前号に掲載した私の日本訪問談「巡り合った二つの古代溜池」に、それを読んだ二人のリタイア途上の土木屋さんから、以下のような反響をいただきました。一人は、吊り橋という橋架けの、もう一人はダムという大きな溜池造りの、それぞれの専門分野に携わってきた人たちで、その専門視点の今なお健在さが伺えます。
「橋梁屋さん」より
早速、「巡り合った二つの古代溜池」を拝見しました。私がその中で一番興味をひかれたのが、瀬戸大橋を渡る動画でした。「北備讃瀬戸大橋」から与島に渡り与島高架橋(PC橋)を経て与島橋(トラス橋)の途中まででしたが、列車から見ると橋の構造にかかわりなく平坦に進行していますが、私がかかわった「南備讃瀬戸大橋」で開通前の列車の走行試験時に橋軸方向から見ていると、列車が径間中央付近になると大きく沈み、その姿が見えなくなり、やがてまた列車が浮上してくる様子を感慨を持って見ていたことを思い出しました。吊橋が荷重によって大きく撓むことは知識として知ってはいましたが、実際にその様子を見たことは驚きそのものでした(本筋とは違うところに興味を惹かれてしまいました)。
「ダム屋さん」より
「三年ぶりの日本帰国報告」、拝読させていただきました。ありがとうございました。
満濃池ダムや狭山池ダムを訪れられたの事、ダム世界の隅っこですがダムにかかわってきた者の一人としてうれしく思います。
近代日本のダムとしては、明治時代がスタートし開港に伴なって水道用水不足への対応が求められ、1800年代末頃から1900年代初めにかけて水道用水供給のためのダムが、神戸の布引五本松ダムや函館の笹流ダム等として建設されました。
一方、首都となった東京では近代水道が求められるようになり1900年代初めに山口ダムが建設され、また、近代の農業用ダムとしては1900年代前半に「粗石モルタル積み5連アーチダム」として豊稔池ダムが建設されています。
(中略)
現在日本には高さ15m以上のダムが3,000以上ありますが、これらの内代表的なダム70ほどの概説を1冊にまとめた(私も編集に携わりました)ものから5ダム〔下写真はその一つ〕を抜粋したもので、何れも特徴的なダムです。
ちなみに、My Favorite Damはダム規模は小さいですが姿の美しい笹流ダムです。
以上、興味を持っていただければ幸いです。