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「この国の人々が銀行や通貨制度を理解していないのはもっともだ。だが、もし彼らがそれを理解した時、次の朝までにも革命が起こるだろう。」- ヘンリー・フォード、1922年
伝えられるところでは、イルミナチは、有力者の小規模な極秘集団で、少なくとも230年間にわたり、世界の出来事の行方を牛耳ってきた。世界の議題を推進するこれらの秘密の家族や集団の代々の世代は、いくつもの名前で知られている。この世界的なエリート集団は、世界で最も豊かかつ力ある人々で構成されている。この世界的エリートの存在に論争の余地はないが、その目的は何であるのか。洩らされた報告書によると、彼らが社会のあらゆる面の管理と支配の議題を議論するため、一貫して、閉鎖された扉の背後で、世界のあらゆる場所で会議を持っていることが確認される。そして彼らの計画は時計のように正確に、メディア、金融、企業、政府、商業、軍事の分野に現れてくる。
イルミナチは先導者で、「王位の背後の力」と言われ、政府との巧みな連携や企業の所有を通じて、世界の諸問題を実際に支配している。そして彼らは、単一の世界通貨・政府システムを確立するため、有効な諸地位を占めている。「イルミナチ」という言葉は、「ある主題に関して特異に啓発されていると主張する人々」または「特別な宗教的啓発を主張する様々な団体」のいずれかを意味している。こうした定義が示唆するように、自らを「啓発された」と考えるいかなる集団も、自らを「イルミナチ」と呼ぶことができる。彼らは実際にこの名前を使用した元のグループである。 彼らは、人類が何千年もの間縛られてきた鎖から自分自身を解放するのを助けるために、非常に長い間、舞台裏で働いてきている。
このように、この用語は、ハイジャックされ、啓発というのとは逆の方向へと強要されて、紛らわしいものとなっている。私たちがここで言うイルミナチとは、人々に自由をもたらすことを助け、この世界で平和と調和をめざす友愛的グループではない。むしろ彼らは、時の権力者であり、無知と恐怖をもって国民を支配するため、戦争と破壊のショーを演じる自作自演の傀儡劇の親玉である。イルミナチという言葉を使って自分自身を表現し、元の友愛的グループと同じ名前を使用することで、彼らはすでに初期の段階にある真の自由運動に浸透してきている。そしてさらに問題を混乱させ、真実の探求者がその道をあきらめるるもう1つの方法となっている。同様に、この第2のグループは、世界支配という否定的で邪悪な目標のために、本質的に友好的な用語「新世界秩序」を使用することによって研究者を混乱させている。
マネー供給の支配権をえることは、その手始めの作戦だった。最初の国際的な銀行家はテンプル騎士団で、キリスト教の十字軍の時代にシオンの修道院として知られていたいっそう秘密の集団により作られ、後援された秘密社会であった。その時、その目的はムスリム支配から聖地を取り戻すことだった。イルミナチと連携するものが、ベネチア・ブラック・ノビリティへと直接の関係をもつビルダーバーグ・グループ――800年前にイタリアの富裕な交易家族による秘密結社――がある。今日のビルダーバーグ・グループの背後には、中世ヴェネチアの金融機関の寡占支配モデルを基盤とした、フォンディとして知られる強力なプライベート・マーチャント・バンキングの現代的ネットワークがある。現代のビルダーバーグ・グループに属する今日の超富裕階級家族の先祖たちは、「Synarchism Movement of Empires」を創設する源であった。これは、社会主義者と無政府主義者をファシストの原則の周りで統一するために、金融界と産業界の間の政治的同盟を築くことを目的とした古代よりの秘密結社であり、数百年、おそらく何千年もの間、暴力、プロパガンダ、贈収賄によって人類を支配してきた。これらの人々は、容赦のない無慈悲さから「ブラック・ノビリティ」の称号を得ていた。