今回の訳読は、「教科書的」と受け止められそうな議論です。ただし「教科書的」とは、初歩的とか入門的との意味においてではなく、それほどにも原則的で正鵠を射ており、誰にも共有されるべき議論であるという意味においてです。 詳細記事
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1964年8月30日の国連報告はこう告げていた。「世界の人口は急増している。そして世界の人口は増えているだけでなく、その増加率も加速し、年間の増加率は2.1パーセントに達している」。1962年半ばで、世界の人口は31億人であった。それ以来、毎年、フランスの人口を上回る6300万人が増加している。また、人口の爆発は発展途上国で顕著である。ヨーロッパの増加率は0.9パーセント、北アメリカのそれは1.6パーセントに対し、発展途上国のそれは、3から5パーセントにものぼる。そして、世界の人口の少なくとも20パーセントは、一つの国――共産国中国――に住んでいる。
50年以上前にたてられたこうした予測は、おおむね今日も続いており、人間がもたらすインパクトは遥かに大きなものとなっている。今日に生きる人々は、かつて見たことのない規模の増加を体験している。世界の人口は、1959年に30億人に達し、2050年には90億人をこえると予想される。人口爆発の過去をたどれば、1957年、33年間かかって世界の人口が二倍になり、それが次の28年間でさらに二倍となり、そしてさらに次の24年間でまた倍増した。2011年10月、世界の人口は公式に70億人に達し、この人口は、それを維持するには、少なくとも5つの惑星を必要とするほどのもので、適正な収容能力の14倍にもなっている。車に張られたあるステッカーはこう告げている。「もっとも環境に良い行動とは、子供を産まないことだ」。 詳細記事