ジェラルド・ヘンダーソン著

Gerard Henderson は、オーストラリアの著述家、コラムニスト、政治評論家。

自動車メーカーのフォードとホールデンが、それぞれ2016年と2017年までに、オーストラリアでの生産から撤退するとの表明は、オーストラリアの雇用を、傘下部品メーカーまで含めると、一万名以上も消滅させる恐れがあります。こうした失業問題の急激な深刻化を受けて、労使関係が目下の政治経済的な緊急課題として浮上してきています。以下は、オーストラリアの大手経済紙に掲載された論文で、オーストラリアの労使関係制度とその問題のアウトラインを知るには格好の記事です。ここにその全翻訳を掲載します。翻訳は松崎 元。出所:9 December 2013, Australian Financial Review

オーストラリアの労使関係制度は、西洋世界でもっとも中央集権的なもののひとつである。1901年のオーストラリア連邦設立以来、それはほぼ一貫した特徴となってきた。ただその一世紀の間の労働党政府あるいは自由・国民連合政府の限られた一時期、そうした制度を変革する試みがあった。 詳細記事