手元に一冊の本があります。これが、索引も入れると千ページにもなる大冊で、しかも数学の専門書とくれば、誰もが敬遠すること疑いなしの本です。ところがです、その題名が『虚数の情緒』(吉田武著、東海大学出版部)と、この種の本にしては異色で、それがなんと私が抱いてきた勘どころをズバリと突いているのです(その副題も歳に似つかぬ勇気を奮い立たせてくれます)。そこで飛びつくようにさっそく取り寄せ、この数ヶ月、その大書と格闘してきています。

その結果は、うれしいことに私の勘は図星だったことが判り、まさに「虚数」は、地球言語から脱出して宇宙言語を紐解いてゆくための鍵――まさに現代の最先端科学知識――であることを発見しつつあります。まるで、宇宙旅行への切符を入手したかのごとき感激です。 詳細記事