この訳読もいよいよクライマックスに差し掛かり、残すところ、本章と最終章のみとなりました。そして、この「究極の生き方=愛」と題した本章は、それを読み終えた時、何とも心を癒される気持ちにさせられるものとなっています。今日の、何かと心をささくれさせられるような諸現実の横行する毎日にあって、私たちが立ち返るべき原点を再確認させられる議論が述べられています。 詳細記事

 

 

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【新版(Second Edition)に基づく】

 

究極の生き方=愛

「大胆に行動せよ、すると、力強い援軍が現れる。」 ――ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
 

見ることが必ずしも信念をもたらさず、それは偏狭な理解に終わりやすい。そこで重要なことは、注意深くオープンな眼で見ることである。歴史は、権力者によって無残に覆された出来事に遭遇した、多くの目撃例に事欠かない。そしてその良い例は、ルネサンス期の天文学者、ガリレオ・ガリレイである。ガリレオは、教皇、司祭、さらには当時の科学者にすら、望遠鏡を使って木星の月を見させることに失敗した。そうした者たちは、そこに新しい世界――そこは文字通り上下逆さまの世界〔天体望遠鏡による像は上下が逆〕だった――が見えることを知っていて、望遠鏡を見ることを拒否したのだった。その教訓は、誰も目前の海岸線を越えた彼方の世界を見たいと望むまでは、新しい地平線を見ようとはしないということである。つまり、意欲がすべてを決めるのである。 詳細記事