惑への立ち入った詮索――革命へと発展する恐れがある――を防止することができる。いまや、そうしたエリート権力執行者らは、彼らの宣告を自ら国全体に広く行き渡らせる必要はなく、選挙で選ばれた者に命令を与えるだけでよい。そうした政治家らは、どこに権力があるのかを承知している。すでに1876年に、英国首相ベンジャミン・ディズレーリがこう述べていることを熟慮しよう。「現行の政府は、他の政府や皇帝や王や大臣の合意を得なければならないだけでなく、秘密組織とのそれを経ねばならない。そうした秘密組織は、いたるところに彼らのあくどい密使を配置しており、最後には、政府の計画のすべてを転覆させてしまうことさえ行う。」
だがその一方、それは実際、新時代の到来でもある。権力エリートの支配は、政府首脳への信頼と同じく、あやういものとなるに至っている。2011年の米国の調査によると、回答者の87パーセントが、政府を信用できず、どこに苦情を言えばよいのかよく分からないと答えている。既存権力は、その完ぺきな支配への試みが出来上がりつつあるものの、最後のもう一歩に達しえていないことを知っている。そうした一歩を阻んでいる者は賢明な一団であり、歴史をとおし、彼らは自らの〔挑戦〕計画を幾度も書き換えてきた。何も変わっていないのは、そうした「既存権力」にある者たちで、彼らは、そうした一団を発見するや、脅しや金で抱き込んで沈黙させようとし、暗殺すらもいとわない。
ドワイト・D・アイゼンハワー大統領は、1961年の退任演説において、戦争を扱う国家安全保障部門の拡大する力へ、あるいは政府首脳へ、あるいは地球外生命の可能性へ、そしておそらくこれら三者すべてに対して言及しようとしていた。アイゼンハワーは、こうした「軍産」の利権を、行き過ぎた力を得ていると見ていた。彼の注目すべき以下の演説は、歴任への謝辞ではあったが、第二次世界大戦の最高位の将軍として最も情報に精通した官職者が残した言葉でもあった。
「閣僚会議において、我々は、それが作為的であろうとなかろうと、軍産複合体による不当な影響力の行使に対抗しなければならない。誤って置かれた力の不幸な成長の可能性が存在し、しかもなお追求されている。この〔複合体の〕結合の緊密化によって、私たちの自由と民主主義制を危険にさらしてはならない。私たちは、いずれをも、当たり前のことと考えてはならない。安全保障と自由をともに成功させるために、警戒心と知識に長けた市民のみが、平和的方法と目標をもって、その巨大な国防産業と軍機構とを、正しく噛み合わせることができる。」
残念なことに、アイク〔アイゼンハワーの愛称〕は、そうとは知らないながら、将来の数十年を先取りする秘密政府のために、道を開けてしまっていた。
数年後、アイクの後を継ぐ大統領ジョン・F・ケネディーは、その秘密の世界に言及し、それが彼の命取りになってしまった可能性が高い。彼は述べた。「真実の最大の敵は嘘――意図的で、不正直で、もくろまれたもの――ではなく、そのほとんどは神話――一貫し、説得力のある、現実離れした――である。神話を信じることは、思想の堅苦しさに比べ、いかにも心地のよいことなのである」。ケネディー大統領は、多くのCIAの諜報員が大統領や国民への忠誠な奉仕者でなく、影の政府の非道な措置を実行していることに強い疑念を持っていた。彼は、CIAのピッグス湾事件の失敗に怒り、「CIAを数千に粉砕し、空にまいて」やりたいと宣言した。さらに彼は、「もしアメリカ合衆国が政府転覆クーデタに合うとしたら、それはCIAのなすものだ。この部署は、底知れぬ力と完ぺきな無責任さを持っている」とも述べた。この声明は正しい。実際、CIAは、政府の第四部署として機能し、何ものの監視を受けず、他の三つの部署よりはるかに力をもっている。
ケネディー暗殺のちょうど一カ月後の1963年12月22日、元大統領のハリー・トルーマンは、ワシントンポスト紙に、「CIAを諜報部に制限せよ」とのタイトルの署名記事を載せた。議会がCIAを設立させたわずか16年後のその記事の中で、彼はこう述べている(抜粋引用)。