彼らは殺人、強姦、誘拐、暗殺、脅迫、強盗、そしてすべての欺瞞を大規模に採用し、彼らの目標を達成することに反することを許さなかった。 「Synarchism International」は、米国創建の原則に対する反撃として、1770年代にフリーメーソンの秘密結社によって設立された。その呼称がSynarchistsだろうと、Priory de Sionだろうと、イルミナチだろうと、あるいは、彼らが最初に会合をもったオランダのホテル名でそれを彼らの名称としたビルダーバーグだろうと、その一つの真実は、これらのエリートグループは存在することである。今日、これらのエリート家族とグループにはすべて莫大な富があり、マネーがその力の手段となっている。
英国とオランダの東インド会社やビルダーバーグは、プライベート・マーチャント・バンカーの提携の実例である。ビルダーバーグを率いる人たちを知るためには、外交評議会や三極委員会の中でトップの秘密集団のメンバーの名前を見つけるとよい。これらの人たちの中核は「インキュナブラ〔Incunabula〕」とも呼ばれている。今日、基本的におよそ千人のこの秘密集団のトップメンバーがおり、地球上の多数の人々に大きな影響を与える、すべての重大な決断を下している。
〔支配血族の〕個人は、常に支配的な血縁に生まれ、婚姻による「参入」によるものもない。誰も、その家族とは「結ばれない」。 5世紀にはじまる、メロビング王朝の王たち、すなわちブラック・ノビリティーや王族などは、完全に近親交配によっていた。そうした王室の血統は、記録がある限りの全歴史におよぶほど古く、おそらく、古代エジプトにまで至っていた。そうした家族は非常に特異で厳格な方法で育てられ、揺るがない忠誠心を植え付けられた。どんなに熱心で誠実な人が加ったとしても、その家族員は、幼い頃から自分を育てた家族のみを信頼する。そうした秘密の血縁支配家族は、常に血族間、または「家」の間で結婚する。その結婚は常に見合い結婚である。承認されない組み合わせは存在せず、家族員がこのしきたりを破ることは考えられないことである。彼らは言われた通りに行動する。全家族による「家」社会は、上向きの進歩のみに向けられている。その議題は世代から世代に伝えられる。まれな場合のみ、外部者がその家族にかかわるが、それは他の「エソテリック」な系統からである。その最も顕著であるイルミナチ家族の諸血統は、個々の家族が世界中に広い支配権を握っている。それらには、ロスチャイルド、ロックフェラー、アスター、バンディー、コリンズ、デュポン、フリーマン、ケネディ、リー、オナシス、レイノルズ、ラッセル、ヴァン・ドゥイン、ディズニー、クルップ、マクドナルドなどがある。一家系、一血統、一支配である。
世界銀行によると、わずか227家族が世界の富の47%を所有しており、しかもこれは控えめな推計値である。フィナンシャルタイムズによると、10家族がイスラエルの大半を支配している。ということは、残りのほんの217のエリート家族が、世界中の銀行、産業、財布の紐を支配し、立法議員に直接影響を及ぼしている。これらの権力ブローカーは、自らを「隠された手」と称し、この無名の人物たちが、地球上のほとんどの機関に直接に関わっている。 それと同じ家族のメンバーがお金を印刷して政府に貸し出し、また、人々から所得税の形で高利の料金を課している時、市場はどうして自由であれようか。その超富裕者は余りに豊かで、それは小さな国さえも上回っている。その中でも筆頭であるのは、過去3世紀にわたり世界で最も豊かな家族であるロスチャイルド家である。
