この「越界-両生学」という枠組みを設定して、その「第一本編」とやらを昨年の7月に書きました。それがほぼ一年余りの潜伏期をへて、いよいよ、動きを開始しそうです。そして、この新たな気配は、私の70歳の誕生日の二週間後にやってきて、どうやら、この先10年間の新たな十年紀のメインテーマの一つになりそうです。
その新たな気配とは、別掲のように、訳読作業の必要から出てきた新語「霊理」にかかわっています。
そして、それをもし、学問つまり科学に格上げしてゆこうとすると、それは「霊理学」といった名称ともなりそうです。そして、この「越界」というアプローチから定義づければ、人間にまつわる、いわゆる「死」を境に、その前の期間の身体については生物学、その非身体的分野については心理学が扱うとすれば、その後の期間においては、生物学はもう生命が終了して不適用となり、心理学も、身体と結びついた心の作用の研究であり、それも身体が無くなればやはり不適用となるでしょう。そして、人間にまつわる心の世界の内、心理学として身体存在と対になっていた部分は「生前」のためのものであり、「死後」の部分をあつかうのがこの「霊理学」ということとなります。つまり、人間-生命=霊理という数式になりましょう。
また、宇宙物理学のアプローチで見れば、地球上の3次元の空間と時間を合わせた「時空」次元での人間は、生物学や心理学で扱いますが、時空を超えた高次元での人間については、いまのところ、この霊理学が一手に引き受けることとなりそうです。そこでは、俗に「超自然現象」として捉えられていた諸事項のうち人間に絡んだものはすべてここに含まれることとなるでしょう。そして、タイムトラベルやテレパシーは、霊理学の主要な細目の一つとなるはずで、その進展に応じ、前者は「脱時霊理学」、後者は「霊理交信学」とでも称されるようになるのではないでしょうか。そしておそらく、今日、「ワープ」と呼ばれる宇宙の「歪み」を通じた“タイムスリップ”、すなわち“次元間短絡現象”は、「霊理物理学」とでも認識される、一見、字義矛盾をきたすような、学問の根本的新次元をもたらすのではないでしょうか。
またこれを、量子力学、つまり素粒子研究の最先端のアプローチで言えば、物質の無限小の世界の研究が、宇宙の無限大の世界の研究と背中合わせとなって、宇宙の高次元世界を理解する突破口となってきています。そうした、あたかも、“無限小=無限大”とでも表現できそうな異次元間事象は、霊理が霊理たりうる、その意味や働きの根拠を示しているかとも受け止められます
要するに、霊理とは、狭義では、私たちという人間から地球環境由来部を取り除いた領域であり、広義では、宇宙の96パーセントを占めるという、暗黒物質やエネルギーに通じる世界ではないかと考えられます。