「おべんとう 4歳児」
お弁当の時間は、食べることも楽しいのですが、子どもたちとのおしゃべりにも花が咲きます。
「先生のお弁当箱は、どんなんか、見せて。」
「先生のお弁当箱、いつもそれだね。」
「それしかないの?」「昔のみたい!」
「お弁当、先生が作ったの?」
「そうよ。」
「先生は、お母さん、おらへんのん?」
「先生にも、おかあさんは いるけれど、遠いところにいるの。」
「ふーん、お母さん、出ていったの?」
「ちがう。ちがう。先生がお母さんになったからね。家族みんなのお弁当を作るの。」
「卵焼きの黄色、ホウレンソウの緑、ニンジンの赤、しゃけのピンク、かぶの白、お肉の茶色、全部揃うわけではないけれど、きれいな色のおかずができた時、『やったー』と思うの。そして、見事に空っぽになったお弁当箱を三つ洗う時、『明日も頑張ろう。』と、思うの。」
「ある時には、……話題を5歳児に投げかけて」
「アメリカとイラクが戦争を始めたんだってね。」
「日本は、前に戦争をしたから、もう、しないんでしょう?」
「アメリカは、前に戦争をしなかったの?」
「考え方が違うから、けんかしてるんだって、お父さんが言ってたよ。」
「話し合いをすればいいのにね。」
「話し合いをしたけど、ダメだったんだね。」
「戦争じゃなくて、ジャンケンしたらいいのにね。そんなので、うまくいくわけないけど。」
「先生はいつも、すぐに叩いたりしないで、まず、お話すればいいのにって、言うよね。お話しても、ダメだったら、叩いてもいいのかな。」………
知りたいと思うこと、変だなと思うこと、こうすればいいのにと考えること、どれも大事なことだと思います。
子どもは、子どもの感性や知識で、身の回りのいろいろな事象に興味を示し、子どもなりの考えを持っています。ご家庭で、「これは、難しいかな?」と思うことでも、話し合っていれば、大人が大事に考えていることは、知らず知らずのうちに伝わって、更なる興味が生まれます。自分たちの生活に置き換えて、考えようとしている姿を興味深く思います。
北谷 正子