金融内部告発者のベンジャミン・フルフォードによると、「イルミナチは実際に、ヨーロッパと北アメリカの由緒ある貴族や銀行家の血縁家族たちである。彼らはアメリカ、英国、ヨーロッパ(スカンジナビア諸国、ドイツそしてイタリアを除く。 イタリアは1970年代に排除された)、日本、アフリカ、カナダ、メキシコを支配している。だが彼らは、中国、ロシア(プーチン大統領は1917年以来初めて彼らを追い出した)、インド、東南アジア、南アメリカ、キューバなどを支配していない。・・・彼らの目標は世界政府を作ることだ。 2010年まで、その計画は「新世界秩序」だった。それは新しいアメリカの世紀のためのプロジェクトに正確に述べられていた。しかし、イラクの崩壊で、西側の秘密政府は、EUに基づく世界政府である新しい計画に変わった。 これを行うために、彼らは米国経済を妨害することとなる。」
1976年、長年の研究の末、著名なアシュケナージ〔ヨーロッパ中・北部の〕・ユダヤ人作家のアーサー・ケストラーは、『13番目の部族』との題名の本を出版した。その中で彼は、ほとんどの「東欧のユダヤ人はイスラエル人でも『セム人』でもなく、むしろその祖先は、ハザール人やモンゴル人やフン族である」と断言した。 それを立証してケストラーは、千年昔のアラビア語の文献から、次のような記述を引用した。「ハザール人と彼らの王はすべてユダヤ人で・・・聖書の黙示録で言及されているマグゴグの地の君主ゴグはハザール人である」。
ハザール人は才能に恵まれた起業家や財産管理人であった。彼らは、13世紀以降18世紀までに独占的な世界的商人になった。彼らは、外国の物品の再輸出人、仲買人、貿易の査察官、金細工師、銀細工師であった。彼らはそうした仕事提供に際し、すべての貿易より、「タイス」と呼ばれる十分の一税を徴収した。やがてこうしたユダヤ人は貴金属、金や銀貨鋳造の国際的な支配者となり、王室の財務官、税徴収役、そしてヨーロッパの主要貸金業としての地位を獲得していった。彼らの主要収入源は、外国貿易と通関手数料の徴収であった。こうした家族は共産主義の初期版ともいうべき共同生活を実践していた。彼らは自分たちを別種の人間と見なし、強い人種認識、厳密な婚姻規則、良心に立つ宗教的慣行、伝統への忠誠心によって、千年を越えてアイデンティティを維持してきていた。
ケストラーの研究のおかげで、ハザール人の国際銀行家の起源を14世紀から現在まで追跡するのは容易となった。スペインの「Marranos」あるいはフランスの「Guerients」や「Marquis」など、スペインやポルトガルへのハザールの血統のつながりを示している。 これらの国際商人は、インド、中国など多くの国際的に有益な市場との貿易関係を確立した。
自動車製造者のヘンリー・フォードの1920年の本『The International Jew』によると、ハザール・ユダヤ人はクリストファー・コロンブスの航海に資金を提供し、インド大陸へのより直接的なルートをめざした。コロンブスは死ぬまで北アメリカは「インド」と信じ、アメリカの原住民を誤って「インディアン」と名づけた。ヘンリー・フォードはこう書いている。「アメリカのユダヤ人の物語は、クリストファー・コロンブスで始まる。1492年8月2日、スペインから30万人以上のユダヤ人が追放された時、翌8月3日にコロンブスは一団のユダヤ人を乗せて西方へと船出した。このように〔北米大陸の〕原初の銀行一族はユダヤ家系であったとの事実は、それが反ユダヤ主義の発端になりえたことに注目する必要がある。巨大な富を蓄積する人間集団はいずれも眼のかたきされやすく、またその富の乱用にも脆弱でもある。それはユダヤ人がゆえの特質ではなく、人間のものである。秘密集団やユダヤ人の歴史についてのヘンリー・フォードのような見解は、反ユダヤ主義の含みをもっている。だが、問題なのは留まるところを知らぬ富と権力であり、そうした人々の民族性がゆえではない。
