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こうした不愉快なシナリオは、1776年、アダム・スミスが『国富論』を出版した時に始まった。彼は、名目貨幣が世界的に通用するためには、金本位制にもとづく国の通貨は必要はないと考えた。主要銀行家たちは、世界のすべての金を市場から除去する制度を計画し、国の富はその国が作り出した価値に応じるとした。だが第一に、それは金本位制を消滅させることが不可欠であった。現実に金を保有する国はその計画を壊そうとしえたし、他の国にとってもそれはリスクとなった。そこで、新たな規則は、誰も金の保有は許されないと定めた。
1921年、世界の金をすべて没収する秘密の計画のもとに、国際決済銀行が設立された。この計画は、日本の天皇裕仁が東アジアに侵略することに承認が与えられ、世界の金のほぼ85パーセントを強奪し始めたことを通じて実行された。中国は、何世紀にもわたるスパイス、絹、その他の産品の貿易をつうじ、膨大な量の金を蓄積していた。そしてそれをいくつかの異なった場所に秘密に保管していたが、日本軍によってその一部が没収され、一方、他の部分は海外へと船積みされた。ことに、1938年、米国連邦銀行によって、7隻の米国軍艦が金を満載してアジアから米国へと運んだ。これをもって、金債権が発効された。ナチはまた、ヨーロッパの金を収集し、第二次大戦の終結までにすべての金を没収する手段となった。
世界の金融システムを支配するために、ドル札の印刷をめぐって、極めて内密な戦いが繰り広げられてきた。1944年7月、二次大戦を勝利に導いてきた連合国の指導者たちは、どのように利益を維持するかを決定するため、ニューハンプシャーの田舎のホテルに集まった。この会議は、ブレトンウッズ会議として知られている。この会議において、二つの新しいロスチャイルド銀行――国際金融基金（IMF）と世界銀行――が設立された。参加者はまた、英仏米に世界の通貨を支配する権利を与えることを決定した。数人の名高い異論者（ことに英国の大経済学者J・M・ケインズ）はあったが、その交渉は一つのことを決定した。彼らは、この惑星のマネーと資源が永遠に彼らの支配のもとにあるような世界金融システムの創設を望んでいた。そして、その目的を貫徹する一連の制度が設立され、それが IMFと世銀であった。
IMFの公的責務は明快かつ聞こえがよかった。すなわちその役目は、貧しい国がどん底に陥らないよう、またもしなったとしても、借り入れと経済運営の指導をもってそこから脱出できるようにするというものであった。それは、世界で三番目の良き友人であり保護者であるとされた。しかし、そうした美辞麗句の背後でIMFは、一握りの富裕国、ことに、その銀行家と金融投機家によって牛耳ることができるように想定されていた。間違ってはならない。IMFは、そのどの段階においても、銀行家の利益のために役立つのである。
ウィキペディアによると、世界にはわずか12万トンの金があるのみである。しかし、デイビッド・ウィルコックの驚異的シリーズ『Financial Tyranny: Defeating the Great Cover-Up of All Time〔金融暴政：常態の巨大隠蔽を暴く〕』によると、実際は2百万トンの金が保有されているという。つまり世界のすべての金の総価値は、1100京ドルである。最大の秘密は、金はかくて希少ではなく、もしこの事実が知られれば、金価格は暴落する。それはすべて没収され隠され続けてきた富であり、したがって、すべての国の名目貨幣計画に対して名乗りをあげる立場などにはないのである。
1954年までに、中国国民党は、同意した国連のプロジェクトへの彼らの金の供出に利子を払わないことに疑念を持ち始めた。たとえば、国連はアジアもアフリカも開発してきてはいない。インドネシア大統領スハルトとともに、彼らは成果を要求し始めた。ジョン・Ｆ・ケネディーは、米ドルを銀本位制に戻す大統領命令11110号を出した。その三日後、彼は暗殺された。
