いま読書中と日本の若い友人が知らせてきた本――『ユダヤ人大富豪の教え』――を読んでみた。
フィクションとして読んでも怖ろしく良くできたこのストーリーは、多少の脚色は加えてあるようだが、著者の実体験をつづった実話というところが味噌だ。
つまりこの本は、そのユダヤ人大富豪との偶然としても幸運すぎるような出会いに加え、その大富豪の語る奥深い教えを、15年の反すうを経て、世に伝えようとしたものである。
一般に、どんな体験であろうと、それを引き寄せられたのはその人の能力のたまものだし、さらに、そうした体験を、きちっとまとめる能力もなければ、それが出版の日の目を見るまでには至らない。
そうした関門をくぐってきた本書は、ナチの迫害から逃れたそのユダヤ人老富豪が、これぞと白羽の矢を立てた日本の青年に、一カ月間、自分の豪邸に客人として招いて一対一で授けた人生の奥義書である。
それが、比肩を見ない値打ちものでないわけがない。 詳細記事