最初の知られているイルミナチの身分――「Alumbrado」と呼ばれた――は、1492年に、「Marranos」と呼ばれたスペイン・ユダヤ人によって設立された。スペインとポルトガルで激しい迫害が始まった1391年には何十万人ものユダヤ人がローマカトリック教会の信仰に転向させられた。公には彼らは「ローマ・カトリック教徒」だったが、秘密裏にユダヤ教を実践し、ハザールの慣習を維持した。有力で極めて裕福なMarranosは、子供達にユダヤ教、ことにタルムードとカバラについて、秘密裏に教えることができた。1540年以降、多くのMarranosが、イギリス、オランダ、フランス、オスマン帝国――今日のトルコ――ブラジル、および中南米の地に移住することを望んだ。Marranosは強い家族の絆を保ち、彼らが再定住した国々で非常に裕福になり、影響力をもった。ハザール人の習慣と同様に、彼らはどの国家に住んでいたとしても、彼らの忠誠心は自分自身とユダヤ教えのものだった。もっと最近では、彼らはシオニストとして知られ、その忠誠心はイスラエルの国にある。
今日イルミナチは、主にヨーロッパの数か所から世界の問題を支配している。しかし、彼らはその名前を使用することはないものの、今日の支配血族は初期の様々な欧州イルミナチ組織の現代の化身あるいは継続体である。最も有名なものは、1776年5月1日に設立されたバイエルン・イルミナチで、これは、1748年にアダム・ワイシャウト――ユダヤ人の両親で生まれたがカトリック信仰の中で育った――によって創設された。彼はイエズス会の訓練を受けた教会法の教授であり、神秘主義に精通していた。ワイシャウトは自分の追随者に、目標を達成するための次のような5つの秘密の手段を表した。第一に、すでに高い地位にある男性に対しては、金銭的、性的賄賂が有用である。 第二に、トップ大学の各学部にいるイルミナチは、彼らのために働くトップ候補者を募集する。 第三に、影響力のある人々は、政府、宗教、金融機関の役職の背後に配置され、イルミナチの代理人として用いられる。第四に、秘密社会はマスコミの完全なコントロールを行う。 第五は、彼らの地球支配に反対する政府を除去するために、秘密軍事クーデターを実施する。ワイシャウトはただちにこのイルミナチの教義をフリーメーソンの欧州大陸体制に浸透させ、グランド・オリエントの支部を彼らの秘密本部として確立した。こうした構想は広がり、現在まで世界中のフリーメーソンの支部がそれに従っている。
イルミナチの通常の訳は「知的に啓発された」であるが、ワイシャウト自身は私的に、この言葉はルシファーの言葉であり、「光の所有者」を意味すると述べた。ロスチャイルドの巨大な私的帝国の始まりは、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドまでさかのぼり、彼はワイシャウトを雇う3年前、他の強力な家族と秘密会合を持っていた。イルミナチの古い騎士団の資金元は、テンプル騎士団の時代の銀行家までさかのぼり、ヨーロッパの初期の王たちに資金を提供し、最後にはバイエルン・イルミナティを創設した。ワイシャウトは単に彼らの入札を担当していた彼らの「使い走り」であった。彼らの運動を「新世界秩序」と名付けたのは、ワイシャウトであった。このグループのシンボルは、1ドル紙幣の裏に印刷されている。その神秘的な未完成のピラミッドは、世界を見渡す目を頂いている。この私的帝国は、まもなく、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドの金融支配下となった。
ロスチャイルドは歴史の中でも最も著名な銀行家である。19世紀、彼らは王と政府に金を貸し、ナポレオン戦争の際には両側に資金を提供した。歴史上のある時点では、ロスチャイルドは自分の金でイングランド銀行を崩壊から救った。しかし、彼らはどのようにして、そのような驚くべき富を獲得したのだろうか。
ロスチャイルド一族は、自分たちがユダヤ人であると主張するが、上述のように、より正確な民族系統上では、彼らはハザール人であろう。彼らの出身国は元々ハザリアと呼ばれていたが、この国は黒海とカスピ海の間の地域を占め、今日ではその大半は、ジョージア国によって占められている。ジンギスカンとその軍隊が長年にわたりその地域を占領したため、彼らの一部は蒙古人である。ロスチャイルドがユダヤ人であると主張する理由は、8世紀、カザール人が王の指揮のもとでユダヤ信仰に改宗したからである。今日、自らをユダヤ人と呼ぶ世界の人々のおよそ85パーセントは、実際にはアシュケナージ・ユダヤ人として知られることを好むハザール人である。
マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドがドイツのフランクフルトで財務会社を経営していた時が、ロスチャイルドの財政支配の拡大の起点である。彼の5人の息子は、1700年代後半と1800年代初めにヨーロッパ全土に派遣された。その5人の息子たちは、それぞれ、フランクフルト、ウィーン、ロンドン、ナポリ、パリにその支店を設立し、まもなく、今日でも巨大な支配をほこる、本格的なヨーロッパ金融王朝を築き上げた。ナザム・ロスチャイルドの秘密の〔情報〕急送網は、1815年6月、ナポレオンのフランス軍がワーテルローで7国による英国同盟軍によって敗北したというニュースをロンドンに最初にもたらした。しかし、ロスチャイルドは、戦争で両国に資金を提供していたが、〔逆に〕フランスが勝ち、証券取引所にイギリスの「領事館」が売りに出され始めたとの狡猾なうわさを流した。他のトレーダーたちはそのペテンにかかって一斉に売りに出て、市場は急落し、その間に、ナザム・ロスチャイルドは密かに、手当たり次第にすべてのものを買いあさった。そしてイギリスが戦争に勝ったとの真のニュースがロンドンの一般社会に伝わった時、ロスチャイルド家はイギリス経済を支配しはじめていた。1985年のユースタス・マリンズ〔米国の政治評論家1923-2010〕の綿密な研究によると、この一回の企まれたパニック操作で、ナザム・ロスチャイルドは6,500倍もの驚異的な成長をとげた。彼はナポレオンがワーテルローで勝利したと市場全体に信じさせることで、大英帝国を征服した。ナザム・ロスチャイルドは、このたった1日の取引で、ナポレオンがそれまでに決してできなかったこと――大英帝国の制服――を成し遂げたのであった。1962年に出版された『ロスチャイルド家』と称した一族の公式伝記は、そうした一族の業績を誇っている。曰く、「(マイヤー・アムシェルの)信じ難き5人の息子たちは、それ以前のあらゆるシーザーよりも、あるいは、それ以降のあらゆるヒットラーよりも、もっと狡猾でもっと永続的な、 世界初の近代的多国籍企業を築いたのであった」。
ロスチャイルド家はドイツのユダヤ人を起源にもつヨーロッパ人家族である。 ドイツ語の姓は「赤い盾」を意味し、これはその紋章である。その盾には、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドの5人の息子によって設立された5つの王朝を象徴する5つの矢を握った拳が見られる。ビクトリア女王の要請により、家族の英国支部が英国の貴族に昇格している。(with permission, (c) Brad Olsen, 2018)
こうしたロスチャイルドの影響力は、すぐにアメリカにも広がった。1800年代半ばまでに、同家族は、モーガン、バンダービルト、カーネギー、セシル・ローズなどの他の王朝にも加わり、やがて銀行業界の支配を確立した。ロスチャイルドはモーガン家に資金を提供し、1910年、同僚のポール・ワーバーグ――クーン・ローブ商会のパートナー――を他の民間銀行家と会合させるためジキル島に派遣し、秘密裏に連邦準備銀行法案をつくらせ、1913年、この法案は偽りの装丁のもとに可決された。この法律は、銀行家に、米国のマネーサプライの90パーセントの創出を許し、利子をつけてそれを貸し出した。これは、高利益と影響力行使のための確実に命中する砲火方法であり、私的銀行家が国民経済を動かすことを可能とした。また、連邦準備制度が発足したのと同じ年、内国歳入庁が設立されたことも明らかとなった。ワイオミング州では1913年2月3日、憲法改正のためには州の4分の3が必要であることを規定した第16次改正憲法を批准した。第16次改正憲法は、議会に所得税を制定する権限を与えた。