1944年のブレトンウッズ憲章が1994年に時効となった時、失われたアジアの金の回収をもとめる別の訴訟がなされた。だが連邦準備銀行はそれを拒否した。そこで1998年、中国はその金を回収する訴訟を再び起こした。連銀はそれに敗訴し、2001年9月12日までに、中国に金を返還するよう命じられた。金は、ワールド・トレード・センターの第7ビルの大金庫に保存されていたが、同年9月11日に、この第三のビルも双子タワービルに二機が突入した後に崩壊した。連銀は、そうした金は破壊されたと宣言することにより、いくらかの時間をかせぐことはできた。だが実際は、そうした金はその週週間前に運び出されていた。数年後、中国はまた別の訴訟をこころみたが、今度は、かれらは偽の金が支払われた。そこで2008年、中国の国民党の裕福な家族（共産党政府ではない）はペテンにかけられていたことをさとり、ドルを崩壊させようとした。2008年の世界金融危機の後、彼らは市場にいかさまな名目貨幣があふれていることで衝撃を受けた。連銀はふたたび、きわどい脱出をはかったのである。
暗闇計画にかかわるエリートらは、この惑星上でもっとも頭の良い人たちだが、いったい何を学んできたのか、深く疑念を抱かされる人たちである。彼らは、国民を軽蔑をもって見くだす傾向があり、それはたとえば、極めて複雑な情報を扱うことなぞとうてい無理な、しつけを欠く手の負えない子供らのようなものだ、といった具合である。これまで50年間にわたり、連邦高等裁判所は、国家の安全保障が米国憲法修正第1条〔信教・言論・出版・集会の自由、請願権〕および修正第4条〔令状主義〕に優先されることを受入れ支持してきた。それにより、たとえ国民が知ることを求めても、その要請は法的必要や知る権利を構成するものとはならなくなった。そうした秘密部分の政府は、かくして確立した国家安全保障の法規の範囲内で状況を支配することをもって、自らが愛国的任務を果していると信じているのである。
そうした支配階級エリートにとっての目下の問題は、マネーにはさほど関せず、むしろ支配に関するものである。支配は、つねに中核をなす目標なのである。そうした秘密政府を動かすエリート欧米人の権力工作者たちは、驚くべき力を維持し、明らかに数十から数百兆ドルをその支配下におさめている。こうした資金の一部は、他の米国政府計画から流出したもので、ドナルド・ラムズフェルドの2.3兆ドルの使途不明金のように、単に行方不明となっている金である。
20世紀のほぼ全時期から21世紀にかけて、外交問題評議会（CFR）と欧米日三極委員会はそうした密室の動きに采配をふるってきている。CFRは、国際関係におけるアメリカの役割にかかわる、もっとも影響力のある半官半民グループである。CFRは、政府の政策に従うものではない。政府がCFRの政策に従うのである。少なくとも、過去50年間、同じ国際地球主義者らが、地球の手綱を操り続けてきた。かれらは第一義的に、利益を追求し、人々の支配を目的とする。ジョージ・オーウェルの古典『1984年』の世界の三つの地域と同じように、それぞれのブロックはお互いに対抗しあっている。今日、私たちは、欧州連合、アメリカ・ブロック、そしてまもなく、アジア連合を持つだろう。これらは、この惑星の三つの勢力となるだろう。決して統一され全面的協力体制がつくられることはなく、つねに一つが他と張り合うこととなる。
