真実ほど秘密にされる

〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その57)

イルミナチとかフリーメーソンと聞くと、それは、作り話ではないにせよ、一体、どこまでが本当で、どこまでがあやしい話なのか、常識に従うなら、「触らぬ神に祟りなし」とでもしておくのが無難なテーマです。

一方、西洋世界において、それはまさにリアルの話として、金融機関がどのように始まり、どういう経路をへて今日のレベルまでに発展してきたのか、それはまさか「触らぬ神に祟りなし」扱いにできる話ではなく、油断のならないシビアな世界であるだけに、正確につかんでおきたいテーマです。

こうした幻のような世界と、現実そのものの世界とが、実は、歴史をさかのぼれば、その原初を同じくしていたと聞けば、一見、確かに意外な話ではあるのですが、またある意味では、なんともすとんと納得できてしまうような話です。そして、世界の歴史の最も奥義に触れる要所のうちの要所とはそういうことであったのかと、俄然、興味を掻き立てられる話となります。

どうやら世界の歴史の核心は、こうした両面にまたがる、《真実であるものほど秘密にされている》という、まさに教科書的記述の真逆にあるようです。

 

3回にわたった「歴史再考」の本章は、いよいよ、そうした核心に言及して、今回で完結します。

ではその最終回にご案内いたします。

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