訳読中のブラッド・オルセン著の本書『「東西融合〈涅槃〉思想」の将来性』に展開されている話は、私のような「逆算のカウントダウン世代」にしてみれば、余りに遠大な理想論です。そしてそれだけに、その内容にも激しい賛否両論のやりとりが予想されます。むろん、著者もその辺は百も承知で、前回の「本書へのイントロ」のように、その黒白の判断は最終的には読者自身で考えてほしいと、ボールを投げ返してきています
ことに、今回の訳読に取り上げた「フリー・エネルギー」の章は、その論点が《誰でもタダで入手できる無尽蔵なエネルギーが実在している》というのですから、それは”超”革命的です。さらに、そうであるだけに、強力な政治力も握る既存エネルギー陣営からの反論も、並大抵のものではすまないでしょう。
そういう次第で、この「遠大な理想論」は、その未来性という観点では、私のような秒読み世代の”冥土への土産”的な関心とされるより、文字通り、将来のある世代のその未来を託した関心とされるべき議論でありましょう。 詳細記事 →
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「もし、こうした新フリー・エネルギーが世界に普及したら、その影響は計り知れないだろう。それは毎日を変え、どこででも使われる。こうした技術は、世界の歴史における、議論の余地のない、もっとも重大な出来事である。」
ブライアン・オレアリー博士
(カリフォルニア大学バークレイ校PhD、NASA宇宙飛行士、プリンストン大学、カルフォルニア工科大学、プリンストン大学補助講師、エネルギー技術革新の専門家)
世界の誰もが、エネルギー確保のために、戦争や紛争に巻き込まれてしまっている。また私たちは、ペース維持のためにエネルギー・バーを食べる。自分でも、エネルギーのハイな時とローな時があり、まわりで接する人にも、エネルギーの良し悪しを感じる。私たちのエネルギー出費、ことにアメリカ社会の運輸部門の会計に、それは大きな負担となっている。我々と中東の国々との紛争――その所有物を得ようとの我々の欲望――は、その大半がエネルギーをめぐってである。そして、以下に述べてゆくように、フリー・エネルギーを導入しようという私たちの探究は、世界の将来をめぐる重大チャレンジとなるであろう。 詳細記事 →