「私は、CIAがその当初の任務から逸脱することによって、何回にもわたって当惑させられた。それは、政府の作戦実行や、時には政策決定部門となっていた・・・ この所定の役割からの逸脱は・・・問題を引き起こし、いくつかの危険な分野において、我々の困難を複雑にさせた・・・ 私は(CIAに)平和時の口実作りあるいは刺客作戦を命じたことなぞ決してない・・・ したがって私は、CIAを大統領の諜報部としての本来の配置に戻し・・・ そして、その作戦任務については、それを終わらせ、他の適正な部署で行われることを望みたい。」
この署名記事から、トルーマンが、CIAがケネディー暗殺に何らかの関わりをもっていた可能性が高いと見ていたかがうかがえる。注目すべきことに、CIAについてのハリー・トルーマンの記事は、ワシントンポスト紙の午後版には掲載されたが、その日のその後の版からは削除されている。ということは、トルーマンは核心に触れていたということなのか。ケネディー以来、すべての歴代大統領はCIAを恐れている、ということなのか。
CIAとFBIによる権力の乱用と非人間的行為への非難は、1977年に議会において採り上げら審議された。これらの機関は、それらが関わったと指摘されるいずれの違法行為にも、「国家安全保障」を口実として使っていた。1977年以後、国家の安全保障と装った極めて違法な行動が捜査されたことはない。米国大統領、議会、高裁はそれに留意していたが、それを問題化することを恐れている。それらが(ひんぱんにCIAを使って)何千人もの殺人を行った事実の、山のような証拠がある。そうした事実には、企業役員、政治家、内部告発者らが含まれ、そしてCIAの違法行為の乱用に深く立ち入ったジョン・F・ケネディーもそれに含まれよう。
政府の安全保障の取り扱いには三段階の基準があり、それらが、部外秘、機密、極秘であることは良く知られている。しかし、そのうちのどれかの機密委任の許可を持っていたとしても、それで自動的に、その段階の情報がすべてえられるわけではない。そうした所定のプロジェクト、計画、装置、あるいは諜報成果について、報告したり、アクセスしたりに足る「相応知」理由を示し得なければならない。しかし、そうしたシステムは、安全保障システムの単に「表面」にすぎない。そのあなぐらは、もっと深い「裏面」に通じている。今日、諜報界それ自身が、支配エリートとは持ちつ持たれつの関係となっている。
ビルダーバーグ・グループは、1952年に秘密に設立され、いまでは、そのオフィスをスイスのジュネーブにもっている。彼らは、メディア、銀行、そして諜報帝国を支配している。MITREコーポレーションは、国防省、連邦航空局、IRS〔内国税収入局〕、退役軍人局、そして新設の国土安全保障省(HSA)を助ける非営利集団である。JASONグループは、政府顧問団中の惑星物理学者たちである。国防省の許可にもとづき、JASON学者団は、国の最高の機密委任許可を保有し、海軍少将級の儀礼階級が与えられ、いかなる軍事的任命や政府機関においてもそのように処遇される。外交問題評議会(CFR)もまた秘密政府によって運営されている。これらすべては、秘密政府のために活動するCIAや諜報機関を含む、ビルダーバーグ・グループと密接な関係の組織である。国家安全保障局(NSA)は、同局を特記したものを除き、いかなる法律にも拠っていないため、ことさら有害である。NSA/CSS(Central Security Services)は、国家安全保障の目的にたって、世界中の暗号や信号を追跡、解読する科学である暗号学を駆使し、定期的に偽の文書、ニュース、映画、そして反・情報を流し、真実を追求している者を煙にまこうとしている。〔後述(本章―その2)「ピラミッド構造図」参照〕
