聖なる幾何学(その2)

〈訳読‐2b〉現代の「東西融合〈涅槃〉思想」(その34)

 

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聖なる幾何学(その2)

 

 

光と完全調和する432ヘルツ音

古代ギリシャ人が強調したように、音や音楽は振動で構成されている。 それは単純には、毎秒の振動が多くなるほど、音質は高くなることを示している。振動を表す単位はヘルツ(略称Hz)である。「432 Hz」は自然音響の原理をなす振動で、宇宙の自然な「主音」である。周波数の432 Hzは、黄金比原理であるフィボナッチのファイ(Φ)比率を表し、光、時間、空間、物質、重力および磁気の特性を、生物学、DNAコード、さらには私たちの意識とも、一体に結び付けることが知られている。過去100年間、私たちの音楽はA-440Hzに再調律され、余分な8Hzが追加され、完全な周波数である432Hzから、微妙なな歪みが生じている。

注目に値するのは、地球の中心から大気の平均高さまでの距離が、4320アーク分〔1アーク分=角度1度の1/60〕の数値で表せること〔訳注〕で、これは比率を保って432――音階の6番目のA音の振動数――に縮小することができる。黄金中庸性は、遠方の太陽系や数々の銀河から、私たちの細胞分子構造やDNAに至るまで、あらゆるところに見い出される。音楽が440Hzではなく432Hzにチューニングされると、それは私たちの身体、心、感情と精神に深い影響を与える。なお、432Hzと440Hzの2種の音階については、後章で詳述する。

〔訳注〕4320アーク分とは72度のことで、全周360度の1/5である。全周囲は2πrつまり約6.28rなので、その1/5とは1.256となって、大気の平均厚さが地球半径の訳1/4ということとなり、r=6378kmなので約1600㎞となる。これは大気圏といっても外端部である。

 

聖なる幾何学的デザイン

古代の人々は、聖なる幾何学の体験は、魂の教育に不可欠であると考えた。彼らは、これらのパターンと数値が、自らの内的世界や微妙な気付きに象徴的関係をもっていることを知っていた。彼らにとって、「聖なるもの」とは、意識にかかわる特異な意義と、気付きに際しての深い謎をもつものであった。そして何千年もの間、聖なる幾何学は普遍的秩序を説明する手段として使われてきた。数字の関係を通じて生まれる原型的パターンは、medicine wheels、マンダラ、モザイク、織りもの、陶器、建築、ステンドグラスの窓、その他多くの事例をもって世界中で見られる。そのハーモニックな経路をたどることにより、複雑で絶妙なパターンが出現し、深い秩序が明らかとなる。意識的にも無意識的にも、私たちはこれらの形や模様を美しいものとして認識する。さまざまな形が数の魔法の不思議と対称性で結びつけられ、それ以外の場合では目にさえ見えなかった連続的で時間を越えた普遍的な行動を明らかにし、そして私たちはそれを幾何学を通してのみ知ることができる。幾何学の研究は、平衡、融合、一貫性、均衡、調和、統合、相互接続性、最適化、安定性、持続可能性、共生、対称性、相乗効果、完全性そして統一性を描き出す。

大日如来曼荼羅(京都市東寺)〔ウィキペディアより〕

サンスクリット語のマンダラ〔右図〕は大まかに「マジック・サークル」とか「聖なる円環」と訳される。マンダラは、古代でも現代でも、おおむね美しい放射状の対称性の例を提供し、聖なる幾何学の要素を含んでいる。それらは意識の活性化の母型として役立つ。カール・ユング〔スイスの精神科医 1875-1961〕は、世界の文化や時代の幅広い分野からマンダラを学んだ。彼はまた、自分の魂の働きの媒体として自身のマンダラを作成することを提唱した。彼は、中心から外に向かってマンダラを描くと、私たち個人の課題や挑戦を解決する助けとなり、時には明快さとエネルギーを増強して、私たちの生活に適用できると指摘した。

東洋の哲学者は、スリ・ヤントラ模様〔訳注〕の上での瞑想が啓発をもたらし、それにより、そのイメージが心に刻まれるようになると、その瞑想する人には、宇宙のすべての神秘が明らかになると言う。この模様には、生命力のエネルギーを集中させ、バランスをとり、水準を向上させる効力がある。その秘訣は、スリ・ヤントラを源のゼロ点へ通じる「スター・ゲイト」として経験することで、すべての現れが最終的に到来する。インドの古代ヨーガは、スリ・ヤントラがすべての既知の幾何学的パワーシンボルの中で最も強力であると考えた。それは創造の音の幾何学的構造、「オムー」の音を表している。

