今日、日々刻々と深刻度をます高齢化社会にあって、まして自らがその当事者であるならなおさら、出来るなら「アンチエイジング」したいというのも正直なところです。それに確かに、その可能性がないわけでもないようです。しかし、私はそうした傾向を、決して見下す積もりではありませんが、それがもし人の自然な移り変わりに逆らう営みであるのなら、「アンチ」ではなく、進んでそれを受け入れる方向を探りたいと思っています。

すなわち、エイジングという生命の自然なサイクルにおける“秋季”現象について、私はさほどネガティブには考えられません。先に《「し」という通過点》という見解を表したのも、この秋季現象は、この世界への誕生と同様に、誰にも与えられる《別界への誕生》として、むしろ歓迎され、祝福すらされてもよいことではないかと考えるからです。

そこで、こうした《再・誕生》の発想に立って、今回より新たなシリーズを開始し、過去十数年にわたって取り組んできている「両生学」の新たな発展の場にしたいと構想しています。そして、この新たなシリーズのタイトルを「パラダイム変化:霊性から非局所性へ」とし、これまで使ってきた「霊性」という言葉に代わり、「非局所性」という言葉をつうじて――少なくとも自分の世界観、生死観の――パラダイムを変えたいと考えています。 詳細記事

死とは何であり死後へも意識は存続するのか。こうした難題についての100年以上にわたる探究で、エビデンスを探すいっそう精緻な方法が見出されつつある。多くのインタビューと広範な文献に基づき、ランス・バトラー(フランス、ポー大学文学部教授)は、科学と共に超然的経験に立った新たな見解を概説している。

Lance St John Butler(Professor of British Literature in the University of Pau)学会雑誌『The Scientific & Medical Network [Winter 2010]』より】

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