そうした「暗闇作戦」に関してはむろん、その活動を国際的に保障するのは、容易なことではなかった。その結果、諸政府や報道界の通常の保障や保護を維持、獲得しておくため、国際的な取り組みを支配、調整する、外部グループが必要となった。そのようにして、秘密の支配組織が形成され、それがビルダーバーグ・グループとして知られるようになった。ビルダーバーグの政策委員会は、秘密の世界政府についての情報を取り扱う最も閉ざされた探究集団である。ビルダーバーグ・グループは、39名の恒常メンバーをもっている。この13×3という数字的語呂合わせは、フリーメーソンにおいては重要で、ほとんどのビルダーバーグ構成者は、高級なフリーメーソン員である。
1913年、米国に連邦準備銀行と外交問題評議会(CFR)が設立された。米国連邦準備銀行および世界のほとんどすべての中央銀行は、イルミナチ銀行家によって保有される私的機関で、ロスチャイルド家によって完ぺきに支配されている。ビル・モイヤーズ〔元大統領報道官〕は、1987年、PBS〔米「公共放送サービス」〕の番組で、秘密政府に関して、「一度でも存在を許せば、必ず反逆し、私たちをおびやかす」と述べている。モイヤーズはまた、その政府の背後の政府を、「cabal〔陰謀団〕」との名称を用いて呼んだ。この陰謀団は、米国政府の「暗闇作戦」を実行し、Deep Underground Military Bases & Structures (DUMBS) 〔深地下軍事基地・施設〕網をはじめとする、いくつものプロジェクトを束ねる役を果たしている。世界には、現在、130以上の地下都市のあることが知られている。DUMBSは、原子力を動力とするドリル機で建設され、マッハ2の速度で走行できる磁気浮上車両で結ばれている。
1945年、トルーマン大統領は、国連参加法、国連条約、そして、OVERTと称されて知られる米国での最初の秘密政府を発効させた。続くアイゼンハワー大統領は、ET問題に取り組むために、彼の選挙支持者のネルソン・ロックフェラーに同意を根回しした際、これ〔秘密政府〕に関して署名した。彼は、その秘密を議会で明らかすれば、それが不可能であることを心得ていた。1953年初め、その新大統領アイクは、外交問題評議会の同僚や友人にならい、ロックフェラーとともに、異星人関連のすべての出来事や対処を秘密に監視する機関の計画を始めた。それから一年以内で、彼らの構想は現実化された。Majestic-12 という考えはこうして生まれた。このMJ-12は、異星人活動に関連するすべての秘密宇宙計画を動かす支配グループである。異星人問題への支援をロックフェラーに求めたことは、アイゼンハワーがアメリカの将来、そしておそらく全人類ののためになした彼の最大の誤りであった。
アメリカ合衆国憲法は、少なくとも1947年以来、おそらくはそれよりも前に、破壊されてしまったていた。第二次世界大戦直後、トルーマンによる大統領命令によって、国家安全保障会議(NSC)が設立された。それは、諜報組織と、とくに異星人問題を監視するために設立されたものであった。だが、一連のNSC指令や大統領命令は、外国の諜報を行うという任務を〔NSCから〕新たに設置されたCIAに移し、そして、次第にではありながら完ぺきに、国内外で秘密に行われる直接の作戦行動をも「合法」としていった。そうした一連のNSC指令や秘密の大統領命令は、わずか4年のうちに、マジェスティック12を作り出す段階にまで至った。1940年代末より、多くいたとしても、議会のほんの一握りの議員たちのみが、冷戦問題も、この底知れない安全保障法――ソ連の核武装による恐怖でほぼパニックに陥った状況の中で発効――によって取り扱われることを知り得た。
