NZ「ワイカレモアナ湖」トレッキング

毎年初めの恒例になった感のあるニュージーランド(NZ)トレッキング。今年は、北島の中東部にあるワイカレモアナ湖(地図に赤矢印)の三分の二を時計回りにめぐるコースです。トレッキング日程は三泊四日、シドニーからの全日程は一週間です。

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日程1日目

2月1日、9:45発のエアーNZ便でまずオークランド(14:55着、飛行時間3時間10分)に飛び、そこでローカル便に乗り換えてネーピア(16:40―17:40)で降り、ネーピアの街中のバックパッカー宿での宿泊が初日の日程です。

ただ、この初日の出鼻から問題が発生。うっかりしていたとはいえ、私の「レジデンス再入国ビザ」がなんとこの日で切れるという驚き。そのまま出国してしまえば、2日以降は再入国はできません。大問題です。

ただし、係官より、出国しても海外からオンラインで延長申請が可能と聞き、予定は変えず、断固(スリル満々ながら)出発しました。今回は、いったんは持参を迷ったのですが、幸いにタブレット型PCを携帯してきていましたので、頼もしい武器となってくれました。良い判断でした。そして、ネーピアの宿に落ち着くやさっそく、オーストラリア政府の移民省サイトを開き、絶対に間違いの許されない、ややこしい申請手続き始めました。オンライン化されているとはいえ、この手の書類の煩雑さはいまも同じです。その全部を無事書き終え、手数料(約3万円)の払い込みを終えたときは、零時数分前でした。かくしてビザは中断とはならずに、結果的とはいえ、もっとも無駄なく(早めに手続きすると、その日から数えた5年間が有効期間となってしまう)、継続しえたわけでした。

それともうひとつはエアーNZ機内での予期外の問題。それとは、予約した航空券がLCC級だったため、機内サービスは水とクッキーと飴玉のみ。加えて機内は、寒いほどなのに毛布は一部の人のみ、食事も付かず(他客の機内食のにおいは無料提供)、映画もさわりの5分のみ無料で、ひたすら質素で我慢の3時間でした。いくつかの違った料金客が混乗する便は、事前の確認と用意が重要との教訓でした。

 

日程2日目

午前はネーピアの街の観光。午後1:35発のバスで途中のワイロア(3:40着)へゆき、そこでその日の宿「ビック・ブッシュ」からの迎えの車でそのロッジ(5:50着)へ。

ネーピアの街は、1931年の大地震と火災からの復興の際、主要な建物が当時の流行であった「アール・デコ」様式(注記)で建て直され、そうした洒落たデザインの建物が今なお健在していて、街の第一の観光資源となっています。

(注記)「アール・デコ」とは、1910~1930年代に流行した芸術様式。工業デザイン、ファッション、建築などの分野に影響をあたえた。直線を基調とした単純で大胆なフォルムが特徴。

 

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「ザ・ドーム」と呼ばれる街の最も有名なアール・デコ様式ビル。ホテルとして用いられている。

このおしゃれなビルが消防署とは。

このおしゃれなビルが消防署とは。

街中に張ってある「アールデコ・フェスティバル」のポスター。今年の開催期間は2月17―21日で、もし私たちの滞在がこの間とぶつかっていたら、宿泊予約も難しかったかも。

 

日程3日目

「ビッグ・ブッシュ」は、ワイカレモアナ湖から車で5分ほどの山中にある快適なロッジ。朝、ロッジから湖畔のオネポト・ベイの登山口まで車で送ってもらう。8時50分、登山開始、湖岸にそって走る尾根をたどって順調に登る。さほどきつい登りではありません。途中、高度が変わるごとに変わる湖の展望を楽しめます。

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登りの「八合目」ほどの展望台で筆者。

12時05分にボールド・ノッブ(標高1,161メートル)で昼食。プケタウ峰(標高1,185メートル)をへて、2時30分、トレッキング1泊目のパネキレ小屋に到着。小屋は眺めのよい尾根上に位置しています。