〔訳注〕スリ・ヤントラ模様の一例〔ウィキペディアより〕

 

普遍的パターン

円や球から発達した形、パターン、模様はハーモニックな規範形で、人間の状態を調整し、力を与え、高揚させ、刺激するのに役立ち、かつ、私たちをより広い全体へと開放する。私たちはフラクタルで、それは無限で、無数かつ無限のフラクタルのなかの、ひとつの無限フラクタルの中にある。このような構造の中では、私たちの創生の全領域が、多次元に振動する周波性の内にある無限フラクタルを表しており、それ自体が聖なる幾何学的パターンとして変化する周波性とともに常に変容する。これらの母型は、すべての事象の基となる基本的な構成設計図である。それらは、固体の変質または結晶化を通じて数学的幾何学の形状を取る。

マクロレベルでは、聖なる幾何学は、宇宙が出現し、秩序付けられ、そして持続する道を理解する簡潔な手法となる。たとえば、特定の惑星の軌道は、ファイ〔黄金比〕と関連している。即ち、水星から金星までの距離は、太陽から水星までの距離の約1.618倍である。地球から火星までの距離は、金星から地球までの距離の約1.618倍である。1.618の比は、実に、宇宙全体の他の惑星や銀河でも見られる。

特定の惑星間の軌道の関係も、比として「黄金的」である。例えば、木星と土星の関係は、60年間に木星が太陽の周りを5公転する。土星は太陽を一回りするのに28年かかり、天文学〔占星術の誤りか〕ではこれを人の「サターン・リターン」〔20歳代の末に入る〕と呼んでいる。木星の公転軌道の終わりに土星の位置をマークすることで、 黄金比五角形と五芒星が宇宙に跡付けられる。

螺旋の形は、それ自体により素晴らしいものを見せてくれており、ある意味では、目に見えないものを見えるようにし、何も見えないものから何かを作り出している。対数螺旋は1638年にデカルトによって最初に研究された。オーム貝の螺旋の持つもう一つの魅力的な特性は、その切断面に見られ、特異点に向かう無限数Φの数は、ゴールにに近づくが決してそれに到達しない。人間の耳は、外側の世界からの振動を受ける三半規管と呼ばれる微妙な内側の部分を含む同じ螺旋に基づいている。 ヒトの胚も同じ形で発達する。

 

ヴェシカ・ピスシス

ヴェシカ・ピスシス(Vesica Piscis)は、同半径の2つの円から作られたシンボルで、交差する各円の中心が他の円の円周上にある〔訳注1〕。ラテン語のVesica Piscisという語の文字通りの意味は、その大まかな類似性がゆえの「魚の膀胱」である。だがそれは無限の象徴であり、最も顕著に古代でも現代ででも幾何学的イメージなで代表的なもののひとつである。それは比喩的には、子宮の開口部または外陰部でもある。つまりそれは、すべての形が生まれる幾何学的パターンである。それはまた、「イエス・フィッシュ」〔訳注2〕のシンボルも表している。ヴェシカ・ピスシスは、フリーメーソン内のシンボルとしても用いられ、ことに、その儀式の司祭が着用した襟の形に見られた。ヴェシカ・ピスシスには「統一からの分裂」という意味もある。言い換えれば、私たちは道を失い、これが正しい道に戻る道である。このアーモンドの形は伝統的に、そこから他のすべての創造が生じて行く開口部として知られている。しかし、この原型的な裂け目がもたらすものは、あらゆる反対物――明と暗、秩序と混沌、陰と陽――の出現で、むろん、夜明けの始まりとともに、善と悪の双子のコンセプトも生まれる。

    〔訳注1〕 ヴェシカ・ピスシス           〔訳注2〕 イエス・フィッシュ

 

  

〔ウィキペディアより〕

ヴェシカ・ピスシスは創造過程の坩堝である。それは、反対物の融合の明瞭なシンボルであり、世界の明らかな二極性の通路で、それを通して光が生じる幾何学的イメージである。その形状はまた、人間の目の幾何学的形でもある。原子やビッグバンの分裂のように、聖なる幾何学の第二の働きは、完全で完璧なものを分け、創造に二元性をもたらすことである。統一性と全体性だけがあるならば、多様性や多種類は決して生じない。この原始の分割の中で、人間の卵の最初の分割のような細胞分裂が始まり、そして自己に相似した円が現れ、それが2つになり、二極性が生まれる。

