80でも健康でいたいなら、50までに始めよ

オールディー発達学」海外文献

老人学=資料編=

80歳代の医者で長距離サイクリストであるノーマン・ラザロ博士は、元気な高齢をおくるには3つの必須要素があると言う。 しかも、それは、かなり前より始められなければならないと。

Hans van Leeuwen 

Australian Financial Review, ヨーロッパ特派員

 

 9 October 2020

 

30年前、54歳の医学者であり、英国の保健官僚であるノーマン・ラザロ(Norman Lazarus)は、スイスでの休暇中、妻と一緒に素敵なディナーを始めようとしていた。だが、 ナプキンを膝の上に置くと、ベルトの上に腹のぜい肉がはみ出しているのが見えた。

 

ウェイターはスープを運んできたが、ラザロはスプーンを置き、ナプキンをテーブルに戻した。 手遅れになる前に、健康になることを真剣に考える時が来たのだった。

 

今日では、ラザロはきらきらと目を輝かせる、元気で、健康志向の、病気知らずの84歳だ。 彼は長距離サイクリストであり、最近本を出版し、現在もロンドンのキングスカレッジで健康的な老化の秘訣を解明するために働いている。 彼の健康の旅に加わった彼の妻、ジューンは87歳で、加齢に伴う病気すらない。

 

ラザロは彼の医療ノウハウを展開して、運動の「三位一体」を開発した。これは、中年期に開始された場合、心血管疾患、脳卒中前高血圧など、20程度の回避可能な年齢病――高血圧、2型糖尿病、認知症、非アルコール性肝疾患、末梢動脈疾患、および特定の種類の癌など――を防ぐための確実な対策を提供する。

 

「40〜45歳の人が、今、三位一体を取り入れてない場合、少なくとも3つの病気に苦しむことになります」と彼は言う。 「それは、あなたが生きようとしているそれらの余命は、医者の診断、おびただしい薬品、そしてあなたの周りの人々に頼ることに費やされることを意味します。」

 

「45歳の親をもつ素敵な子供たちは、年老いた両親のことを心配することに多くの時間を費やさなければならないでしょう。しかし、それは避けられることです。」

 

彼の著書「TheLazarus Strategy:How to Age Well and Wisely(Hachette Australia)」は、読みやすく、熱意がこもっている。さっそく始めましょう。あなた自身のためだけでなく、私たちの社会の問題ある健康システムと高齢化する人口のために。

 

彼は提唱者であるだけでなく、モルモットにもなった。 彼と彼のサイクリングクラブの他の高齢者の試験は、30年若いの運動していない人々と同等の心血管機能を示しており、彼らの免疫システムは依然として高く機能している。

 

老化と減速は避けられない、と彼は言うが、病気と虚弱は避けうる。 そして、本誌週末版の読者の利益のために、彼は金融的な思考法を提供する。

 

「金融用語で言えば、これは、弱気市場の中での資産管理だと思います」と彼は言う。

 

「あなたが何をするにしても、あなたの生理学的資産はゼロになります。 そこであなたが決定しなければならないことは、あなたが自分自身をどのように管理するのか、そして、数十年を経た後、欠損した資産を最大限に活用するために使用できる原則は何かを確かめることです。」

 

答えに特に驚かないでください。 それは、少なく、賢く食べる。 もっとそして定期的に運動する。 そして、自分のメンタルヘルスに注意を払うこと。

 

「あなたが必要なものを特定し始めると、あなた自身はその必要がいかにも単純でありながら、それを実施することがどれほど複雑であるかに驚くでしょう」と彼は言う。

 

スナックを止めよ

その複雑さは、矛盾し、混乱し、十分に立証されていない夥しいアドバイスがあることに起因する。 過度の「合併症」が本当の問題である、と彼は言い、だから、最初にすることは、あなたのすべてのダイエット本を捨てることである。

 

「30年の研究から、あるいは1950年代にさかのぼってさえ、良い栄養の原則が定められていることは明らかです」と彼は助言する。 「進んだ栄養法についての論文で、私たちが以前に知っていたこと以上のものを述べたものは何もありません。」

