今回の居酒屋は、都会の片隅にかろうじてある、そんな開襟の場ではない。そしてその場とは、厳冬の雪山の中、海抜千数百メートルに位置する、雪にほとんど埋まろうとしている避難小屋である。急激に悪化しつつある天候で、外は猛吹雪が吹き荒れはじめている。その限界環境にあって、なんとか“生存”が可能な最小限空間を確保しえている、男女三人の間の遣り取りである。その一人は、この山行を希望したほぼ平均寿命に近い男。他は、エベレスト登頂経験もある四十代初めの有能気鋭な山岳ガイド。そしてこのガイドの親しい友人であるキャリアに悩む三十代半ば女性ナース。 詳細記事