聖なる幾何学の原要素は、生命自体と共に、円で始まる。2つの円が重なり合うとヴェシカ・ピスシスが形成される。ヴェシカ・ピスシスの過程では、正三角形、五角形、六角形が形成される。〔聖書の〕7日間の創造は、「生命の種」の7つのサークルに見ることができる。最後の「生命の花」と呼ばれる古くて聖なる幾何学的シンボルは、人間の細胞の分裂のダイナミクスを表している。(with permission, (c) Brad Olsen, 2018)

 

 

パターンの出現

「生命の種」〔Seed of Life〕と呼ばれる相互に接し合った7つの円の幾何模様は、すべての物質の形成に必要な情報の基本単位と考えられている。また「生命の花」〔Flower of Life〕と呼ばれるもう一つの幾何学的シンボルは、心の中のエネルギー情報を活性化させ、人の「光る体〔オーラある体〕」へのアクセスを助ける。生命の種は、宇宙の源の言語――純粋な形と割合――の出現を表している。これらの相互結合した円のデザインのそれぞれは、私たちの存在の中で深い記憶を開拓し始め、私たちとその周りのすべての物と共鳴する主要なエネルギー・パターンとなる。

2つの反対波が衝突すると、それらは「ヴェシカ・ピスシス」を形成する。科学は双極子としてこれを説明する。お互いに振動する波のペアが音やエネルギーを生み出し、衝突して振動する2つの波が一緒になって六角形の構造とヴェシカ・ピスシスを形成し、大量創造の可能性を引き起こす。ヴェシカ・ピスシスの中には、「生命の種」が表わされている。 この一体化の部分から「生命の木」が生まれる。回帰のコンセプトは、聖なる幾何学の格子構造内に存在することを考慮に入れると、さらにそれ自身を表示する。私たちの存在と私たちの宇宙のすべての部分がこの格子構造―― Metatron’s Cubeとして知られている――に含まれている。これは魔法や錬金術から始まり、意識の達成のもう一つの領域があるという考えである。(with permission, (c) Brad Olsen, 2018)

「生命の木」〔Tree of Life〕は、宇宙的な生命力のエネルギーと光る体の覚醒の最も古くて深遠な教えの一つである。「生命の種」と共に、それは果物の木のサイクルに並行する幾何学の一部である。これらの2つの形が互いに重ね合わされると、その関係が明らかになる。「生命の木」は、ユダヤやヘブライ語によるユダヤ教の神秘的な古代思想であるカバラの基礎となる幾何学的デザインとして最も広く認識されている。しかし、カバラは、古代ヘブライ人に由来しているのではなく、エジプトのルクソールにあるカルナック寺院の3つの柱の2つに、5000年以上前に彫られたものに見られる。これらのイメージのように、それらはどんな人種、文化、または宗教を超えている。それらは自然と密接に関連しているパターンである。関連するパターンでは、「生命の木」の円は、それぞれヴェシカ・ピシスの長さか幅のいずれかである。

また、流転するトーラスの形は、創世のパターンを表す原初の形である。それは、生命の多くの側面――トーラスの形をした7つの筋肉を持つ人間の心臓をはじめ――をつかさどっている。トーラスは文字通りにあらゆる生命体、原子、そして惑星、恒星、銀河などのあらゆる天体をめぐる、エネルギーの原形である。

 

生命の花

「生命の花」は古くから知られていて、オシリス寺院をはじめルーマニア、イスラエル、中国など世界各地で見つけることができる。「生命の花」の知識は、それは誰もの知識になることは許されないほど、とても神聖なものであった。基本的な理解は、宇宙のすべて――人、木、動物、惑星、太陽系、および星――が幾何学をなすというものである。宇宙のすべてがこの単一のパターンから導き出されているというものである。 Metatron’s Cubeは「生命の花」」から派生したもので、それは、宇宙全体を構成する四面体、六面体、八面体、十二面体、二十面体の5つのプラトン立体を形成する。既述のように、元素周期表の各元素は、5つのプラトン立体のうちの1つと幾何学的関係を有している。