 

「キノア〔健康食品とされる食物〕を食べると、これは魔法の新しい食べ物であり、これらの魔法の食べ物は免疫システムを高揚させる」というメッセージが出てきます。これは誤りです。 あなたが本当にしなければならないのは、あなたの年齢と性別に合った正しいカロリー数を食べることだけです。」

 

最終的には、タンパク質、炭水化物などの食品を適切に組み合わせて摂取する必要がある。 しかし、それは後で取り組んでも十分です。 最初にすることは、スナックと砂糖を止めるだけです。 彼は、なぜ人々が映画館でポップコーンを食べたり、テレビの前でチップスを食べたりするのかと困惑する。あなたはじっと座っているのに、なぜお腹が空いたのでしょうか。

 

彼は別の提案をしています。自分の体重を測らないでください。特にコップ一杯の水でも体重に影響を与える可能性があるため、失望と落胆だけが生じます。 彼の場合、彼は腰のサイズによって進行状況を監視し、次に安定性を監視しました。 彼は自分のサイズの81cmのウエストのパンツに戻ってそこにとどまることができたら、大丈夫でした。

 

最終的には、カロリーを数える必要すらありません、と彼は言います。 「あなたが私のようで、30年間体重を監視しているとしたら、しばらくすると体重を感じるようになります。説明するのは難しいですが。」

 

戸外に出よう

「三位一体」の2番目の要素は運動です。 ラザロを追って、真夜中の壮大なサイクリング旅行に行く必要はありません。 ウルトラフィットであることは、実際にはあなたの健康レベルにほとんど影響を与えません、と彼は言います。 必要なのは、病気にかかりにくいように心臓と筋肉の機能を改善する「セットポイント」まで、無計画ではなく定期的に運動することです。

 

しかし、その値はどこにあるのか。 「心拍数が最大値の約60〜70パーセントで動作していることを確認する必要があります。 最大心拍数を計算するのは簡単です。220から年齢を引いた後、その60%で運動することです。」

 

彼は自書の中で医師的ではありませんが、週に約3日、各約1時間、そのレベルに到達することを行うべきだと言う。 それに、いくつかの(軽量の)レジスタンストレーニングを加える。

 

「きっとそうなると断言できますが、たとえば6か月間も繰り返して運動をしていると、突然ある感じ――その説明は難しいのですが――がして、自分が正しい場所にいると感じるでしょう」と彼は言う。

 

「階段を1段おきに駆け上がりたいとか、バスに乗るのに走ったり、庭で物を運んだりしたい場合は、そうしましょう。」

 

そして、栄養学と同様に、彼はプロのヒントを持っています。すなわち、「他の二つに加えて、これは絶対に重要です。それは、あなたがそれを楽しむ必要があることです。」

 

50歳になると、体調を整える感覚を味わうことができるようになります、と彼は言う。 「しかし、75または80では、少し少ないことができるという感覚を受け入れる必要があります。 失ったものを悔やむのではなく、楽しむことを続けてください。」

 

「急な丘を登っている時、私は内緒で、〔走らずに〕時々歩くかもしれません。しかし、大事なことは、そこで私は振り向いて、景色に見とれるということです。私はそうして『私はこの丘を歩いているが、おお、なんて美しい風景なのだろう』と感じることなのです。」

 

私たちは意識について話す時間に枯渇しているが、彼は「三位一体」のこの3番目の要素については、あまり医師的ではない。 基本的に、メンタルヘルスとフィジカルヘルスは密接に関連し合っており、どちらの方向にでもフィードバックできる。

 

その〔医師的である〕代わりにラザロは、これが彼だけに係わるものではないことを再強調したいと欲している。「人口の80%が座りがちで太りすぎであるため、その人口の大部分は薬と医師のサポートを必要としています」と彼は言う。

 

「それを担当するまさにその人〔医師〕たちこそ、問題をおこしているまさしくその人々である--彼らが、自分たち自身が現在、果たすべき模範をその人〔患者〕たちに本当に提供するべきである、という事実を認識するようにならない限り。」

 

関連記事

Bookmark the permalink.