カンチェンジュンガ直望トレッキング:フォトレポート編

雪辱の再挑戦

今年(2018年)10月、インド、シッキム州へ、カンチェンジュンガ峰を望むトレッキングに行ってきました。この計画は、昨年の脳負傷によって一時断念したものに、再び挑戦したものです。

このトレッキングのルートは以下の地図の赤点線が示す通りで、最終目的地のゴチャラ峠へ至る、ほぼ同一路往復のコースです。

なお、このトレッキングとその前後の旅程は、別掲載してあり、また、このトレッキングの体験談は、今号に合わせて掲載しています。

シッキム州は、上地図に赤線部で示し、東のブータン、北の中国、そして西のネパールと、三方を隣国に囲まれたインドの中でも特異な山岳州で、州となったのも1975年と新しく、それまではシッキム王国を成していました。その人口もほぼ4分の3がネパール系、4分の1がチベット系です。そのため、人口の多くはモンゴリアンで、日本人にとっては、さほど外国を感じさせない親近感を抱かされます。

今回のトレッキングの山岳ガイドも、祖先はチベットの遊牧民で、それが同州に定住したものといいます。彼の顔も、日本人と紹介されても、少しも違和感をもてない風貌です。

 

 トレッキング初日、車で到達可能な最後の町ヨクサム(標高1785m)を起点に、プレック川を遡ってゆく。上写真は、同川を渡る我がトレッキング隊の5匹の馬列。

 

 今日、遡ってきた谷を振り返る(標高約2500m)。天候はあいにくの下り坂。

 

第一日目のキャンプサイト、ツォカ村(標高2957m)。

 

 二日目の行動は、終日、霧雨の中。上写真はコケむすシャクナゲのトンネルの道。

 キャンプ地ゾングリ(標高4030m)で三日目が開けると、天候は回復、雲間に周囲の山々が見え始めている。

 

やがてすっかりと雲が上がり、カンチェンジュンガ山群が姿を見せ始めた。とうとう、ここまでやってきたとの感激の一瞬。

今日は高度順応のため、ここで停滞。体を休めながら、薄い空気に体を慣らす。

 

 午後、キャンプ地背後の稜線上にある修道僧小屋まで体慣らし。往復一時間足らずだが、呼吸が苦しい。

 

四日目、夜明け前にテントサイト出て、近くのゾングリ・トップ(4130m、

画面標識上の4171m表示は誤りという)へ登る。

 

日の出により照らし出されたカンチェンジュンガ山群。地面は霜でおおわれている。

 

ゾングリ・トップからのパノラマ。今日はこの後、画面右側の谷にいったん下る。

 眼下のプレック川の谷底のコクチュラン(3749m)まで下り、谷の遡行をつづける。

 

プレック川の谷もしだいに細くなってきた。

 

五日目の朝を迎えたタンシン(3939m)のキャンプ地。画面中央の独立峰は前衛峰のパンディム山(6691m)

 

 

パンディム山の頂上付近の望遠画像。今にも崩れ落ちそうな雪壁。この翌夜、テントの中で雪崩のとどろき音を聞く。

 

 キャンプ地タンシンでの豪快なブレックファースト。

 

このオールドファッションな出立ちは、ダウンジャケット、シャツ、ズボン(写真では着ていないがセーターも)すべて、40年以上昔に日本の山道具屋――中野北口と新宿西口になじみの店があった――で調達したもの。高比率のダウンやウールの製品で、今でもこうして使えている。

 

最高地点のキャンプ地ラムネ―(4298m)。ここをベースに、翌未明、ゴチャラ峠をめざした最終行動に入る。谷の突き当たりには、氷河の残したモレーン丘が見える。

 

六日目、午前2時半にキャンプ地を出発、闇の中をあえぎながら、ひたすら登りつづける。やがて、白みはじめた空に、朝日に照らし出されたカンチェンジュンガ山が見えはじめた。

 

ゴチャラ峠(4950m)に到着。一気に展望が開ける。零下10度の岩と氷の世界。

 

これが目指してきたカンチェンジュンガ山の8598m最高峰。峠とピーク群との高度差は3500m余り。見上げるその高度感には思わず息を飲まされる。ほぼ富士山丸々が眼前に一気にそびえ立っているに等しいのだ。

 

カンチェンジュンガとは、チベット語で「偉大な雪の5つの宝庫」の意味で、五つのピークをそなえている。右から主峰(8598m)、中央峰(8482m)、南峰(8476m)の三峰。

 

峠よりの眺望の動画(息のはずみ音も入ってます)。

 

私と相棒のエイブの記念ショット。朝日部と日陰部のコントラストが強すぎる。

 

山岳ガイドのカイシン(右端)と、その助手のジテン(左端)と伴に。

 

 本トレッキング隊の全メンバー。ガイド、ガイド助手2人、コック、それにホースマンの五人チームが私たちを支えてくれた。

 

下界へと戻る山路には、感謝とともに、どこかさみしさが漂う。

 


 

なお、今回世話になった現地トレッキング・エージェントを紹介しておきます。

 

Mountain Tours and Treks

(for specialized treks, tours  and mountaineering expedition)

 Managing Director (Mingma-T-Sherpa)

 YUKSOM, WEST SIKKIM – 737113

 P.O. – Yuksom, Dist. Gayzing

 e-mail: Sikkim.mtt@gmail.com

 maxsherpa2004@yahoo.co.in

 http://www.sherpatrecks.in.

 www.trekkinginsikkims.com

 Tel/Fax – 03595-241248, Mob: +91 9679225707, +91 9641352656, +91 9593296657

 

今回の8日間のトレッキングのチャーター料金は、2人分合計で1200米ドル。これには、ガイド1人、助手兼ポーター2人、コック1人、ホースマン1人(馬5匹)、全食事、寝袋を含む野営装備一切を含む。ただし、トレッキング行程前後の現地泊ホテル、往復の国際・インド国内航空運賃は含まず。

 

 

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