1913年12月23日、連邦準備制度法が成立した。銀行家が自信をもって、ウッドロウ・ウィルソン大統領と連邦議会議員に連邦準備制度批准法を批准させる方法は、その数十年前、株式市場に作為的なパニックを作り出すことだった。結局のところ、ナザム・ロスチャイルドがワーテルローの後が極めて有益であることを証明したように、金を稼ぎ支配を獲得する単一の最も効果的な方法は、大衆のパニックを起こすことであった。それが契機となり、誰もが売りに走り、そこで買いに入る時期正確に知っていれば、無限の富と権力を達成しえたのであった。
ロスチャイルド家が、21世紀にあっても、表面には現れないものの、依然として莫大な権力と支配を続けていることは驚くにおよばない。研究者のディーン・ヘンダーソンは、著書『The Federal Reserve Cartel』で、ロスチャイルドの財産は今日100兆ドルを超える可能性があると推定している。一方、ロスチャイルド家が驚異的に富豪となり、その基盤をヨーロッパからアメリカに移した後、米連邦準備銀行(FRB)が創設されて以来、米労働統計局の消費者物価指数に基づくと、ドルの購買力は、95パーセント以上下落している。1913年の1ドルは2011年の22.92ドルに相当する。つまり、1913年以降のドルの購買力の低下は95.6%である。もちろん、私たちはロスチャイルド家の真の財産価値を知ることはできない。それは非公開のパートナーシップであるため、同家族の財産は、公的バランスシートまたは財務状況に関するその他の報告書を公表する義務はなく、発表されたこともない。
ロスチャイルド家はイスラエルの建国に大きな影響を与えた。それは、第一次世界大戦の終結に先立って、その趣意書――ユダヤ人シオニスト連盟に土地を譲渡――がバルフォア伯爵に提出された時に始まり、これによって米国が紛争に参入することは確実となった。アフリカの一国ウガンダの大部分が、その新しい故郷として議論されたが、シオニストたちはそれを拒否し、パレスチナを主張した。「同大戦」が引き続く中、英国戦時内閣には他に選択肢がなく、彼らはロスチャイルド卿に書簡を送り、パレスチナを分割し、ユダヤ人に新しい家を与えるという要請と約束を行った。その小さな一片の土地は、第二次世界大戦の直後、国連の公式制定で、イスラエルとして知られるようになった。ロスチャイルド家はイスラエルの政府のインフラ建設の資金調達に重要な役割を果たし続けた。ドロシー・ド・ロスチャイルドは、新イスラエルの最高裁判所の建設を財政的に支援した。「全てを見る目」は、イスラエルの最高裁判所を監視し、ロスチャイルド家によって完全に設計、資金提供された。
私たちは、この米国の財政システムがすべてロスチャイルド家により歪められていると告発することはできないが、同家が世界のほぼすべての国々で彼らが駆使している力を見落とすこともできない。それは、ほぼすべての中央銀行に支配的権益を持つことで、影響力を最大限に引き出すことができ、小さな国を作ることも壊すことさえも自在である。ロスチャイルド家ほど、自らの計画を実行する上でこれ以上巧みなものはない。私たちは彼らの方策を認めることができないかもしれないが、彼らは実に独創的である。彼らは自分たちの生涯中にその結果が見れないことも承知のうえで、大きな地政学的ゲームをするための正しい時期を非常に忍耐強く待ち続ける。誰もルシファー式の新世界秩序を望んでおらず、自分たちの家族員にさえも望まない者がいる。人間はすべて自由を欲しており、必要であれば死に至るまで欲求を抱いている。彼らが抑圧してきた技術は、「過剰人口」に関する議論を無用なものとする、いずれかもしくはすべての技術である。もし、私たちが秘密宇宙計画について知られている情報から一要素を取り上げるなら、私たちは過剰な人間を地球外に移民させかねない。要点は、彼らの金が偽のメディアに費やされており、偽の恐怖を作り、偽の国家間分裂を促していることである。
