【撮影 山本 哲朗】
名前:ポピー
撮影場所:都内北区
コメント:花芥子の開くや遅き散るや疾き 子規 詳細記事
国籍問題について、以前どこかで大坂なおみが、インタビュアーの「あなたのアイデンティティは?」との質問に、「私は私」と明快に答えていました。
国籍問題は、私の場合、自人生の内で、しかも中年になってようやく到達した自らの選択課題であったのですが、彼女のような場合では、自分の生まれそのものが二つ以上の国や世代にまたがっているケースであるわけですから、その自問自答の枠組みは、私の「選択問題」とは違って、それこそ親の時代に始まり、繰り返し問われてきた問題であったことでしょう。
あるいは、そうした「混血」――“ハーフ”あるいは“ダブル”と言うべきなのか――がもたらす事柄が際立って採り上げられ、インタビュー質問されること自体、「日本的」ともいうべき出来事なのでしょう。
前回に述べたように、「アイデンティティ」という語には、英語上――少なくとも私のオーストラリア体験の限り――、国籍問題をあたかも個人の日常の「心理問題」あるいは「法律的問題」に置き換える実務的側面があります。つまり、それほどに「ありふれた」問題であるわけです。 詳細記事