【再度改題】本年初め、「両生“ジャンク”ストーリー」として発足したこの連載を、先月、「両生“絵のない漫画”ストーリー」と改め、今回、それをさらに「両生“META-MANGA”ストーリー」と再改題いたしました。

アルデバラン星系の惑星「フィラース」の主要メディアの報道によると、太陽系の地球という惑星のある大国で、じつに奇態な大統領選が行われるようになってしまったと、フィラーシアンによる、どこか自戒めいた関心を呼んでいる。

 

この国は、この惑星にこれまでに存在した最大の覇権国であり、その全世界に巨大な影響をおよぼしてきた。そしてその国の国是は《デモクラシー》とよばれる政治制度で、その国は国民の総意が所有し、国民のために国が存在、機能するというものである。ただし、この建前が文字通りの建前となってきているところが曲者であり、その成り行きが注目されているのである。

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私は、いわゆる大手新聞記事では報道されない、よりつっこんだ情報を得る方法のひとつとして、『田中宇の国際ニュース解説』(http://tanakanews.com/)を頻繁に参考にしています。そういう彼の分析の、ことに米国情勢の分析に頻繁に使用される「隠れ○△」という特徴的用語があります。それは、表面には表れない隠然たる勢力のことを指し、米国政治内の「暗闘」という用語とも対応するものです。

ただ、そういう彼の分析の「隠れ」とか「暗闘」とかという取り上げ方に、私はどこか分析の甘さのようなものを感じ、それに対し、本訳読で読める「秘密エリート」という用語で指し示す、米国政府内の極秘政府という見方に、より的確な分析を見出しています。いわば前者は、探究プロセスの手がかりとしての途上用語ではあるでしょうが、分析結果をあらわす用語にしては生煮えです。むろん、片や日本人、他方はアメリカ人という、拠って立つナショナリティの違いは勘定に入れるべきですが。 詳細記事

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アルカイダという幻集団

冷戦が終焉すると、そうした秘密集団は、冷戦に代わる新たな国家的脅威が必要であることに気付いた。そこで彼らは、超過激な集団を組織することを策謀し、それを「テロとの戦争」へと発展させる標的と定めた。CIAは、ここにふたたび、無法なテロリスト戦略にたける特殊な熟達工作組織として採用されることとなった。ネオコン・シンクタンクのひとつ「アメリカ新世紀プロジェクト」 (Project for the New American Century)〔1997年設立、21世紀への米国の覇権戦略を構想 〕は、世界にとっての全面的脅威をもたらしかねない文書を公表した。それは、社会の常識を、無脅威状態から世界的有脅威状態へと変えること(それを「トランスフォーメーション」と呼ぶ)の必要を述べたものであった。そしてその立案者は、そうした変化を現実のものとするためには相当の期間を要することを認識していた。曰く「そうしたトランスフォーメーションは、革命的変化をもたらすものとはいえ、真珠湾の再来といった、壊滅的で天地をひっくり返す出来事でもない限り、長期を要するのが通例である」。 詳細記事