オージー住宅、記録的高価格圏へ

 オーストラリアの住宅価格は、この3月までの一年間で、全国平均10パーセント以上の高騰を見せ、ことにシドニーとメルボルンは、それぞれ15パーセント、11パーセントと、その値上がりを先導しています。またこの間、一人当たり可処分所得の伸びは1.7パーセントにとどまっています。その結果、住宅購入がますます困難となり、統計的に見ても限界域に入りつつあると見られています。

 

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上のグラフは、平均住宅価格を平均可処分家計所得で割った倍数の経年変化を見たものです。

この線が示すように、過去数回にわたって4.5倍に達しながら、それを越えることはありませんでした。それが上記のような住宅価格と可処分所得データにより、今年3月、ふたたび4.5倍に達したと見られています。

同グラフの赤点線は1993年以来の平均倍数の3.7倍、青点線は2000年以来の同数の4.1倍を示しています。

さらに同グラフには、昨年8月、オーストラリアの政策金利が史上最低に引下げられた際に、AFR紙が出した住宅バブルの「警告」の時点が示されています。

 

また、下のグラフは、英語圏五か国(豪、加、NZ、英、米)の2007年を100とした住宅価格の上昇係数の経年比較です。

これによると、この過去一年間10.6パーセントの高騰により、カナダを抜いてトップとなっています。グラフからは、この7年間で25パーセントの上昇が読み取れる一方、英国や米国では、回復傾向が見られるものの、まだ、7年前の水準以下となっています。

 

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          資料出所:29-3o March 2014, Australian Financial Review

 

 

さらに下のグラフは、豪、米、英三国の家計収入に占める負債の割合の経年変化を見たものです。オーストラリアは、最新データによると、同割合は177パーセントに達し、これまでの最高値、2010年の175パーセントを上回りました。これは、住宅価格の高騰により各家計のローンを増大させているためで、近年、三国の中でも突出した高さとなっています。

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          資料出所:4 April 2014, Australian Financial Review

 

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