明らかに、その最大の動機は、フリー・エネルギーを公衆の目にさらさないことで、その主な理由は、ペルシャ湾地方がまだまだ豊富な石油を埋蔵していることである。その秘密の技術は、世界をたちどころに非石化燃料化させてしまうものであり、そうした三つのブロックはその地下に多量の石油を持っているがゆえ、〔その技術によって〕膨大な収入損失をもたらすからである。これが、その秘密の技術を、たとえそれがどれほど人類に恩恵をもたらすものであろうとも、秘密にし続けなければならない理由である。権力、支配そして富は、きわめて強力な動機となる。この惑星上の最初の衆知の億万長者が石油王のジョン・D・ロックフェラーであったことを忘れてはならない。彼の子孫は、名だたるロスチャイルド王朝とともに、いまだに、巨大な影響力を世界におよぼしている。もし、私たちがこの石化燃料帝国を崩壊させることができれば、私たちはただちに、クリーンでただのエネルギー世界を見ることになるだろう。
もし、あなたがマネーの流れに従い、国際決済銀行――連銀の国際版――よりも上のピラミッドの頂上部に到達した時、あなたは、世界の支配者たちに会うことになるだろう。彼らは、会議で何を議論し、その密室の中で何を行い、何を決定したかについて、ほとんど何も公表しないがゆえに、秘密結社といった表現にふさわしいものである。そのメンバーはそうした議論では、ノートをつけてはならず、録音も撮影もできず、外部世界にその会議について話してもならない。彼らは完全な秘密を誓約し、それは時に、死の制裁さえも伴う。もし、ビルダーバーグ、三極委員会、メイソン、シオン修道会〔小説『ダ・ヴィンチ・コード』のテーマ〕、外交問題評議会、頭蓋骨と骨〔米イェール大学にある秘密結社〕、イルミナチ、300人委員会〔イギリスに本部を置く影の世界政府の最高上層部とされる組織〕、White Brotherhood、Black Nobility そしてその他の結社の参加者が、真にすべての人間の善のために活動しているとするなら、その議論や最高レベルの意志決断がテレビの生番組やインターネットなどで見られないのはどうしてなのだろうか。
「陰謀団」が国民の意志を堕落させ、民主主義が占めるべき領域を奪い去るとき、市民はなにを成すべきであろうか。私たちがその市民権のすべてを失ってしまう前に、私たちはなお、自らの意見を反映させ、情報を公開させ、平和的に抗議を申し立てることは可能である。理論的には、私たちは、国民の声を真に代表する、新たな政府を選びなおすことはできる。そして選出された政府には、まず正される必要のある問題がある。その問題とは、企業の影響とロビイストの金である。企業は、政府の関わるあらゆる分野の決定において、強い影響力を持っている。もし私たちが選挙運動献金を完ぺきに違法としたならば、政治家に与える企業の力を大きく減じることができる。
ボビー・ケネディーの次男のロバート・ケネディー・ジュニアは、一度も選挙に立候補したことはなかったが、休む間もない環境問題の運動家であった。彼は石炭産業に反対して闘い、歴史上、もっとも強力なロビイスト集団の一つを作った。2011年6月、PBS放送でタビス・スマイリーのインタビューにおいて、「この国で、石炭を越える企業と民主主義の間の戦いはなにか」と質問された際、彼は、あるエネルギー企業が地方政府を崩壊させ、不法に汚染させ、国民の意志に背いている背筋の寒くなるような事例をあげて、以下のように言った。
「アパラチア地方、なかでも西部バージニア州は、どのように企業が民主主義を乗っ取っているか、それを示す典型である。そこはひとつの企業城下町である。彼らがなしていることは違法行為だらけである。もしあなたが、実際に、ハドソン川支流を25フィートも埋めたなら、あなたは投獄される。もしあなたが、バークシャーあるいはキャットスキルあるいはカリフォルニアあるいはユタの山を吹き飛ばしたなら、あなたは投獄されるか、精神病院に監禁される。しかし、彼らは、デラウエア州以上の広さの地域を平地にしてしまった。彼らは、この10年間に、バージニア州西部の500の大きな山々を爆破してしまったが、それはすべて違法であった。彼らは、2500マイルの河川や支流を、違法に埋めてしまった。〔合法的には〕だれもそんなことはできはしない。」
