スターウォーズの“実来”

両生 “絵のない漫画” ストーリー <第2話>

ハリウッド・フィルムではないが、それに負けじと劣らないリアル・ストーリーがある。ただ、それがまだ真実でないのは、今の段階ではひとつの予言であるからだ。

【「両生空間」200号を記念して】

覇権力の陰りの著しいアメリカが、威勢の巻き返しをねらって、次の“超”頂上作戦を準備している。

ただし、それに準ずる作戦はすでにいく度も実施済みで、それでも世界の度肝を抜かせてきた。直近では、2001年の「9・11」であった。その前では「湾岸戦争」。さらにその前では「ベトナム戦争」、そして「キューバ危機」、はてまた「真珠湾」・・・。

つまり次の“スパー”頂上作戦とは、これらの諸戦争にならぶどころか、それらからの次元を脱した究極の“やらせ”作戦、すなわちウルトラ・スーパー・グレードの「偽国旗」作戦、むろんこの場合、偽“星”旗作戦である。

2001年9月11日、そのようにして口火を切った「テロとの戦争」は、燎原の火のごとく世界に広がり、いまやアジアに飛び火するまでもなって、その戦略的狙いはみごとに達成されている。そして戦争ビジネスは、もはやどこでも大繁盛なのだ。

しかもその火の手は、単に戦火としての火の手ばかりでない。その戦禍に巻き込まれた人々が、祖国を捨て、百万人規模の難民となって移動しはじめ、ホスト国をはじめ、既存の国家間秩序を揺るがしはじめている。こうした事態はことにヨーロッパにおいて深刻で、ヨーロッパ連合の土台をも揺るがし始めている。つまり、ライバルであるその仕掛け国にしてみれば、思う壺の結果なのだ。

アメリカが好敵手と意識する一国のドイツは、国家的団結のために寛大な受け入れ政策を打ち出しているのだが、ヒューマニズムの涵養と経済拡大効果を生む前に、その足元で眠っていたナショナリズムに火をつけ、深い国家的亀裂を生み出しかねない情勢となっている。

フランスでも、極右政党が移民排斥を旗印に、人気を拡大している。

またそのアメリカ自身も、もはや毒々しいほどの人種差別政策を標ぼうする「不動産王」大統領候補が、先頭のポピュラリティーを獲得している。

さらに、こうした軍事面に終わらず経済面においても、通貨の量的緩和、つまりQE作戦として別次元の戦火が放たれている。つまり、常軌を逸した膨大なボリュームの名目の通貨を発効して見かけの経済規模を肥大させ、あたかも経済が成長しているかのごときマジックを演じた、ファイナンス界のハリウッド式興業そのものである。

日本でもその中央銀行は、その片棒をかつがされて、「バズーカ砲」などと自ら呼んで、きわどい票決ながら、その軍事的センスをあらわにしている。

かくして世界経済の数字上の規模は実態経済の何倍にも膨れ上がり、もはや実態の裏付けもバランスも持たぬ経済の架空部分は、経済を得体の知れぬ怪物同様に変貌させ、いまや世界を、既成の国際管理制度の力も及ばない危険水域に迷い込ませつつある。

こう意図的に作り出された、あるいはそういう結果をまねくべくしてまねいてしまった、制御のきかないケイオティックな状態がこの惑星の“全球”をおおってしまっている。そしてそれは、かっての諸戦争が、自国民の関心を外にそらす便法として着手されたように、もはや全球的な混乱であるがゆえに、その外へと地球人の関心を向ける必要があるのだ。

そのようにして準備されているのが、地球外からの脅威、《スターウォーズ》である。

むろんそれは極秘中の極秘とされているが、アメリカはすでに「宇宙戦争艦隊」を設立済みであり、それらの宇宙戦争の各戦艦には、当然、各々の名前が付けられている。それは地球上の戦艦名が「USS○△」――United States Ship ○△――と命名されているのに対し、「USSS○△」と三つ目のSを付して命名されている。むろんこのSとは、Space の意に他ならない。

そして、そうした宇宙艦隊の基地はどこにあるのかといえば、米国本土の砂漠地帯、あるいは、南極大陸の地下深くにあって、スパイ衛星による探知もとどかない。

今後、世界の経済がますます混迷を深め、いよいよにっちもさっちも行かなくなった時、全地球人を一丸とし、再々度、米国の覇権ヘゲモニーを構築するために、まずは本物の宇宙戦争ではなく、やらせの宇宙戦争として、そうした秘密の宇宙戦艦を投じた、偽の宇宙人の攻撃がおこされようとしている。

ちなみに、地球までやってこれる本物の宇宙人とは、それほどの技術を開発しえる知性が同時にはぐくんで、どうやら本質的に平和・友好的で、自らおこす戦争なぞ発想しえない文明の主のようである。

9・11の際、崩れゆく二本のタワーのニュース映像をみて、世界の誰しもが思ったのは、まるで映画をみているようだ、との印象だった。

こうして、そうした宇宙戦艦によって攻撃される映像を再び見さされた私たちは、またしても、今度はおなじ「テロリスト」でも「宇宙テロリスト」との《やらせ戦争》にかりだされるのである。

かくして、今日の戦争にいわゆる「徴兵制」の適用は不必要で、こうした情報操作の極限を駆使して、事実上の皆民徴兵制が洗脳を梃子に実施されるのだ。

 

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