これまでの6回にわたり、「非局所性」を起点に、仏教思想と量子理論との間の架橋をめざして、私たちの思考のパラダイム変化に役立てうる手掛かりを探ってきました。ことに、「場」の概念は、その気配の濃厚なものとして注目してきました。

そこで、本連載の最終回として、あらためてその「場」の概念を点検するのですが、率直に言って、量子物理学で言う「場」と、本稿が述べてきた「場」の間には、まだまだ大きな隔たりがあります。むろんそれは当然と言えばその通りで、私のいう「場」とは、それくらい異端な発想ではあります。しかし、その物理学の世界にはそれ自体で、「場」について、少なくとも狭義と広義の二義性があることは指摘できます。つまり、「場」とは、まだまだそのようによく煮込まれていない――故に大いに興味を引かれる――新鮮な分野であることは確かで、今回はその二義性に焦点をあて、本連載の最終回といたします。 詳細記事

この9月末から10月初めにかけて訪れた、フンザ渓谷レポートの続編です(前編へ)。

フンザ渓谷の中心地カリマバード【下記地図上黄番号(2)付近】に到着後、さっそく、町を探索しました。町は、フンザ川が作る深い谷の北岸(右岸)にあり、海抜千7百メートル前後の山麓にあります。相当な涼しさを予想していたのですが、町は南向きの斜面に広がっていて、日当たりがよく乾燥していて、その分、輻射熱で日中の気温は30度を上回ります。周囲の7千メートルを越える氷雪に覆われた山々の光景とその真夏のような暑さは、マッチしにくい何とも不思議な取り合わせです。 詳細記事