ケネディーはさらに言う。「一年前、西バージニアTVで、ドン・ブランケンシップ――最大の土地掘削企業マッセイ社の首脳――と議論した。私は彼にこう言った。『貴社の記録にもとづくと、貴方は67,000件の水質清浄法の違反を犯している。さらに、過去5年間に、貴方は数千件の労働法、鉱業安全法、および他のもろもろの法違反もしている。貴方には、法を犯さないで利益をえることはできないのか』。すると彼は、できない、それらは馬鹿ばかしい法律だ、と答えたのだ。つまり彼は、自分の会社が犯罪企業であることを認めたわけである。彼らの企業政策は、法を破ることであり、それにほっかぶりすることにある。そのために、彼は民主主義を破壊している。ゆえに彼が西バージニアにあるかぎり、そこに民主主義はありえない」。
加えてケネディーは言う。「我々の政府が、人々を苦しめ、権利章典〔米国憲法の最初の十カ条〕を保留し、人身保護を停止し、権利章典はぜいたくでもはやそんな余裕はないといい、現政府が行っているように、国外において異常な解釈と判断をアメリカ市民にくだして拷問を行い、また何十万人もの人たちを盗聴する政府をもつ時、民主主義は脅威にさらされる。しかし、それよりも大きな脅威が、制約を解かれた企業の力によって生じている。この国において、私たちは、政府によるビジネスの君臨が共産主義と呼ばれ、ビジネスによる政府の君臨がファシズムと呼ばれていることを理解しなければならない。それは上に見てきたものである」。そしてケネディーは、以下のようにその解決法を提示している。
「そこで我々の任務は、巨大ビジネスを右側の窮地に、巨大政府を左側の窮地に立たせて、その間の狭い道を歩むことである。それが自由市場資本主義であり民主主義である。そのために、我々は、立ち上がる意志と、力となる真実を述べる独立した報道界と、国民に情報を伝えることを必要とし、そして情報をもった国民は暴政のあらゆる進行をチェックし、そして、それらのいずれをもこの国に許さないことである。」
残念なことに、ロバート・ケネディー・ジュニアは選挙に出ることを志さなかった。彼は、誠実な政治家として政権を担当することの危険をあまりに明瞭に知っていた。
米国の第28代大統領ウッドロウ・ウィルソンは、彼が大統領の時〔1913－1921〕の連邦準備銀行発足に際し、おそらく遺憾の意をもって、その誰の目に見えない大統領府への影響力について、アメリカ国民に警告した。「政治家になって以来、私は、私的に打ち明けられる人々の意見を聞いてきた。アメリカでの偉大な人たちのうち、商業や製造業の人たちは、誰かと何かについて恐れていた。彼らは、あまりに組織化され、あまりにそれとなく、あまりに視力があり、あまりに相互結束し、あまりに完ぺきで、あまりに説得力がある勢力について知っており、その存在については、ことにそれを非難しようとする時には、しゃべらない方がよいと語っていた」。ウィルソンによるこの100年前の警告を理解するには、超エリートと共謀政府との間の複雑なだましの構造を解明する必要がある。ウッドロウ・ウィルソンは、1924年の臨終の際、以下のような告白を明らかにした。「私たちは、近代世界の中で、最悪の統治と最も統制された政府を持つに至っている。もはや自由に意見を言える政府ではなく、もはや多数の投票になる政府ではなく、ただ、支配的者たちの小集団の見解と強迫による政府があるのみである」。ウィルソンの最後の悲嘆はこうである。「私は望まずして、自身の政府を破滅させてきた」。
ウィルソンが告白した如く、隠れた強力な金権勢力に操られた政府は、なにもその時に限ったものでもなく、今日でも、その勢いは増すばかりである。ロビイストらは、顧客による影響力を立法過程に及ぼそうと、議員たちに選挙献金を通じた公然の贈賄の雨を降らす。端的に言えば、モラルを欠いた金権が、見返りの特権を期待して、特定の議会議員をねらいうちにする。悪名高きロビイスト、ジャック・アブラモフは、毎年、百万ドルを使ってきたと主張する。「我々は、彼らを所有してきた」。これは、彼が2011年11月、テレビ番組「60 Minutes」のインタビューに答えて述べた言葉である。彼の戦略のひとつは、まず議会スタッフの長となり、後にロビイストとなることである。そのようにして、彼は議会スタッフへの顕著な影響力をつけ、そして、高官に選任される。ロビイストは通常、議会職員の3倍のサラリーが払われ、K街〔ワシントンD.C. にある、シンクタンクやロビイストのオフィスが集まる通り〕に送り込まれる。