ほぼ最高地点からの展望。これからトレッキング・コースは画面左手をまわり、正面の入り江の奥が最終地点の迎えのボートの乗り場。

日程4日目

トレッキング2泊目は、全日下りのコース。うっそうとした森林の中を歩く比較的イージーな日程。8時出発、11時には湖畔のワイオパオア小屋に到着。さっそく、素裸になって湖の“超”大浴場でひと風呂。

水浴中の相棒のエイブ。水温はさほど冷たくなく、ほてった体に気持ち良い。

湖は、澄んだ湖水のほか、ブラックスワンの姿もきれい。

湖は、澄んだ湖水のほか、ブラックスワンの姿も華麗。

湖畔の木陰で読書中、予期せぬ自然の歓迎をうけた。

午後、湖畔の木陰で読書中、予期せぬ自然の“友”の来訪をうける。

日程5日目

8時25分に出発。湖畔を行く平たんなコースとたかをくくっていたのですが、道は小尾根をいくつも越える登り下りの繰り返しで、意外と体力を消耗させられます。途中、枝分かれした往復1時間ほどの奥にあるコロコロ滝をおとずれました。

驚くほどの規模の滝ではないものの、日差しをうけて、小さな虹が我々を歓迎。

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天気は下り坂。午後になると、空はすっかりと雲でおおわれる。二日前には、正面にそびえる尾根の上に居た。

枝道を入れて計15キロメートルほどの距離を、ややへばりながら歩き通し、午後2時10分、マラウイチ小屋に到着。一息ついていると、小雨が降り始めました。

 

日程6日目

トレッキング最終日で、午後2時に迎えのボートが来るため、遅れは許されません。8時出発、そぼふる雨の中をもくもくと歩き、12時半に、落合場所のワンガヌイ小屋に到着。

予定通り、迎えにきたモーターボートに乗り、湖上を約1時間、出発地点のオネポト・ベイに帰着。雨にけぶる湖面は、ところによっては対岸も見えず、まるで海のよう。天候の違いで、陽と陰の二様を見せてくれたワイカレモアナ湖でした。

なお、この湖は2200年前に巨大な崖崩れによって形成されたもので、地図上では、そのギザギザした形状は一見、人口湖のようにも見えます。そして実際にも、この湖水と下流の小湖と組み合わせて、揚水発電をおこなっているようです。

夜は再びビッグ・ブッシュ・ロッジに宿泊。あずけておいたPCで、ごぶさたしていた世界に再合流。

 

日程7日目

9時にロッジを後にし、あとは、来た道を逆にたどる行程。ネーピアの街では、ランチとお土産のワインを買うのみで空港へ。

16:35ネーピア発、17:40オークランド着。19:25オークランド発、21:00シドニー着。

 

 

なお、このトレッキングに伴う装備は、小屋泊りなのでテントやマットは不必要ですが、寝袋、ストーブ、料理器具、食料一切、衣料一切(雨具、非常用防寒着含む)、救急薬品、そして、読書用本2冊を持参。これらを詰めたザックの出発時点の全重量は19キログラムでした。

今回、新しい登山靴(来年の6千M峰を想定した伊ザンバラン製)はいたのですが、まだ足に完全になじまず、豆と靴ずれ対策(テープとバンドエイド)に気使いました。もう少し履きこなす必要があります。

また、以下にこのトレッキングのおおむねの費用をあげておきます。

一人当たりの額(豪ドル)です。食事代は入っていません。

エアーNZ便(ローカル便含む)往復     900ドル

バックパッカー宿(3ベッド個室、1泊)       33ドル

バス往復                  70ドル

山小屋(3泊)                 95ドル

ビッグ・ブッシュ・ロッジ

(2泊、車・ボートの送迎、2夕食含み)    360ドル

タクシー                   27ドル

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合計                   1,485ドル(118,800円)

 

【参考までに】現地の案内サイトによると、この3泊4日のトレッキングをガイド付きのパックで予約すると、一人1,450NZドル(1,355豪ドル、108,400円)とあります。

 

 

 

 

 

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