「隠れ」か「秘密」か

〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その24)

私は、いわゆる大手新聞記事では報道されない、よりつっこんだ情報を得る方法のひとつとして、『田中宇の国際ニュース解説』(http://tanakanews.com/)を頻繁に参考にしています。そういう彼の分析の、ことに米国情勢の分析に頻繁に使用される「隠れ○△」という特徴的用語があります。それは、表面には表れない隠然たる勢力のことを指し、米国政治内の「暗闘」という用語とも対応するものです。

ただ、そういう彼の分析の「隠れ」とか「暗闘」とかという取り上げ方に、私はどこか分析の甘さのようなものを感じ、それに対し、本訳読で読める「秘密エリート」という用語で指し示す、米国政府内の極秘政府という見方に、より的確な分析を見出しています。いわば前者は、探究プロセスの手がかりとしての途上用語ではあるでしょうが、分析結果をあらわす用語にしては生煮えです。むろん、片や日本人、他方はアメリカ人という、拠って立つナショナリティの違いは勘定に入れるべきですが。

そういうわけで、こうした違いを読みくらべながら、本訳読によるより明解な視点を発見してきています。

そこで、そういう現状認識に立った今後の世界への展望として、別掲の「両生“メタ漫画”ストーリー」をこの一月より始めています。言ってみれば未来予測の一種ですので、その表現形式に試行錯誤させられましたが、こうしたシリーズ名にそって、思いつくままをあらわしてゆくことにしました。少々、遊び心を楽しみながら・・・。

それでは、今回訳読の「暗躍の政府(その2)」とともに、「両生“メタ漫画”ストーリー」第三話の「とある大統領選レポート」へとご案内いたします。

 

 

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