ジャック・アブラモフひとりで、100以上のオフィスに直接の影響をおよぼしていた。彼の「Signature Restaurant」での無料の飲食や旅行は定石のことである。ロビイストは、米国の法律を変える際の法案に用語を差し入れ、委託されたように有利に書き換えさせる。アブラモフが言うには、自分が取り組んでいたのは賄賂と癒着で、要するに、国の法を作る人たちにギフトを贈ることであった。彼は、議員の選挙運動に企業献金を組織していた。今では、法改正されて投獄はなく、（意図して）場当たり的な改正をめざす議会メンバーたちを増やすことで、ロビイングは私たちの政治システムの核心を腐敗させているとアブラモフは言う。議会は法を改正して、無料飲食を外し、資金集めパーティーと置き換えた。アブラモフは、議会関係者がロビイストになることを禁止すべきとほのめかす。状況は今や、「かってなかったほどに悪化している」と言う。法を制定する人たちは、その法を変えたいとする人たちと同じである。「それはまるで、鶏小屋を守ろうとキツネをその中に入れるようなものだ」とアブラモフは言う。
金融資本主義の力は、金融制度の統制を私人の手に収め、各国の政治・経済はおろか世界のそれを牛耳ることをも可能とする、そういう世界システムを創設しようとの遠大なねらいをねらっている。このシステムは、封建的な手法――世界の中央銀行が頻繁な秘密の会議や会合で得た秘密の合意に立ち、調和して行動する――によって統制される。そしてこのシステムの頂点が、スイスのバーゼルにある国際決済銀行（BIS）で、それは、それ自身が民間企業である世界の中央銀行によって所有、支配されている私設銀行である。BISは現在、55ヶ国の加盟国をもっているが、バーゼルで定期的に開かれるクラブはごく小さなグループで、その中においても、上下関係がある。『Harper’s Magazine』の1983年の記事はそれを「お金の世界の君臨」と呼び、エドワード・ジェイ・エプステインは、その中でなされている実際の働きを「大なり小なり同じ通貨制度にある6人かそこらの強力な中央銀行家による一種の内的クラブ」と呼んでいる。そうした中核銀行家たちは、ドイツ、スイス、イタリア、英国〔の中銀〕、そして米連銀の出身者である。彼らはそれぞれの国の政治システムを支配でき、総体として、世界のメディアや経済を支配する。米連銀を所有する銀行家には、米国民ですらない人物がいる。だがその一方、インターネットは、その活動の実態をいくらか暴きはじめており、ロン・ポールが表現しているように、インターネットは「政府・メディア複合体」の対抗力になりつつある。
「重労働、家族や子供の世話、隣人との小競り合い、映画、フットボール、ビール、そして最後は、ギャンブルが彼らの精神の空隙を埋める。彼らをおとなしくさせておくのは難しい。・・・そして、彼らがよくあるように不満にかられる時、一般的知識も欠いているだけに、その不満の行き場はない。彼らはただ、わずかなはけ口を探すだけだ。」――ジョージ・オーウェル著『1984年』より （with permission, (c) Brad Olsen, 2015, translated by Matsuzaki）
