ひとことで言ってしまえば、以下の議論は、宗教ことに仏教思想と量子理論の間に橋を架けようとする“身の程知らずな”こころみです。つまり、仏教思想にある、「縁」とか「縁起」という、万物が互いに結び付き合っているとの発想に着目し、それと「場〔field〕」――前回に提起――とが互いに関連付けうるのではないか、とするものです。 詳細記事

 この9月末から10月初めにかけて、私たちが訪れたのは、フンザ渓谷の主要部である、下流のライコット(Raikot)橋から上流のソスト(Sost)村まで、約200kmにわたる一帯です。この深くえぐられた谷にもかかわらず、日本なら1級国道並みのカラコルム街道が貫通しており、ゆうに時速80キロでもとばせる快適なインフラが整備されています。そのため、後述するように、同街道脇の休憩所から、一歩も山道に踏み入ることなく、高さ7,788m(世界27位)のラカポシ峰北壁を文字通り眼前にできます。実に6,000mを超す圧倒される高度感の体験です。さらに、下流では、世界9位のナンガパルバット峰(8,126m)の雄姿も車中にいながらにして望めます。これほどのアプローチの良さで、7~8千メートル級の高峰群をほしいままに体験できるのは、世界でもここだけと言えましょう。 詳細記事