「生命の花」は、等間隔の重なり合う複数の円からなる幾何学図形に与えられた現代の名称〔「ニューエイジ」と呼ばれる分野の文献が提唱〕である。それらの円は、六角形に似た6個の対称軸を有する花のようなパターンを成して配置されている。各円の中心は、同じ直径の6つの円の円周上にある。それは古くからの宗教的価値観を含み、基本的な宇宙と時間の形態を描写した聖なる幾何学の典型的なシンボルと考えられている。この意味では、すべての意識ある存在をつなぎ合わせたつながりが視覚的に表現されており、すべての生き物の基本情報の一種の「アーカシック・レコード」〔訳注〕を含んでいると考えられている。

〔訳注〕アカシック・レコード:元始からのすべての事象、想念、感情が記録されているという世界記憶の概念で、アーカーシャあるいはアストラル光に過去のあらゆる出来事の痕跡が永久に刻まれているという考えに基づいている。〔ウィキペディアより〕

レオナルド・ダ・ヴィンチは、「生命の花」の形とその数学的性質を研究した。彼は「生命の花」そのものだけでなく、「生命の種」のような様々な要素を描いた。 彼はプラトンの立体、球体、トーラスなどの形を表す幾何学的図形を描き、また自分の作品に黄金比のファイを取り入れ、そのどれもが「生命の花」のデザインから案出されたらしい。

「生命の花」は、多くの霊性的な信条と関係している。している。5つのプラトン立体の描写は、Metatron’s Cube――「生命の花」のパターンから生まれた――のシンボルの中にも見られる。そうしたプラトン立体は、すべての生命が湧きだす鋳型として機能するといわれる幾何学的形である。「生命の花」は最終的に果実を生み、より多くの数学的な複雑さで、Metatron’s Cubeと「生命の木」となる。現代科学が知る要素と現実はすべてプラトン立体と結びついており、そしてそれはMetatron’s Cube、「生命の果実」、そして「生命の花」となり、さらにそれは霊性から形成されたもので、すべてが繋がっている。つまり「生命の花」は、宇宙のすべてに結びついているだけでなく、意識と霊性にも結びついている。

 

 

生命の卵そして果実

「生命の卵」のシンボルは、「生命の花」の7つの円から構成されている。「生命の卵」の形は、創生の最初の数時間の多細胞の胚の形であると言われている。「生命の卵」は、音楽のハーモニーと電磁スペクトルを結び付けるパターンである。

「生命の果実」は「生命の花」を略図化したもので、前者が 61の円を含むのに対し、「生の果実」は13個である。「生命の果実」は、あらゆる原子、分子構造、生命形態、存在するすべてのデザインの基礎を含み、宇宙の青写真と言われている。

「生命の果実」の13個の円の配置は、六角形――「生命の種」あるいは「創世パターン」として知られている――に近似させるために放射的対称性におかれた一連の接し合う円によって形成されたものである。

「生命の種」の配置は、まず第一の円から始まり、それが第二の円と交差し、これらの2つの円の円周が他のサークルの中心を通り、先述のヴェシカ・ピスシスを成す。それに放射対称性に5つの円を追加すると、「生命の種」ができる。それにさらに、同じヴェシカ・ピスシスの形でより多くの円を追加することによって、この初期の形を拡張し、初めの大円を取り除くと「生命の花」が現れる。これをさらに拡大してゆくと、「生命の果実」ができる。そして「生命の果実」の13の円のそれぞれの中心を結び合うと、Metatron’s Cubeを形成する。

「生命の卵」の7個の円は、天地創造の7日間や啓示の七つの封印、地球上の7つの大陸、7つの大洋、または7つの海に結び付けることができる。また、電磁波スペクトルの7つの可視色――七色の虹の色――を表すこともできる。オクターブの7つの音符(量子跳躍をしている8番目の音符)もそうである。 身体の7つの主要なチャクラまたはエネルギー系、私たちの太陽系の7つの古典的な惑星は、私たちに週の七日間をも与えている。

 

ベクトル平衡=六角形

「ベクトル平衡Vector Equilibrium〔訳注〕は、ひとつの中心をめぐる無指向性の最緻密の詰め込みである。三角形はつぎつぎとより多くの同形部分に細分することができる。任意のベクトル〔を一片とした三角形〕の細部分片の数は、所与の三角形の頻度数として扱うことができる。幾何学では、頂点は幾何学的形状の角または交差をなす特異な点である。三角形格子では、各頂点を円あるいは球体になるまで広げて無指向性最緻密に詰め込んだ球体と三角形体との間の固有の関係を示すことができる。平面内の球体の三角形配列の頻度数は、与えられた辺上の球体の数ではなく、むしろ間隔の数を数えることによって決定される。