インターネットは、いまや、〔勢力の〕均衡要素になりつつあり、これは前例のないことである。それと同時に、私たちは伝統の批判的な印刷ジャーナリズムを失いつつある。こうして人々はインターネットを介して互いに情報交換し、それが最も信頼できるニュース源になっていっている。ソーシャルメディア・ウェブサイトが2011年のアラブの春の発展に果たした役割を見てみるとよい。また、ダイナミックな個人間コミュニケーションとは別に、インターネットは、あらゆる秘密組織にとって、ことに、国民がアメリカ合衆国を取り戻す機会をもたらしているがゆえに、政府の背後の秘密政府にとっては、最大の脅威となっているのである。そうした秘密政府にある者たちの眼には、インターネットの衝撃への当面あるいは直接の解決法はない。エジプトのムバラク大統領がその追放の前、インターネットを「暇つぶしの切り替え」と非難したことを思い出してみよう。結局のところ、もし彼らが私たちを無知な大衆にとどめておくことができるなら、私たちは身勝手な大衆になってゆくだろう。だが、アラブの春が示したように、国民は支配エリートに対し、変化を強いる力を持っているのである。
そして、もし私たちが米国の国家安全保障の技術的鉄のカーテンの向こうをのぞくことができた時、私たちはいったい何をみることになるのだろう。英国のコンピューターの天才ギャリー・マッキノンによると、星間旅行用のアメリカ・スター船団を推進させる反重力装置の証拠があるという。2000年から2002年にかけ、彼がアメリカ政府の軍部およびNASAのコンピューターに忍び込んで発見したものは、逆進技術したUFO技術と気候変化をもとに直せるフリー・エネルギーの証拠を隠したものであった。
マッキノンにとってもっともショックであった発見――彼の米国政府との交渉の切り札となる――は、アメリカの宇宙司令部のシステムのなかで彼が「ひょっこり出会った」ものである。そこで彼が見つけたのは、20ないし30人の非地球人将官の名簿であった。彼はそれが異星人であるとは信じられなかったが、その述べていることから判断して、米国軍部は秘密の一大隊を宇宙に持っていることの証拠であった。彼はイクセルのスプレッドシートに記された、人物の氏名と階級、そして船間および艦隊間の物資移送表を見た。マッキノンは、発見した宇宙司令官らの応答一覧を見つけようとしたが、それはならなかった。興味深いのは、彼が職務異動表で見た二隻の船の名前が、USSS LeMay と USSS Hillenkoetter であったことだった。普通、海軍の海上艦船の名は、ただ二つのS――「United States Ship」の省略――をもつのみであったが、それらは３っつのSをもっており、それは、――「United States Space Ship」からきていると考えられた。
マッキノン（アスパージャー症候群患者）は、ただ「年金生活老人が風邪で死ぬことから救いたい」と望んだだけであり、フリー・エネルギー技術がそれを助けることが可能であることと比べれば、〔自分の行為は〕微々たるものに過ぎないと主張する。彼はその発見を、パスワードを盗んだわけでも、ファイアーウォールを壊したわけでもなく、ただ、市販のソフトと56Kのモデムを用いただけで行った。そうした他人思いな動機にかられたものであるにも拘わらず、マッキノンは捕らえられ、米国への犯人引き渡しに抗して、十年以上も闘っている。マッキノンはこの情報を内部告発ウェブサイト、ウィキリークス――その創設者ジュリアン・アサンジも米国への犯人引き渡しに面している――に渡したようである。アサンジは、自分はUFOや他の機密の書類に関し、公式の米国電報を海外において得たと言っている。多くのハッカー仲間は、この二人を、発言の自由と正義の英雄として考えている。
【この章終了】
参考文献
Future Esoteric: The Unseen Realms by Brad Olsen
http://cccpublishing.com/FutureEsoteric www.bradolsen.com
with permission, (c) Brad Olsen, 2015