秘密の宇宙計画を動かしている特定集団は「マジョリティー」と呼ばれ、そして、宇宙人問題で大統領と連絡をとっているものが「マジェスティック」と呼ばれた。大統領命令記録NSC5510によって、アイゼンハワー大統領は、異星人問題に関するすべての秘密行動を指揮し監視する常設委員会として、「マジェスティック12」の設置を進めた。それは、その委員会が投票権をもつ12人の委員からなるために、「MJ-12」と通称された。MJ-12は、そうした秘密を独立させ封じ込めることを急ぐため、米国政府の中でも高度に秘密な集団として設立された。MJ-12委員会の12人の委員の幾人かは著名な科学者で、他は軍上層部であるが、彼らが誰であるかは超・極秘とされた。このように、それは、今日も生きている「宣誓守秘」が適用されている組織である。もし、軍籍にある誰かがETやいわゆる宇宙船と接触した場合、彼らにはただちに新たな秘密守秘が求められた。彼らは、政府が彼らに何も見なかったとさせるそれについて、何も見なかったと証言しなければならない文書への署名を求められた。そうした文書は、難解な法律用語で満たされていたが、その目的は明瞭であった。軍の任務に就いている際に、そうした光景を目撃し、聞き、体験した者は、彼が見たものに関し、それが何であれ、誰とも何も話してはならず、〔それに違反した場合〕アメリカ合衆国に対する反逆法にもとづき、極刑が科されるとするものであった。
トルーマンやアイゼンハワーは私たちを、なかば不承々々で、堅固に身を固めた秘密政府へと連れ込んだが、引き続いて次の大統領となった若き理想主義者は、私たちをそこから脱出させようと試みた。ケネディー大統領は、多々の議論をかもす行動とともに、UFO関係の事実を公開する計画を命じたために、高度なスパイに彼を暗殺する命令が下った。MI5やCIAやFBIが、その暗殺とその後のもみ消しに使われたとみられる。ケネディーはUFOにつての全面的な報告を受け、かつ、その情報は弟のボビーにも伝えられていたため、いずれも〔秘密のエリートたちからは〕信用されず、二人は孤立しなければならなかった。主要メディアの解説とは異なって、ボビーは、ロスアンジェルスのアンバサダー・ホテルにおいて、3人のCIAスパイによって背後から至近距離で頭を撃たれて殺された。だが、洗脳された暗殺者シーハン・シーハンは、前から撃とうとしたが彼に傷を負わせたのみであった。
新たな大統領は、UFOの報告は受けたが、すべては告げられなかった。現職にある大統領は、自らアクセスできる機密委任許可段階に少なくとも24の安全保障レベルがある。これはUFO問題に関し、大統領が「もっともらしい否定」を行う理由となった。今日、どの新大統領にも「極秘以上」そして「相応知」の制限除外が与えられるが、それでも、上位のMJ-12の秘密やET調査に関わる文書の「中枢」にアクセスする「UMBRA以上極秘」の制限除外は持っていない。
独立した特別研究集団であるJASON科学グループ(JASONグループからは分離しているがおそらく同じ者が扱っていると思われる)は、ET問題の研究を任務としている。JASONのメンバーは誰も最高の制限除外を持っており、彼らは、物理学者、生物学者、化学者、海洋学者、数学者、そしてコンピュータ科学者らである。彼らはその科学的才能の優秀さのために選出され、長年にわたり、11人のノーベル受賞者や全米科学学会の数十人を含んできた。JASONグループの4名がMJ-12に就いている。彼らはアメリカで最高に機密にかかわる情報とみなされる高度な極秘事項を議論している。
1977年以来、MJ-12の文書が漏らされたことはない。MJ-12は今日も存在していると推測されるが、そのメンバー数は増加され、その名称も変えられている。その使命は、その設立以来、同じであり、入手されたET飛行体の調査、回復し生存している異星人の研究、そして、それらのすべての秘密厳守に専念することである。
MJ-12は、その分野の最高リーダーの見識に期待している。やり手のエリート科学者、たとえば、ヴァネヴァー・ブッシュ〔技術者・科学技術管理者、アナログコンピュータの研究者、情報検索システム構想提唱者、また原子爆弾計画の推進者〕、アルバート・アインシュタイン、チャールス・リンドバーグ〔1927年に単葉単発単座のプロペラ機でニューヨーク・パリ間を飛び大西洋単独無着陸飛行初成功〕、ロバート・オッペンハイマー〔ロスアラモス国立研究所の所長としてマンハッタン計画を主導。「原爆の父」〕、それに、軍出身者としては、ホイト・ヴァンデンバーグ〔陸軍及び空軍の軍人かつCIA長官。