「東西融合」ここに於いても

医学への懐疑をめぐって

訳読コメント(その10)

今号の「内生物圏」とのタイトルの訳読記事では、生物、ことに私たち人間の「内部圏」という考えを中心として展開されている。そしてそれは、西洋医学の理論的主柱をなしてきた病気の「細菌原因説」に代え、生体内部環境の悪化がその原因であるとし、加えて、前者は長く医学界を歪めてきたと論じるものである。

そこでだが、訳読しているこの『エソテリック』三部作は、その著者がアメリカ人であって、その西洋世界自身を自ら解剖する著作である。そこで私などの東洋人にしてみれば、あたかも“敵地”の内部情報が手に入るかの意味をも伴って、大いに関心を呼び起こされてきている。

そうした、他では見られない一セットの貴重な見解の中での、この「内部圏」という視点である。それはまるで、東洋医学に伝統的に根付いてきている、「経絡」やら「氣」という考えのまるで西洋版ではないかと、私なぞには解釈されるのである。

そして、日本の今日の西洋医学体系中心の医学実践に接してその弊害や限界を実感させられてきた私の体験を、その西洋世界自身から代弁してくれているようにさえも受け止められる。

そこでまさしく、いよいよここでも、東西は融合し始めていると、あらためて注視させられるものとなっている。

 

本訳読はさらに、現代西洋医学についての根本的な疑問が、詳しい諸学説を上げることで、詳細に述べられている。

ことに、現在問題の新型コロナのエピデミックにおいて、そのワクチン接種についての懐疑に関し、それが日本でも事実上の強制となっているだけに、一読されるに足る情報となっている。なかでも「ワクチンは逆効果」のセクションは、その賛否はともあれ、読まれてしかるべきくだりである。

では、「内生物圏」の章へご案内いたします。

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