離陸した「時空トラベル」クラフト

老若コミュニケーションの場に

前号にそのレポートを掲載しましたように、「老若共闘」への具体的歩みとして、若い世代との交流が始まっています。それは「時空トラベル」と呼ばれる世代間の隔たりを旅する行為です。ことにそこには、その隔たりをつくる人生体験の長さの違い、つまり、時間という“距離”がもたらすものを、何によって、どのように互いに交換できるのか、そういう、おそらく他の機会では絶対にありえない、「時空世界」を実際に体験できる機会があります。そのような、言わば人間としての究極の「トラベル」を通じて、そしてそれをもってしかやり取りできない、過去よりの《人生の知恵》と、未来という《新品の時間》との融合が可能となります。

 

そこで、そういう究極のトラベルを担保するために、本サイトの兄弟サイトである『フィラース Philearth』に、事実上のこのトラベルの一手段となる「時空トラベル・クラフト」を用意しました。

それは、『フィラース Philearth』に新たに設置された「時空地球」というサブサイトで、そのホームページのメニュー欄の同名から入ることができます。

つまりその設置の第一の狙いは、老若交流に寄与することで、少なくとも、その意見交換の場にすることです。

 

ことに、そこに掲載されている「《時空地球》とは」との記事には、こういう表現があります。

新たなページ《時空地球》を設置しました。それは、誰のものでもなく、国境もない、まして異常気候にも見舞われていない、私たち皆の《地球-観》です。

つまり、実際に世界を旅してみれば解るように、あるいは、これからを生きる若い世代が切実に感じざるを得ないように、もう、この地球はどこも、痛々しいほどに傷ついていることです。

それは、何キロもの氷河の後退や、海面の上昇に洗い流されるビーチや、それどころか、どこに行っても、森林火災や洪水の爪痕を目撃しないでは通り過ぎることのできない各大陸のそれぞれの様相です。

さらに、それに加えて胸を痛めるのは、実際に戦火を交えている戦争であり、また今にも起こりそうな別の戦争の可能性であり、そして現に、無残にも失われている、双方の側の兵士や、無数の市民の命と、長年住み慣れた町々や土地です。

そしておそらく、万が一にそういう戦争が長引かずに収拾されたとしても、その後に形成されるであろう、世界を二分する、新冷戦状態です。

私のような、75歳にもなった老人は、自分の寿命のカウントダウンをしながら、そうした現実を見て見ぬふりをして、なんとか実際の悲惨体験から逃げのびることは可能かもしれません。

しかし、これからの数十年をかかえる若い世代にとって、刻々と身に迫るそうしたこの地球のありさまは、それこそ、「学校ストライキ」どころか、「ワールドストライキ」をすらしないではいられない心境にちがいないでしょう。

不必要に不安をあおる積りはありませんが、老いたものと若きものが、互いに無関心を決め込んでいて済む事態でないことだけは確かです。

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