第2代アメリカ空軍参謀総長〕、ロスコー・ハイレンコッター〔初代CIA長官〕、レスリー・グローブス〔陸軍大将。原爆開発のマンハッタン計画を指揮〕、ジミー・ドリトル〔陸軍の軍人、パイロット。1942年4月18日の東京初空襲を指揮〕、ジョージ・マーシャル〔陸軍軍人、元帥。政治家。二次大戦中の陸軍参謀総長としてアメリカを勝利に導き、戦後はマーシャル・プランでヨーロッパ復興を指導〕、さらには、異星人問題、技術およびその実用の解明に意欲的かつ秘密に取り組んだ他の専門分野の秘密の人材などがあげられる。異星人問題に関する作戦は、国防長官ジェイムス・フォレスタルと合同研究開発委員会委員長のヴァネヴァー・ブッシュ博士の勧告をもって、先に、1947年9月24日付の大統領特別機密命令によって設立していた。このグループの目的は、異星人技術から得られるあらゆるものを活用することであった。
ジェイムス・フォレスタルは、1949年、まだ国防長官の際、秘密化には反対していた。彼はたいへん理想主義的で、かつ信仰心が篤く、国民には公開されるべきであると信じていた。彼が、異星人問題について、野党や議会リーダーたちと対話を始めた時、トルーマンから辞任を求められた。彼は自分の恐れを多くの人たちに語った。というのも、彼は自分が監視されていると信じていたからであった。
彼はペンタゴンの劇場で正気を失ったと言われた。彼は、「宇宙人」が我々を攻撃しようとしており、我々は無防備であるとしゃべりまくっていた。政府人は、彼の自己喪失は「冷戦の圧力」によるものと説明し、おそらくそうではあったろうが、彼の偏執狂はソ連がゆえにではなく、実在の宇宙人がゆえにであった。彼の知人たちは、彼が、その異様な存在はふつうの人間の姿になることができ、すでに政府のもっとも重要な部分に侵入していると話したという。彼はまた、それらは彼の電話を盗聴し、手紙も読まれていると考えていた。フォレスタルは、神経衰弱に陥ったと言われた。トルーマン政府は、その権利はないのにかかわらず、彼をベザスダ海軍病院に入院させた。フォレスタルが再びしゃべり始めるおそれがあるため、彼を隔離し、かつ、信用されなくさせる必要があった。彼の友人や家族は、彼との面会が許されなかった。彼が、ETに関する判然保障法を犯さないかと監視され付きまとわれるのであるなら、そうした偏執狂もありうることだという見方もある。私たちが知らないのは、彼が実際に病理学的症状があったかどうかではなく、彼が悪意の恐れのある異星人を「知って」いたか、それともあるいはそれに加えて、彼をいわゆる神経衰弱へと追いやった同僚による実際の脅迫があったかどうかである。
1949年5月22日の朝、ジェイムス・フォレスタルの兄弟が彼を退院させようと迎えにきた時、ジェイムスは、ベザスダ海軍病院の16階の病室から転落死した後だった。浴衣の帯で首が強く縛られていたことから、彼は殺されたとの疑いが上がった。しかし、その死は、自殺と判定された。ジェイムス・フォレスタルは極めて疑わしい状況のもとで死んだ。真相を求める研究者たちは、彼は、憲法の保護手段を含む、法の正規の手順を損ないかねない既存の秘密手段に反対していたがゆえに、CIAによって殺されたと述べている。他の多くの者も、支配グループの秘密に脅威をもたらした時には、死に至る恐れがある。
NASAとは“Never A Straight Answer”〔「まともに答えず」局〕
1950代末、アメリカ航空宇宙局(NASA)との契約で、ワシントンDCのシンクタンク、ブルックリン研究所によって、ある報告――米国の宇宙計画の長期的な目標と米国社会への影響――がまとめられた。この報告は、地球外生物の発見によって考えられる社会的影響を検証し、そうした発見が国民から隔離されるべきかどうか――政治的動揺と、その発見が多くの既存の学説を危機にさらして、科学者自身におよぼす可能な「破壊的」影響を避けるために――を考察したものであった。それはまた、そうした情報は、その衝撃がことに科学界にもたらす「文化的分解」がゆえに、隠蔽されるべきであるとした。