イルミナチの現在の影響力は、依然、隠れたままである。世の評論家は、イルミナチ組織が存在していることも、地球上で最も強力な組織である可能性を示唆する証拠もないと言うだろう。イルミナチが設立された当初は世界を乗っ取るためではあったが、彼らは1700年代の終わりから1800年代の初めにかけては沈黙していた、とも言うだろう。また、同じことがフリーメーソンにも当てはまる。メーソンは確かに秘密結社だが、それは彼らが世界を乗っ取ろうと計画していることを意味しているわけではない〔とも評論家は言うだろう〕。しかし、それでも、陰険な影響力を臭わせる不可解さは残る。例えば、国連を支配すると言われている「三百人委員会」は、「ブラック・ノビリティ」との強い関係を持っているようである。「三百人委員会」は英国の東インド会社の三百人評議会から発展したもので、それは1727年に英国貴族階級によって設立された。ウィンザー家、特にエリザベス2世は、三百人評議会の頭目であった。
これらの歴史的なつながりは、様々な段階の新世代のイルミナチのメンバーが世界銀行や他の世界的金融センターを支配していることを強く示唆している。その結果、彼らは世界の原油価格を秘密に左右し、市場を操作し、世界の連邦準備銀行制度をコントロールすることができている。各西側政府は、自らの通貨を鋳造する法的権利を持っている。だが、各政府はそうはせず、彼ら自身の連邦準備制度から借り入れることを選択している。つまり、西側世界の人は誰でも、税金を支払わなければならず、その税金は、私的所有の連邦準備銀行のシステムを運営する人々のふところに入る。そのシステムは、私的に動かされている巨大な詐欺行為である。繰り返すと、あなたがマネー供給をコントロールする時、あなたが政府をコントロールし、そして、あなたが政府をコントロールする時、あなたがそうした人々をコントロールするのである。だがしかし、現代のイルミナチは、実際にはヨーロッパやアメリカをおおう唯一の存在である。それは、ドイツ、フランス、英国、イタリア、米国のG5諸国を主体に構成されている。米国人のうち、わずか千人に一人、あるいは、〔ウォール街などの〕占拠運動によって表現されたように、わずか1パーセントだけがこのグループの一員なのである。
国際決済銀行(BIS)と呼ばれる非常に強力な国際機関は、すべての中央銀行の中央銀行であり、世界全体のマネー供給を秘密裏に支配している。その本部はスイスのバーゼルにあるが、香港とメキシコシティにも支店がある。基本的にBISは、選挙の洗礼を受けず、説明責任をもたない世界で唯一の中央銀行であり、課税や国内法の対象から完全に免除されている。悲しいことに、国際決済銀行が何をしているのか、非常に少数の割合の人たちが実際に知っているだけであり、また、2カ月ごとにバーゼルで開催される世界経済会議については、もっと少数の人たちがそれに気付いているのみである。こうした会議には、いかなる職員も立ち入りを許されず、それは絶対的な秘密のうちに運営されている。
そうしたエリートらは私的に会い、自らの利益のために、影響と資金を配分しあい、権力を統合する。既報の会議の参加者構成や開催時期は、その目的にそった一貫したパターンを示し、時に応じて、洩らされた情報――ジム・タッカーの「ビルダーバーグ・ダイアリー」のような――によってそれが確認される。その出席者は、銀行、メディア、軍事、諜報、政府、教育、企業、宗教の各界のピラミッドの頂上にいる人々またはその代理人である。そして彼らの会合の結果は、経験を積んだ者の目には、そこで望まれた筋書き、対象者、クーデター、戦争、そして、その指揮下のネットワークの触手を通して現れる市場の動き、が見え始める。政治家個人や各制度を絶対的に支配しようと画策するその操り人形劇の主には、ロビー活動、贈収賄、暴力の脅威等を越える方法がある。すなわち、彼らの常套な手口には、ドラッグ、セックス、さらには子供への性的虐待を通じた、政治家らを抱き込む体系的な秘策もあるようだ。そしていったんそのような行動が定着すると、それは「汚れ」として、不祥事の開示の脅威をもって、政治家らに圧力をかける手段となる。
