三ヵ月ほど、この「越界-両生学・あらまし編」をごぶさたしていました。この間、新しい訳読に関心を集中していたのですが、この「あらまし編」は、表記の「宣言」をその結語としてかかげ、今回をもって最終回にしたいと思います。そして次回より、「日々両生」でも触れましたように、次の十年紀へ向けてのマップ作りとして、この「宣言」に託されたその意味、すなわち、その《峠越え》に向けた「越界-両生学・本編」に入ってゆきたいと考えています。

さてそこで、その宣言、「通過点としての《し》」です。

まずその初めにこの「《し》」ですが、それは、「さ」でもなく、かといって「す」でもなく、その間にある「《し》」であります。ただしそれは、現社会の慣用では「死」と表現するのが一般的であり、いかにも今日の世相を象徴的にも反映するこの「ひとこと」につき、そう記号化して表現しなおしたものです。いくぶん遊戯的ではありますが、この技巧を通じてそうした世相の解毒化をはかり、またその根拠希薄なぶれについては、それを最小化してみようとのたくらみであります。 詳細記事

私がこの連載「訳読―2」(今回より{訳読―2b)を含む)において、ブラッド・オルセンの「東西融合〈涅槃〉思想」シリーズの訳読に精を出している理由のひとつが、私たちの存在の根源が、タイトルのように、《宇宙への風穴》をもっていることにあります。ことに私はそれを、「逆算のカウントダウン世代」の一人として、別掲のような『「通過点としての《し》」宣言』という観点からも、自分の永遠の旅立ちにからめてそれをえて考えています。

その4回目である今回は、その《風穴》を、生物学の観点、とくに生命の発生にかかわる遺伝学の分野からみてゆきたいと思います。

そこで取り上げるのは、同著者の「東西融合〈涅槃〉思想」シリーズの第二冊目である『現代の「東西融合〈涅槃〉思想」』のうちの「DNAミステリー」です。 詳細記事

 

 

ブラッド・オルセン著

 現代の「東西融合〈涅槃〉思想」

――五感を越えて――

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