新しい思想潮流か

〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その3)

訳読中のブラッド・オルセン著の本書『「東西融合〈涅槃〉思想」の将来性』に展開されている話は、私のような「逆算のカウントダウン世代」にしてみれば、余りに遠大な理想論です。そしてそれだけに、その内容にも激しい賛否両論のやりとりが予想されます。むろん、著者もその辺は百も承知で、前回の「本書へのイントロ」のように、その黒白の判断は最終的には読者自身で考えてほしいと、ボールを投げ返してきています

ことに、今回の訳読に取り上げた「フリー・エネルギー」の章は、その論点が《誰でもタダで入手できる無尽蔵なエネルギーが実在している》というのですから、それは”超”革命的です。さらに、そうであるだけに、強力な政治力も握る既存エネルギー陣営からの反論も、並大抵のものではすまないでしょう。

そういう次第で、この「遠大な理想論」は、その未来性という観点では、私のような秒読み世代の”冥土への土産”的な関心とされるより、文字通り、将来のある世代のその未来を託した関心とされるべき議論でありましょう。 詳細記事

「奥義」にひそむ「東西融合」

〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その2)

敢えての大言壮語なもの言いを許していただくと、サイエンスはもはや《ポスト・サイエンス》との次元に根ざさないでは、もう(それともすでに)行き詰まってしまうのではないか。そして、その《ポスト・サイエンス》とは、物や規模(お金)に焦点が当てられる”客観”サイエンスにはまり込んだ陥穽から抜け出るために、もっとヒューマン、そして敢えていう“主観的”なサイエンスへと血流を回復してゆく必要があると思います。近年、「心脳問題」を扱う脳科学や、意識の問題に照明が当てられるのも、そうした客観サイエンスが扱いきれない新たな跳躍領域への突破口を開きたいとする、時代に潜む暗黙の共有意志の表れのようにも考えられます。 詳細記事

『「東西融合〈涅槃〉思想」の将来性』を「訳読」する

〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その1)

新たな本と人に遭遇しました。その本とは、 『Future Esoteric』。そしてその人とは、その著者のブラッド・オルセンです。しかし、この本の日本語版はまだ出ておらず、自分で訳して読むしかありません。例の「訳読」の再開です。7年を費やし2年前に完了した『天皇の陰謀』に続く、「訳読」シリーズの第二弾です。おそらく、この仕事も容易ではなく、何年かを要するものとなるでしょう。そして彼は、私の「訳読」結果を、当サイトで出版することを承諾してくれました。 詳細記事