アンナプルナ・トレッキングは、行程を一日早め、10月21日、無事、ポカラの町に帰ってきました。そのレポートは多岐に渡りそうなのですが、それを二テーマに絞り、三回にわたって掲載します。今回はその全行程を、写真でまとめたものの前半です。運よく、全行程、好天に恵まれ、まさしく、写真撮影には絶好の機会でもありました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 一般にアンナプルナ・サーキット(日本語にすれば「アンナプルナ円環山群回廊」とでもなりますか)と称されるネパール中西部の山域には、二重の円環を描く海抜7,8千メートルの山脈群があります。それらを巡るいくつかのトレッキングルートが開かれており、世界中からの登山客を魅了しています。 今回私たちが挑戦したのは、その中央部、お椀状に7、8千メートル級の峰々に囲まれたアンナプルナ・ベース・キャンプ(ABC)までを往復する11日間の行程です。 その峰々とは、地図上を時計回りに、アンナプルナ南峰(7217m)、ファング(7647m)、アンナプルナI峰(8091m)、ガンガプルナ(7454m)、アンナプルナIII峰(7555m)、フィシュテイル(6993mと6997m)などなどです。これらの峰々が連なった壮大なお椀状の山群の底に、目指すABCが位置しています。その標高は4200メートル。そこまで、するどく刻まれた峡谷を分け入る山行です。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ |
【第1日】ポカラからユレリ(Ulleri 1969m)へ
車で約2時間、入山口のビレタンチ(Birethanti 1025m)へ。ここにチェックポイントがあり、許可証を提示し、歩き始める。川沿いの林道を2時間、昼食後、川を渡り、尾根までの急登。体がまだ慣れていないところに、天まで伸びるような階段が続き、体は完全に限界状態に。
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この日、思わぬ災難が発生。この三年、コロナのために使っていなかった山靴、そのスポンジ部が硬化してしまっていたのに気付かずにいました。それが、歩き始めるやボロボロとなって露呈し、さすがのビブラムソールも剥がれはじめたのでした。念のためと持参の紐で応急処置はして歩き続けるものの、やがてその剥がれは靴底全部に広がってゆきました。一日目は、紐で三か所を結わいてしのぎ、二日目の宿で釘を入手して、なんとかそれで修繕したのでした。カトマンズからポカラへの悪路を行くバス中でこうむったぎっくり腰に加えて、この二重のハンディを負っての切り出しです。
【第2日】ユレリ(Ulleri 1969m)からゴレパニ(Ghorepani 2860m)へ
この日は、いきなりの300メートルほどの急登があったものの、その後は、いくつかの起伏をこえて、全日で900メートルの上昇。
【第3日】ゴレパニ(Ghorepani 2860m)からタダパニ(Tadapani 2630m)へ
よく朝、食事前のまだ暗いうちに出発、近くのプーンヒル(Poon Hill 3193m)頂上を往復。上記の「お椀」を外側から夜明けとともに遠望。
全般に、このトレッキングコースは道中の登り下りが半端ではありません。この日も、起点と終点では200メートルの下りと見えますが、この夜明けの高度差500メートルのプーンヒル登頂の往復や、途中の3180メートルのピーク越えなど、登り下りの繰り返しがきつい。
【第4日】タダパニ(Tadapani 2630m)からチョムロン(Chhomrong 2170m)へ
起点から終点だけで見ると500メートルの下降です。しかし実際は、いったんタダパニの尾根から標高1800メートル谷底へと急な階段を下降し、それから2170メートルまでの登り直し。
【第5日】チョムロン(Chhomrong 2170m)からドブハン(Dobhan 2600m)へ
深い樹林帯を行く500メートルの登りで、あい変わらすの起伏を伴う。
【第6日】ドブハン(Dobhan 2600m)からデウラリ(Deurali 3200m)へ
この日の行程は、比較的起伏のない600メートルの登りのみ。半日でこなして、あと半日は高度順応で過ごす。
【後半へつづく】