私は、このエソテリック・シリーズの議論に少なからず刺激をうけてきています。そうではあるのですが、こと「UFO」にまつわる論議になると、それが映画に小説にあまりにポピュラーで娯楽的すぎるがゆえに、それをまともに受け取るにはどうも腰を引いてしまうところがあります。 詳細記事
UFO論争の真偽
〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その23)
豪「メディア王」と米国、そして今の大統領選
〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その22)
今回に登場する「メディア王」ルパート・マードックは、もとオーストラリア人で米国に帰化した人物です。私は、オーストラリアにあってその「米国市民権獲得」の話を聞いた時、その理由が気になりました。それが今回の訳読を通じ、そのねらいの実相がようやく明瞭となったとの印象があります。つまり、「王国」と称されるメディア支配体制を完成させるには、まさに、米国がその最適地であったわけです。そしてそれでは、なぜ、米国であったのでしょうか。 詳細記事
もたれ合う「俗界」と「神」
〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その21)
私はこれまで、アメリカは今なおキリスト教の影響の強い国と考えてきました。たとえば、大統領の演説は常に「Good bless you〔神の祝福を〕」で結ばれ、あるいは、相当数の同教の宗派が、あたかもビジネスであるかのごとく繁盛しているかと受け取ってきているからです。
こうした受け止めが妥当なものかどうか、それはそれで確かめてみる必要はありそうなのですが、アメリカのメディアをテーマとした今回の訳読の限りでは、そうした宗教的“配慮”は、支配のための意図的なものだと述べられています。逆に言えば、アメリカ国民一般は、それほどに「宗教的」ではない――日本のように――ということです。にもかかわらず、アメリカ社会のあちこちに、ことに主要メディアの報道姿勢のなかに、いわば「宗教臭」が意図的に挿入されているという著者の主張です。 詳細記事
「エリート」とは誰?
〈連載「訳読‐2」解説〉 グローバル・フィクション(その20)
今回の訳読を通じていっそう納得させられることは、(過去もふくめ)現代の資本主義体制にとって、戦争、ことに第二次世界大戦が、いかにその体制確立のための周到かつ巧みな手段――「結果」のごとく言われていますが――となっていたかということです。いわば、軍事力と経済力は、国力という同じコインの両面で、それを相互にあるいは両輪として駆使しながら、そうして、たとえば米国は二次大戦後の覇権国家となり、日本はその野望を完膚なきまでに粉砕され、かつ、上手に利用されたわけでした。 詳細記事
『天皇の陰謀』とは何であったのか
〈連載「訳読‐2」解説〉 グローバル・フィクション(その19)
前回の本訳読の最初のセクション「第三帝国の執念」の末尾に、以下のような記述があります。
戦争直後の1946年、明らかに歴史を書き換える努力として、ロックフェラー財団は、書き換えた二次大戦の公的歴史を出版するために委託料として13万9千ドルをついやし、第三帝国のあらゆる神秘主義と超自然分野の成果を消し去った。ロックフェラー財団への主要出資社の一つは、スタンダード・オイルであった。
この記述に刺激を受けて思うのですが、勝者によるこうした「歴史の書き換え」は、当然、部分的なものでは意味を持たないわけです。つまり、アメリカが交戦した敵国、日本に関しても、その「書き換え」と矛盾せぬよう、一連のつじつま合わせの努力が必要かつ十分に遂行されたはずです。
そうした、戦後のアメリカにおける出版界のひとつの趨勢を念頭において、さらに、以下のように、もう一つの引用を挙げてみます。これは、本サイトに掲載している別の訳読であるデーヴィッド・バーガミニ著の『天皇の陰謀』の冒頭にある「著者から読者へ」のほぼ中ほどからのものです。 詳細記事
《伏魔殿》たるアメリカン・デモクラシー
〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その18)
前回にケネディー大統領暗殺にまつわる私の17歳以来の模索について触れましたが、この訳読を通して「アメリカの本性」に踏み込めばふみこむほど、いわゆる「アメリカン・デモクラシー」がいかに複雑、怪奇で、底なしの泥沼のごとくに足をすくわれるもの――その最大例がケネディー大統領暗殺――であるのか、そのまさに《伏魔殿》たる実像がしだいに浮かび上がってきています。
一方、ドイツは、日本に似て、人には恵まれていても資源に乏しい国です。そんなドイツが、一度ならず二度も世界大戦を起こしえたのはなぜなのか。日本が火をつけたアジア太平洋戦争は、南進して石油資源を確保することがまず条件でした。そうしたドイツに、石油資源のみならずその資金を供給したルートはあったはずです。
ここに、そうしたアメリカの《伏魔殿》と、ドイツへの資源供給をめぐる謎が、一つの事象の二面ではないかとの推察として浮上してきます。
今回の訳読は、そうした、ドイツにはアメリカとの結び付いた背後のリンクがあったという、そうした歴史の暗部をひも解いてゆく考察です。
“のたうつ恐竜” アメリカの本性
〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その17)
今回より、訳読を『「東西融合〈涅槃〉思想」の将来性』にもどし、まさに今日的焦点に迫る章を採り上げてゆきます。その焦点とは「国の秘密主義」。そしてその実像を、アメリカ合衆国――今やまさに、のたうつ恐竜――の本性として、本二著書の主題である「エソテリック」な見地にそって観察してゆきます。
この章には、著者がアメリカ人自身としてまさにその内部から告発する、自国の“裏面”が克明にかつ毅然として描かれています。
日本がその米国の属国であることは、もはや「隠蔽」しきれない衆知の事実となりつつあります。そういう日本であるなら、その属す相手がいったい何者であるのか、その本性くらいは知っておく必要があります。
「やはり米国」なのか「されど米国」なのか。これから訳読してゆく各章は、そうは易々と観察できる米国ではありません。 詳細記事
自滅に向かう惑星=地球
〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その16)
今回の訳読は、「教科書的」と受け止められそうな議論です。ただし「教科書的」とは、初歩的とか入門的との意味においてではなく、それほどにも原則的で正鵠を射ており、誰にも共有されるべき議論であるという意味においてです。 詳細記事
生命は宇宙起源か
〈連載「訳読‐2」解説〉グローバル・フィクション(その15)
今回から、新しい章、「ライフオロジー」を訳読します。
昨年12月に打ち上げられ、現在その長旅を飛行中の小惑星探査機「はやぶさ2」の主要目的は、サンプルリターンによって、生命誕生の謎を解こうというものです。
一方、今回の訳読の議論の中に、、「パンスペルミア〔胚種広布〕説」というものがあります。つまり、私たちを含む地球上の生命は、地球環境を起源とするものではなく、その種は宇宙からやってきたものと見る説です。 詳細記事