1953年11月に発せられた大統領命令第10501号は、「米国の国防の利害についての公的情報の保護」についての骨格を述べている。この文書の中で、国家安全保障は、軍事のみならず地経済学および地政治学的懸念を含む国防の視点として概説されている。この大統領命令が上記のブルックリン研究所の見解と結合する時、その結論は、NASAに〔求められる〕ETに関する何事もの隠蔽とアメリカ国民への嘘の法的理由付けとなる。
NASAは、国防省内のひとつの部局で、軍事法規が適用されていた。宇宙飛行士は軍事的安全保障宣誓と法順守を求められた。NSA〔国家安全保障局〕があらゆる映画、放送、そしておそらく無線通信を審査するのとは別に、NASAは、ETの存在に関わるあらゆる情報を削除する嫌疑を執行した。またしても、彼らの活動を正当化する根拠は、「地球外生命と知能の発見の意味」についてのブルックリン研究が拠り所となる。この研究は、我々の文明が他の発達した人類と遭遇した場合に災難をもたらすことになりかねないとの恐れを指摘した他のどんな文書よりも最もよく出来たものである。同報告書は述べている。「人類学の類型は、この宇宙に存在するのは明らかな、多くの〔異星人〕社会の例をあげており、そうした社会は、一方では、異なった考えや生活方式をもつ異質社会と交流しなくてはならなくなった時に崩壊することとなり、他方では、自らの価値や姿勢や行動を変化させるという犠牲を払った経験をとおして生存し続けたものである」。
ET関連問題を秘密にしておかねばならない別の政治的動機がある。地球上にETが存在するとの発表は、もしされたとすれば、何カ月間も新聞の一面をかざることになるだろう。そしてそれは、政府のあらゆる行動を捕らえ支配し、その通常活動の遂行を決定的に妨げるであろう。それは、ウォーターゲートを何千倍も上回る事件となるだろう。そうした際、NASAのような組織は、一夜にして無用の長物と化すだろう。NASAがなしてきた技術的に遅れた宇宙開発努力は税金の無駄使いだとわかった以上、政府はそうした資金の使い方を続けることへの質問の山にさらされるだろう。
しかし、2012年3月28日に放映されたCBSの番組「60 Minutes」の報道によると、最近、NASAのスペース・シャトル計画は、国防省によって終了させられたという。オバマ政府のもとで、次の有人宇宙船契約は民間セクターに移されつつある。宇宙技術の民間商業化は誤りと批判者は言う。だが時期尚早ではあるものの、軍事機密についての国防省の法規が廃棄されることは、正しい方向への第一歩ではある。
逆工学結果の開放
軍産複合体は、今日では多国籍である。数多くの秘密「暗闇」システムがあり、秘密あるいは脅しの誓約を交付し、その存在は知られていても、その詳細は厳密な秘密とされている。秘密ないし脅し誓約は、ことに、「特別開示規定」にからんでいる。それらは、極めて複雑な機密制度によって保護されている。その機構は「影の軍部」とも表現され、公開あるいは公然の機密システムと並列して存在している。それは一種の永遠政府で、その存在をほとんど知らされていない公明に選出された政府高官の背後で、事態を牛耳っている。加えてそれは、選挙の洗礼を受けていない存在に義務は果たすが、米国大統領にはその義務をつくさない。
そうした秘密政府は、当初、ハリー・トルーマンによって、通常の機密基準では扱いきれない計画のために設立されたものである。UFO問題は、1940年代末(上述)、国家安全保障を懸念して複数の法規によって機密扱いとされ、議会によって正規に――UFOについてのどんなあいまいな言及すらなしに――発効され、トルーマン大統領によって署名されて法律となった。アイゼンハワーがETについて知った3週間後、それは暗闇作戦に入れられ、国家安全保障会議(NSC)を含む諜報界の一部である、特別作戦調整グループによる管轄とされた。情報は、現在、大統領の上に46段階の許可レベルがあり、「相応知」に応じてのみアクセスできる。
