「山頂なき登山」

《「人生二周目」独想記》第2号

もうすぐ、海抜五千メート〔注記〕

いまの私にとって何が究極のゴールなのか、ということに思案をめぐらせています。

どうも、ガン宣告を受けたということで、目先がそれに引きずられ過ぎていました。

ガンを含め、病気とは、むろん誰も、望んで体験するものではなく、とにもかくにも、「降ってわいた」と受け止めるしかない「災難」です。

そうした災難に遭遇すれば、ともあれ目先の対処に取り組まざるをえません。

全摘の是非も含めて、この十年間の私の奮闘も、そういう災難対処であったということのようです。

要は、全摘をしようがしまいが、死ぬ人は死ぬし、生きる人は生きている。

五臓を摘出して、それでもしゃんと生きている建築家の安藤忠雄氏が言っています。

「ないなら、ないように生きる」。

私の場合、「あろうが、なかろうが」、その究極のゴールを追求する、ということです。 詳細記事