今回の結末に述べられている、「おばあちゃんが食べていなかったものを食べるべきではない」とは、まさに金言です。

おばあちゃんが食べていた野菜――虫食い痕が目立っていた――、あるいは、おばあちゃんが食べていた魚――養殖物では決してなかった――は、買い物や下ごしらえに手間は要したけれど、食べて危険と警戒されるものではありませんでした。 詳細記事

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食品支配と脱出(その2)

 

犯罪的FDAを解体せよ

業界は、この十年あるいはそれ以上にわたり、人々への通知なしに作物および種子の遺伝子設定を変更してきている。米国では、特定の食品の遺伝子操作について、〔その食品容器に〕表示する義務はない。大手化学企業は、世界の食糧供給の源泉を支配する意図をもって、種子会社のほとんどを所有している。彼らは現在「特許」をとって、種子を所有することができている。有機農家は、その自然栽培の作物への、受粉交配による品種――遺伝子レベルに挿入された有害な化学殺虫剤を含みうる――の混入を防ぐことはできない。私たちは、無自覚のモルモットと同然となっている。一部の推定では、食料品店の食品の70パーセントに遺伝子操作作物の成分が入っている。食品医薬品局(FDA)内の科学者たちは、遺伝子操作食品に特有の健康被害について警告しているが、FDAはそうした科学者の助言を無視し、バイオテクノロジー産業――食品システムを中毒させながら「特許暮らし」を探求――の支援を選択している。遺伝子操作作物(GMO)は世界の栄養源にはならない。それはモンサントらの収益にしか役立たない。 詳細記事

【解説】 このいかにもセンセーショナルな題名の作品は、本サイトの読者の一人からいただいた投稿で、表示のように、その著者については、「幸子」以外は不詳です。

この作品を、フィクションなのか、それとも実話なのかと問う詮索は、まったく無意味でしょう。というのは、これほどにリアルな表現は、まさに実話でしかありえない現実味をもっていながら、他方、こうしたストーリー展開は、どこか並な現実を越えた設定の気配も漂います。いずれにせよ、両者が相まって出来上がった本作品は、読んで見出せる通りに、まさに、日本の深部をえぐり出して見せてくれる、近年にない社会派作の逸品となっています。

現代の日本においてなお、天に昇らなければ愛し合えない男女が存在したのであり、また、自殺に追い込まれる子供たちも跡を絶ちません。日本社会がそれほどに深く精神疾患症状を伴っており、そしてそれはなぜなのか。勇敢にもこの著者は、その謎にいどんでいます。

この作品を読み終えた時、「〈チンポ〉=天皇制」との深奥の等式関係を読み抜けるかどうか。この実に明快なメッセージこそ、この作品の真髄でありましょう。

今回掲載するのはその第一章で、以後、計五回にわたり連載してゆきます。

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