〔訳注〕下図は「ベクトル平衡」の幾何学的に表現〔http://cosmometry.net/vector-equilibrium-&-isotropic-vector-matrix より〕したもの。この図に青、緑、赤、紫で表した4つの六角形があるように、この空間(宇宙空間と考えられている)は4次元空間である(立方体では、3つの正方形があり、我々の三次元空間を表している)。

六芒星は6点の先端をもつ幾何学的星形であり、2つの正三角形を逆向きに重ねたもので、その重複部は正六角形をつくる。それは、ユダヤ人のアイデンティティーの象徴として一般に認識されているが、イスラム教、フリーメーソン、東洋の宗教、オカルトなどの歴史的、宗教的、文化的背景でも使われている。こうした「ダビデの星」または六芒星の形は、完璧なバランスを表す。三次元形式では、「ダビデの星」や六芒星はメルカバになる。ことに、上述してきた幾何学が「聖なる幾何学」と呼ばれるのは、この特定の幾何学が、創生中のすべてのものの創生パターンに存在するためである。実に、宇宙のすべては振動と振動数であり、これは科学的事実である。この振動も無限であり、オクターブを通してハーモニーをなして流れ、色、音楽、そしてチャクラにさえ作用する。

 

新しい時代の新しい理解

私たちは巨大な変化の真っ只中にいる。古い世界は死につつあり、新しい世界が生まれている。文化的、社会的な変化の中で、霊性的な変化も起こっている。世界中の多くの人々が、自らが広大だが言いようのない何かに直面していることを発見している。その謎を解明する道は、最終的には心であり、理性ではない。これが「偉大な開始」の時代であり、何千年も前にそれが予言されたものである。いまや誰もが、最も困難な「自分との向き合い」あるいは典型的な「魂の闇夜」を経験しようとしている。聖なる幾何学は、こうした私たちが、大きな変化の状況に圧倒されるのではなく、新しいパラダイムに移行し変化をとげることを助ける。それは、私たちが予言された「啓蒙の黄金時代」に入る際に、私たちの可能性を広げ、私たちの精神と心と魂を開く鍵を提供する。

私たちは、自然の内なる機構を通って次元間の旅をし、根源的世界に存在する深遠な秩序と崇高な美しさを体験しなければならない。聖なる幾何学は、現実の背後に存在する形態発生の構造であり、幾何学的な形、形式、模様を通して創造の法則を示している。これらの幾何学には、同じ比率と割合が含まれているため、私たちはそれに自然な親和性をもつ。神秘的な幾何学に接することによって、人はミステリアム・マグナム〔大いなる神秘〕と「素晴らしいデザイン」を熟慮する。これらのパターン、形態と関係、そしてそのつながりの性質を研究することによって、洞察力は宇宙の法則や謎を解明する。そして、これらの幾何学を私たちの意識に浸透させることによって、私たちは現実に健全に機能するシステムを導入できる。 自然法則を理解すればするほど、自然界に存在するハーモニーを、私たち自身の生活の中でより強力な力として適用することができる。

私たちの現実においては、エネルギー、振動、または周波数が、すべて「神」の高さから物質という低さに至るまですべての領域にわたっている。物質から立ち上がり、私たちは音、光、ものそして名すら無いレベル――それには意図すら含まれる――を持っている。これらはすべてパターンで編成されており、これらのパターンこそ聖なる幾何学の本質である。聖なる幾何学ももう一つの側面は、次章で議論する、聖なるシンボルである。

 

 

【本章完結】

 

参考文献

Frissell, Bob, Nothing in This Book Is True, But It’s Exactly How Things Are. Berkeley: Frog, Ltd. 1994.

Plato, Plato: Complete Works. Hackett Publishing, 1997.

Prophet, Elizabeth Clare, Inner Perspectives: A Guidebook For The Spiritual Journey. Summit University Press, 2003.

Pythagoras, Pythagoras: His Life and Teachings. Ibis Press, 2010.

 

 

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Modern Esoteric cover small

Modern Esoteric: Beyond Our Senses,  by  Brad Olsen

http://cccpublishing.com/ModernEsoteric  www.bradolsen.com

with permission, (c) Brad Olsen, 2015

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