自分みずからに帰ろう

〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その45)

本章の結論が述べていることの核心をあげれば、この隷属した世の中を変えるためのキーポイントは、私たちが自分の内なる声を聞きそれに従おう、ということに尽きます。

この本が、DNAや古代史から宇宙にいたるまで、さまざまの分野を述べてきながら、その最後に到達した奥所は、とどのつまり、私たち自身であるということです。言い換えれば、現代の権力の支配とは、それくらいに個人の内部にまで侵入してきており、個人をその内部から“つんぼ盲目”状態にさせていることです。従って、その侵入を断ち切るところから、出発が始まるということです。

聞きようによっては、この議論は宗教的にも聞こえるかもしれませんが、宗教と厳密に異なる点は、自分の外部に偶像や教義や、ましては神も置かない点です。

 

それでは、「隷属を終わらせる(その2)」へご案内いたします。

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