米国政府の背後にある政府は、「国家安全保障」の隠れ蓑に訴える。こうした集団の最高レベルは、政府内の最も選りすぐのクラブに所属している。それは、NATOの最高極秘分類である、「宇宙的極秘」と呼ばれている。彼らの隠された作戦武器はCIAであり、国家安全保障に見せかけて、信用破壊、暗殺、そして異論者の抹消を実行する。しかし、極めて少数の人々しか、こうした影の力が誰であるかを知らない。1952年、最高裁判事のフェリックス・フランクフルターが「ワシントンの本当の支配者たちは目に見えず、背後から力を行使する」と述べた。実際、悪名高いイェール大学の秘密結社「スカル・アンド・ボーンズ〔頭蓋骨と骨〕」は、 「墓」と呼ばれる陰気な建物から作戦実行される秘密のシンボルを用いる。ジョージ・W・ブッシュ、その父、その祖父、そしてジョン・ケリー〔米国の民主党政治家、国土安全保障長官、大統領首席補佐官〕らは、その最も傑出したメンバーのほんの一部に過ぎない。
そうした選りすぐりの秘密家族は、公式には民主主義を支持する一方、現実問題としては、そうした人々――文明の最善の利益を知ることから、知る権利や意思決定する権利を得たと自認する人々――による、一種の友愛的独裁政権や啓発された寡頭政治を支持している。彼らは、普通の人たちが怠け者で散漫であり、有益に貢献する意欲もなければ資格もないと強く感じている。彼らは、平均的アメリカ人は、「スーパーボウル」には熱心でも、宇宙のどこかの生命には関心がないと思っている。だとすれば、どうして彼らはその知識を彼らと分かち合うべきと思うべきなのか。とどのつまり、それはビジネスである。実際に影響力と権力を持つこの集団の知的指導者は、アリストテレスやジェファーソンよりも孫子やマキャベリの方に近いのである。
エリート中の最もエリートは、ロスチャイルド家やロックフェラー家に属し、すべての石油資源を支配し、代替エネルギー技術、特にフリー・エネルギー技術を制圧してきてきた。J・P・モーガンは、個人としては裕福で有力であったが、ロスチャイルドのためのおとりであり、ニコラ・テスラの発明や技術を盗んだ。テスラは私たちに、交流電気、水力発電ダムをもたらし、そして、世界にフリー・エネルギーを提供する計画をつくった。しかしそうした策謀集団には、フリー・エネルギーは許しえるものではなく、最終的にテスラはこれらの強力な人々によって財政的な破滅に追い込まれた。J・ P・モーガンは富裕なアメリカ人の一人として死んだが、彼はロスチャイルドの単なる士官に過ぎなかった。
イルミナチ帝国の首都はローマのバチカン市である。ただしこれは、すべてのカトリック教徒がイルミナチであると言っているのではなく、また、その逆でもない。フリーメーソンとイルミナチは結託している。だが再び、すべてのフリーメーソンズがイルミナチではない。しかし、バージニア州アレキサンドリアのフリーメーソン寺院は、イルミナチの学識と教えのためには、ワシントンD.C.の中心に等しい。社会の中・上位層に関わるすべてのイルミナチは、彼らの成熟した役割のために準備を整えている。彼らは実際には舞台裏での起動および揺さぶり役であるが、1パーセントのエリートでしかない。その最高レベルに達するには、生涯の訓練と信頼が必要である。子どもがその「家族」または「社会」から最初に学ぶことは、「秘密が第一のルール」ということである。
【つづく】
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Modern Esoteric: Beyond Our Senses, by Brad Olsen
http://cccpublishing.com/ModernEsoteric www.bradolsen.com
with permission, (c) Brad Olsen, 2015