去る6月18日、トランプ大統領が国防省に対し米国宇宙軍の創設を指示した、との報道がありました。報道の限りでは、この「宇宙軍」とは、もはや武器開発の場が地球を囲む宇宙空間におよんでおり、そこでの制空権ならぬ、“制宙権”の確保を意図した構想であるかに伝えられています。つまり、戦争の相手はまだ地球人同士で、ただその場が、近宇宙に拡大されてきているとの想定です。

だがその一方、今回の「ユートピア前夜」の章――ことに「監獄惑星からの脱出」――に含められている、地球は地球外生命(ET)の植民地との議論は、すでに地球は、ETによって、それが分からぬほどにも巧みに占拠、支配されているとの設定に立つものです。つまり、SF映画「スターウォーズ」のごとき対異星人戦争もありかねぬ現実の世界です。しかしこうした議論は、おおかたの向きには、荒唐無稽過ぎる話として唾棄される分野であるでしょう。 詳細記事

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「思考と言葉は、人間の創造をもたらす分野であり、現実を変えるための道具である。知的に活用されるのを待つその真の富の素晴らしさを得るため、私たちは、それを未活用の人たちに、研究・開発もしくはひたすら考えることを、生涯の友とするよう示す必要がある。人間は、生存への公民権を失う恐れなく、真に考えることに挑み、それに基づいて行動できねばならない。」――バクミンスター・フラー〔アメリカの思想家、デザイナー、発明家、1895-1983〕

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第四章

シズの至言

 

シズの至言。 あんたの名前「シズ」だが、戸籍謄本には「シツ」とある。濁点の無い昔の表記か、ともかく我々には「シズ」で通っていた。我々の父親ということになっていた男トシローを産んだ女、そのあんたの口癖。「戦争があの子(トシロー)をあんなにしてしもた」「あの子は戦争で、あないなってしもうた」。これがあんたの名言至言だ。 詳細記事