そうした機密委任の許可制限は、技術を比較的開放的に開発することを可能とするために設置されたものであったが、それは暗闇作戦が適用されるまでのことであった。そのあいまいに適用される規定は、通常、その目的が達成されるたびに無効とされた。これは、今日では、モンサント社に供給される生物的産物に実施されている。当初、ベル研究所には、多くの事柄が、研究と逆工学のために、研究開発のためと見せかけて与えられた。その一例は、1994年のX-30 国家宇宙空間飛行体プロジェクトである。それは、最終的には停止された、非現実的で空理的な計画であった。それは、その計画を研究した国防分析家によれば、実のところ、ほとんど暗闇界の超音速航空機といったことを扱っていた。憶測するに、これが、1990年代以報じられている、謎の衝撃波現象の原因かもしれない。そのすべてが、その真実を認識すべき政府担当者が実際に一人も存在していないという、完ぺきな密閉状態に置かれている。だが、少なくとも原則的には、特別開示規則監視委員会(SAPOC)がそうした問題を認識すべきとなっている。しかし、状況はあまりにも手が付けられなくなっており、こうした深い暗闇計画に関与したものは、実質的に、文明社会の離脱者となっている。
秘密宇宙開発計画から、巨大な地下基地ネットワーク、そしてCIAとNSAの極めて軌道の外れた活動をまかなう資金にいたるまで、アメリカの「政府の背後の政府」は驚くべき範囲の支配と構造におよんでいる。端的に言えば、暗闇作戦への資金供給のされ方は、その資金がCIAによって他の計画から吸い出されているようなものである。もしくは単に、使途不明金とされている状態である。例えば、9・11事件の前日、ドナルド・ラムズフェルドは、〔使途不明金を〕2.3兆ドルと発表している。その資金はまた、CIAの麻薬密輸部門からも供給されている。こうしてCIAは、そのようにして得た資金を、その多くが国防省関連の、選択された機関に分配している。
CIAは国内の活動をしないとの使命を発表しているが、その触手は国の内も外もすべての場所にわたっており、制御の効かない、米国国民へは説明責任を果たせない状態にいたっているかのごとくである。地域ごとの傭兵部隊――レンタル・テロリスト――が国際的に使用され、「統治の永続」(COG)のにとって必需構造化している。これが、使途不明の数兆ドルの行方である。
アメリカの新たな「戦闘前線」は、心理戦を含む高度なマインドコントロール、宣伝、偽情報、脅し、恐怖、そして操りの手法を駆使した「情報戦」をめぐって展開されている。それは、実際に、たいがいは静かな武器をもって戦われている静かな戦争であるが、いったん口火が切られるや、耳をつんざく戦争であり、破壊的となる。古い秩序が「世界新秩序」、「第三の波」あるいは「第三の道」によって完ぺきかつ徹底的に置き換わった、 Orde Ab Chao すなわち「混沌の秩序」が打ち立てられている。
米国政府の唱える公的政策は、ワン・ワールド社会主義政府である。アメリカは国連を設立した。1961年、米国国務省は、国務省文書7277号として知られている政策をあらわした。これは、国連の武装部隊が設立され、新たな世界政府が築かれるまで、アメリカ国民を武装解除することを計画した文書であった。「暗闇作戦」は、そうした自国の市民に向かって、静かな戦争をしかけるもので、2011年大晦日、オバマ大統領がNDAAつまり「戒厳令法案」の法制化に署名したことに〔米国社会の〕さしたる関心が払われなかったことで、戦争勝利となった。アメリカの放送メディアはこのNDAAの法制化に、海外の新聞や放送界が国際記事のトップとして報じたにも拘わらず、気味の悪い沈黙を守った。漫画キャラクターのPogo がかって言ったように、「私たちは敵に出会った。その敵が私たちだ」。皮肉のきいた話だが、架空キャラクターのPogo は湿地に住み、コロンビア地区〔ワシントンの事〕は、干拓された湿地のうえに造られていた。
