究極の「秘密」、究極の「問い」

〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その50)

今回の訳読の核心を要約すればこうなります。

 

究極の「秘密」とは、秘密の約束を守って多数の「シープル〔羊のような大衆〕」を――彼らが自身を「選挙された」と信じさせることをもって――コントロールする方法である。その目的は、自分たち以外のすべての宗教を排除し、すべての国家をなくすことで、すべての物、すべての人、すべての場所、すべての日々の瞬間を、永遠かつ完全に管理し所有することである。この「分断」は既に着実に進められている。X はそのメンバーに、「至高の存在」にあると信じている限り、どの宗教に入れとは求めない。それは表面上は興味深いことであり、「彼ら」は誰も、社会の他の部分と共通しているかに見える。しかし、教え込まれた数十億の大衆は、X の持つ「共通の絆」や他の秘密――「我々は、君たちが教えられたことなぞ信じてはいないが、ともあれそういうふりはしてゆく」――を持っていない。

 

このパラグラフは、今回の訳読中、「神秘派のエソテリック表象学」のセクション末尾からの引用ですが、この X に何を入れるかは、ある意味で、重要ではないでしょう。むしろ、重要なこととは、X が何であろうと、このパラグラフが示唆する、そういう究極の問いを人が常に問えるか、言いかえれば、根源の信をどこに置くか、ということです。

 

それでは、今回の訳読「創成の神話(その1)」にご案内いたします。

 

 

 

 

 

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