私的な話題で恐縮ですが、70を越える齢になって、かつて奔走させられた稼ぎとか職業とかと、生存のためのそれこそ無数の物的詳細は、色があせるようにさほど重要には見えなくなり、しだいに関心は、そうした詳細の霧によって見えなくされていた、世界の根本の仕組みといってよいようなものに移ってきています。それを歴史という角度で言えば、千年ほどのスパンでも生き続けているものであり、想念という角度で言えば、広く「神」と呼ばれる最も普遍的な意志めいたものの存在です。 詳細記事

 

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【新版(Second Edition)に基づく】

 

 

歴史再考(その2)

マヤ人の到来

全歴史を通じた最大の謎のひとつが、ある時、啓発された人たちが現れ、そして、千年のうちにその誰もが消滅したことである。西暦3世紀頃、マヤの人々は、グアテマラの蒸し暑いジャングルのトウモロコシ畑の中に、石とモルタルで、高くきらめくピラミッドを築いていた。そのマヤの全盛時代は突然衰弱し、10世紀頃には消滅を始めた。そしてついには、その美しい祭儀の都は、その南部の低地で荒廃し静まりかええった。だが、一世紀も経ないうちに、マヤは、今度はメキシコのユカタン半島の北部に、トルテックと伴に戻ってきた。そこで、全盛期後のルネサンスが1450年まで続いたが、マヤは再度、衰退し、それは永遠に続いている。1527年にスペイン人が到着するまで、マヤのルネサンスの最も美しい建物はすでに放棄されており、荒廃した遺跡となっていた。古代マヤ人は、その全体では、40万平方キロメートル以上に及ぶ領土に居住し、ユカタン、カンペチェ、キンタナ・ロ、タバスコ、チアパスのメキシコの州や、今日のグアテマラ、ベリーズ、そしてエルサルバドルとホンジュラスの一部の国々にわたっていた。 詳細記事