経済ジャーナリストのベンジャミン・フルフォードによれば、米国予算の90パーセントは軍と暗闇作戦に使われている。フルフォードは、彼のこの数値をチェックする簡便な方法があるという。すなわち、米国の対外貿易赤字を米国の軍事予算と比べればよい。両者には幾年にもわたって驚くほどに類似性があり、その理由は、軍事行動は貿易可能産品を生産しない〔貿易赤字を増やす〕ことである。それは米国の寄生虫であり、拡大すれば、世界経済のそれとなる。
明快に言って、戦争はビッグ・ビジネスである。おそらく、軍産複合体は、歴史上の最大の産業である。密室で会合しているエリートは、つねに戦争の拡大を後押しし、中東や他の地域で、計量すら難しい災難を導いている。結局、金の主は、戦争と大量殺人から、長期の利益を得ている。戦争は常に、だましによる。ナザム・ロスチャイルドは、ワタルーの戦いで、ナポレオンと賭けを行い、常時、ナポレオンに対するウェリントン卿の半島作戦に資金投入した。彼は、一日早く得た情報をもとに、ロンドンの株投資家をだましナポレオン勝利と傾くよう、手持ちの〔英国〕株を売った。そして、ワタルーでナポレオンが敗北したとの実際のニュースに市場が対応する前に、底値の〔英国〕株を買い占めた。ロスチャイルド家はこれだけでなく、ペルシャ戦争、クリミア戦争、そしてスエズ運河をフランスから奪い取る作戦でも、また、メキシコ戦争やアメリカの南北戦争でも、資金を投入した。彼らはまた、火薬市場の一角を占め、その戦争必需品をあらゆる戦いの両側に売った。
国家の通貨を支配することは、ロスチャイルド家の権力獲得の手法だった。彼らは、ムッソリーニやヒットラーを金融支援し、一次、二次の世界大戦を計画し、国民をだましてあらゆる側に資金投入し、みずからの力を蓄えた。一世紀以上の間、彼らの目標は一つの世界政府を創ることである。一次大戦後の国際連盟の設立の企ては、ロックフェラー家とロスチャイルド家によって資金立てされた。その計画は失敗に終わったが、二次大戦後、ロックフェラー家より贈られたニューヨーク市の資産のもとに、国連が創設されて再現された。その広範さと「平和維持」という錦をかかげて、国連は、軍事部門のNATOと金融部門の世界銀行とともに、ワン・ワールド政府のためのいかにも最前線にある機構である。戦争を意図するすべての「シンク・タンク」組織や、WHO(世界保健機関)、そしてWTO(世界貿易機構)は、ロックフェラー、ロスチャイルドあるいはモーガンが作ったものである。そのように、近代史にあって戦争は、西洋世界の国内的な力を結束させるものである。戦争へと向かう王や国家指導者は、膨大な額の金を賄う必要があり、銀行からの借り入れが避けられない。20世紀では、戦争は国際機関――金融エリート家族の夢である公式の世界政府の後ろ盾――の支援を得るために開始された。そうした「円卓」機関が、国連、外交関係評議会、日米欧三極委員会、国際問題王立研究所、ローマ・クラブ、ビルダーバーグ・グループ、そして多くの影響力の小さな諸機関である。しかし、世界のコントロールは、そうしたエリートたちの手の内にあることを、忘れてはならない。
上院議員バリー・ゴールドウォーターは、1964年出版の自書『With No Apologies』に、こう述べている。「日米欧三極委員会は、アメリカの政治的統治の支配を握ることによって、通商および銀行利益の多国籍な結合の手段を意図したものである。同委員会は、権力の四つの中心――政治、財政、知識そして教会――の支配と結束を掌握するための、熟達した協調の取り組みである。同委員会が意図することは、国民国家が行う政治的統治への世界的経済力の優勢を創造することである。そうしたシステムの創造そして管理者として、それは将来を統括する。」
【つづく】
参考文献
Future Esoteric: The Unseen Realms by Brad Olsen
http://cccpublishing.com/FutureEsoteric www.bradolsen.com
with permission, (c) Brad Olsen, 2015